昨日の続きです
《洗濯女》
1863年頃 油彩・板
49x33.4㎝ オルセー美術館 PD
撮影 ナダール PD
政治や社会を風刺した挿絵画家
新聞に連載された風刺画で人気がありました
パリで暮らすあらゆる職業 階級の人々を
ユーモアを交えて描き
多くの石版画も残しています
《ガルガンチュア》
1831年 リトグラフ PD
《過去現在未来》
どちらもルイ・フィリップ王
絵画においては下層階級の人々を
愛情込めて描いています
《三等車》
1864年 カナダ国立美術館 PD
《ガルガンチュア》については
こちらを
《種をまく人》
1850年 101.6x82.6㎝
ボストン美術館 PD
ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)
撮影 ナダール PD
ミレーは3日前にも取り上げましたね
《種をまく人》は
1850年のサロンに出品
農民の悲惨な生活に抗議する
政治的な表明ととられて
議論となりました
ちょうど当時は
力をつけた労働者階級と
ブルジョワ階級との対立が高まってもいたため
評価と非難 どちらもうけながら
名声を得た作品です
1850年のサロンというと
昨日見たクールベの
《オルナンの埋葬》も同じ年の出品で
問題となっていました
しかしミレーは
1849年35歳のころ
家族と共にバルビゾン村へ移住してから
その美しい風景以上に
農民の姿に関心を持ち
キリスト教的主題を持たせながら
労働の崇高さを描いています
そこに政治的な意図はなかったといわれています
山梨県立美術館にも
同時期に描かれた《種をまく人》があります
ほとんど同じ絵です
どちらがサロン入選作品なのか
今も意見が分かれているようです
バルビゾンのミレーのアトリエ
Remi Jouan, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/77/Barbizon_-Atelier_Millet_%282%29.JPG
出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021
芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013