古代の美術（古代ギリシア1）

あけましておめでとうございます

2022年もどうぞよろしくお願いいたします

2級の問題を

またはじめから復習していきます

見直しながら再チャレンジです

資料を読んで答えよ。

【資料】

古代ギリシアは、ポリスと呼ばれるいくつもの都市国家が、協力体制を築いたり、戦争をしたりしながら文明圏を形成して、地中海での制覇を握りました。紀元前5世紀にはそれぞれの都市に巨大神殿建築(a) が出現。神殿を飾る浮彫や彫像は神々を表すものも多く(b)、古代ギリシアの人々が、神々は人間と同じ姿と気持ちを持っていると、考えていたことが明らかになっています。

アテネのアクロポリス

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/91/View_of_the_Acropolis_Athens_%28pixinn.net%29.jpg

Christophe Meneboeuf, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

Q.1

古代ギリシアにおいて、下線部(a)のような大規模な建築は、誰の決定によって建てられた？

①皇帝

②司祭

③哲学者

④市民

パルテノン神殿　紀元前438年　アテネ

Steve Swayne, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons

答え ④ 市民

古代ギリシアでは

紀元前8世紀頃から「ポリス」が建設され

その城山であるアクロポリスに

市の守護神を祀る神殿が設けられました

「ポリス」は

都市や都市国家 市民権を指すギリシア語

紀元前6世紀末頃までに

参政権をもつ市民による民主政治が実現しています

Q.2

下線部(a)の建築では、中央部の膨らんだ「エンタシス」という曲線の柱が使われていますが、その最も有力な理由は？

①外光によって中央部分がくびれて見えるのを防ぐため

②重量のある屋根の負担が中央部に一番かかるため

③曲線のフォルムによって優美な感覚を持たせるため

④地震の揺れを外部に逃しやすくするため

パルテノン神殿の柱

答え ①

外光で中央部がくびれて見えるのを防ぐため

「エンタシス」とは

円柱の中央部がやや膨らんでいること 

柱の下に立つと まっすぐな円柱よりも

安定して まっすぐに見えるという錯覚を利用

屋根の重量感も

視覚的に軽減されていますよね

ヘラ神殿（イタリア）

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7b/PaestumBasilika.jpg

No machine-readable author provided. Michael Johanning~commonswiki assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

古代のエンタシスは

微細なものだったようですが

ルネサンス以降は 

そのふくらみを誇張する傾向にありました

柱が荷重を支えていることを表現するため

という説もあります

日本にも

同じ効果を持つ「胴張り」という建築方法があります

法隆寺西院伽藍廻廊

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9c/Horyu-ji04s3200.jpg

663highland, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

日本最古の木造建築物 法隆寺

柱の下から1/3の部分が最も太くなっています

ギリシアからの伝来か!? ともいわれますが

その痕跡が何もなく

「胴張り」は日本独自に発展した美のようです

出題：美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト （株）美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社、2018

 水野千依編 幻冬舎 2013