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「アンフォルメル」とは
フランス語で「不定形」の意味
アール・アンフォルメルが正式で
不定形抽象や非定型芸術といった
日本語訳となります
第二次世界大戦直後の1950年代に
フランスを中心に生まれた絵画動向で
戦争という
過酷な現実を体験した作家たちによる抽象表現です
不条理な現実に置かれた
自己の「生」を問い続ける
激情の表現ともいえます
その特徴は
分厚い絵の具の塗り重ねや盛り上がり
揺れ動くようなダイナミックな筆跡です
代表する作家は
ジャン・フォートリエ(1898-1964)
フランスの画家・彫刻家
「人質」シリーズは
ペースト状の絵具の塊に
断片的な人間のイメージを重ねたもの…
ナチス・ドイツの占領下で
自由と尊厳を奪われたフランス国民の姿に
触発されたものと言われています
その他
ジャン・フォートリエの作品はこちら
ジャン・デュビュッフェ(1901-85)
Paolo Monti, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
石膏や砂 ガラスの破片などで
あらあらしい質感を出して
激しい筆致で
人間を大胆に誇張して描いています
精神障害者や幼児の作品
原始美術などの影響も受けています
デュビュッフェの作品はこちらを
WIKIART
フランスの美術批評家
ミシェル・タピエは
フォートリエやデュビュッフェらが描く
その混沌として形の定まらない
不安定な表現の傾向を
第二次世界大戦を経験した人々の
精神状態や
不安定な世相と重ね合わせて
「アンフォルメル(不定形)」と名付けました
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013
展覧会情報
京都市京セラ美術館 ~5/22まで
「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑(へいばよう)と古代中国~秦漢文明の遺産~」
兵馬俑を過去最大級のスケールで紹介 国宝級の文物を含む200点もの多彩な遺物がそろいます 2000年以上前の古代中国文明に触れる貴重な機会です
静岡県立美術館 6/18〜8/28
名古屋市博物館 9/10〜11/6
上野の森美術館 11/22〜2/5