昨日の続きですニコニコ

 

【資料】

19世紀フランス美術の写実主義を代表する画家クールベ(a)は、美術史上、初めての個展を開きました。クールベの精神はマネや印象主義の画家たちにも引き継がれます。同じく写実主義の画家(A)は、都市の労働階級の人々の暮らしを描写しました。一方、バルビゾン派の1人として知られるミレーも、写実主義の画家として挙げられます。(b)

 

 

Q.87

下図を描いた(A)に当てはまる画家は?

①オノレ・ドーミエ

②アドルフ・フォン・メンツェル

③J.J.グランヴィル

④アドルフ・ルルー

 

ドーミエ 洗濯女

《洗濯女》 

1863年頃  油彩・板

49x33.4㎝ オルセー美術館 PD

 

 

 

答え ①

オノレ・ドーミエ(1808-1879)キラキラ

 

ドーミエ

撮影 ナダール PD

 

 

政治や社会を風刺した挿絵画家ビックリマーク

 

新聞に連載された風刺画で人気がありました音譜

 

パリで暮らすあらゆる職業 階級の人々を

ユーモアを交えて描き

 

多くの石版画も残していますキラキラ

 

ドーミエ ガルガンチュア

《ガルガンチュア》

1831年 リトグラフ  PD

 

 

 

ドーミエ 過去現在未来

《過去現在未来》

 

どちらもルイ・フィリップ王 びっくり

 

 

 

 

絵画においては下層階級の人々

愛情込めて描いていますキラキラ

 

ドーミエ 三等車

《三等車》

1864年 カナダ国立美術館 PD

 

 

 

《ガルガンチュア》については

こちらをウインク音譜

 

 

 

 

 

 

 

Q.88

下線部(b)のように考えられたのは、ミレーの作品が世間にどう解釈されていたから?

①理想的な田園風景を描いたもの

②社会的な抗議をこめたもの

③新しいライフスタイルを描いたもの

④民衆の軽挙への警告

 

ミレー 種をまく人

《種をまく人》

1850年 101.6x82.6㎝ 

ボストン美術館 PD

 

 

 

答え ②

社会的な抗議を込めたも

 

ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)キラキラ

 

ミレー

撮影 ナダール PD

 

ミレーは3日前にも取り上げましたねウインク

 

《種をまく人》

1850年のサロンに出品ビックリマーク

 

農民の悲惨な生活に抗議する

政治的な表明ととられて

議論となりましたあせる

 

ちょうど当時は

力をつけた労働者階級

ブルジョワ階級との対立が高まってもいたため

 

評価非難 どちらもうけながら

名声を得た作品ですキラキラ

 

 

 

1850年のサロンというと目

 

昨日見たクールベ

《オルナンの埋葬》も同じ年の出品で

問題となっていましたあせる

 

 

しかしミレー

 

1849年35歳のころ

家族と共にバルビゾン村へ移住してから

 

その美しい風景以上に

農民の姿に関心を持ち

 

キリスト教的主題を持たせながら

労働の崇高さを描いていますキラキラ

 

そこに政治的な意図はなかったといわれています目

 

 

 

山梨県立美術館にも

同時期に描かれた《種をまく人》がありますビックリマーク

ほとんど同じ絵です

 

どちらがサロン入選作品なのか

今も意見が分かれているようですびっくり

 

 

 

 

バルビゾンのミレーのアトリエ音譜

Remi Jouan, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/77/Barbizon_-Atelier_Millet_%282%29.JPG

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013