彫刻の続きですニコニコ

 

【資料】

20世紀前半の彫刻は、大きく2つの潮流がありました。ロダンを超えようと独自表現を追求する彫刻家たちの彫刻と、前衛芸術運動の中で、表現メディアの1つとして彫刻という形態を選択する画家たちによる革新的な作品です。素材は形態とともに表現を追求した前者では、ブランクーシやヘップワース、ムーアはその代表的な作家です。後者では、ピカソやマティス、アサンブラージュへと展開を見せたミロなどがいます。

 

 

Q.143

ダダやシュルレアリスムの芸術家たちが制作した、自然物や廃品も含み、それまでの彫刻概念を否定するような立体作品は、なんと呼ばれた?

①彩色レリーフ

②アサンブラージュ

③オブジェ

④モビール

 

 

 

 

答え ③ オブジェ

 

フランス語のオブジェは 英語でobject

もの・物体のことですねウインク

 

 

ダダシュルレアリスト

 

手仕事としての高度な技術を必要とした

それまでの「彫刻」ではなく

 

「オブジェ」として立体作品を制作しましたビックリマーク

 

 

 

そのオブジェの展開上に

廃品素材などを寄せ集めて

立体として構成したアサンブラージュがありますキラキラ

 

 

シュルレアリスムのところで

コラージュが出てきましたよね(Q.132)

 

ピカソブラック

絵の画面に印刷物などを

直接貼り付けていた技法ですキラキラ

 

それを立体的に展開したのが

アサンブラージュですビックリマーク

 

 

アサンブラージュ

「寄せ集める」を意味するフランス語に由来

 

既製品や廃品など

従来の彫刻で使われることのなかった素材を

組み合わせました音譜

 

 

ミロアサンブラージュの作品キラキラ

 

 

 

 

1961年「アサンブラージュの芸術」展

ニューヨーク近代美術館で開催され

それ以降 広く知られるようになりましたビックリマーク

 


 

 

 

 

 

Q.144

下図の彫刻作品が分類される芸術運動と関連付けた説明として、最も適切なものは?

①写実的な肉付きで内面的な感情を表現している

②無機質で感情を排した抽象的な表現をしている

③構成をベースに着想された抽象的な作品である

④有機的な着想で作られた抽象的な作品である

 

作品はこちらで確認をキラキラ

《横たわる人》 1935-36

 

 

 

 

答え ④

有機的な着想で作られた抽象的な作品である

 

ヘンリー・ムーア(1898-1986)キラキラ

ヘンリー・ムーア

Allan warren, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/39/Henry_Moore_5_Allan_Warren.jpg

 

 

 

イギリスではヘンリー・ムーア

人物像の新しいスタイルを生み出しますビックリマーク

 

原住民族の野性的な彫刻から

大きな影響を受けて

 

人間も自然の一部として

水平方向に軸を持たせます目

 

有機的な生命感のある人物像を

抽象的に表現しましたキラキラ

 

 

ヘンリー・ムーアの他の作品はこちらをキラキラ

 

 

 

 

 

こちらはマルセル・デュシャンのお兄さん音譜

レイモン・デュシャン・ヴィヨンキラキラ

(1876-1918)

レイモン・デュシャン・ヴィヨン

 

レイモン・デュシャン・ヴィヨン 大きな馬

《大きな馬》

1914(原型)/1976 ブロンズ

150x97x153㎝ ポンピドゥー・センター(パリ)

 

 

のイメージを

渦巻きバネやピストンのような形で

 

ダイナミックに抽象的に表現していますビックリマーク

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013