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脳疾患68  一緒に泣いてくれた主治医





ほとんど病室で1人きりになる時間がなかった私。

ある夜、山下先生が来ました。



様子に見に病室を覗きに来た、という感じで。



私は幻覚と、脳の奥で起こる発作のようなもの、

猛烈に襲う恐怖心に耐えられず、

山下先生に言いました。



構音障害で呂律が回らないけれど、



号泣しながら、


「なぜ治してくれないの?

転院してきたのに、どうして治してくれないの?」


錯乱状態でそう言いました。





すると山下先生は涙を流し、


「ごめん!でも絶対治すから、頑張ろう!」



そう言って、一緒に泣いてくれたんです。





私は、担当の先生が一緒に泣いてくれる幻覚だな、

思ってました。





後日談ですが、

退院した数ヶ月後にお会いした山下先生にその話をすると、



「それ幻覚じゃないよ。何を調べても幻覚の原因が出てこなくて。

無力で泣けてきて一緒に泣いちゃったんだよね」



と、笑いました。





医者としては良くないかも知れないけど、

一緒に頑張ろうと泣いてくれたから、

きっと私は諦めずに頑張れたのだと思います。





脳疾患幻覚ダイアリーに続くー