これは推測出来たことではあるが、勿論「春モミジ」という品種があるわけではない。アントシアンという色素があるので春の出葉の際にも色づく。(なお、アントシアンとアントシアニンの混同が見られる解説がウェブ上にあるが、前者は色素で後者は栄養素と考えるのが分かりやすいと思う)
紅葉の原理は光合成に関連して緑素たるクロロフィルと紫外線から守るために生じるアントシアンが関係するが、その詳細は他に譲る。
ともかく、ある種の “モミジ” は葉が出始めた “出葉” から色づく。品種としては「出猩々」「手向山」「天城時雨」などがあるそうだ。
【出猩々】
【手向山】
「茜」という品種は真っ赤→黄色→緑色と変化するというから、私なぞの認識とは真逆の順序で色づく訳だ
園芸研究家で紅葉に詳しい矢野正善さんによると、春のモミジはまるできるろいのように水々しく若々しい。つまり命が輝いているそうなんです。
それに対し秋の紅葉🍁もアントシアンが出て紅葉🍁するが、基本的には水分は失われ枯れゆく色なのだそう。春にも是非ともモミジ葉🍁を楽しみたいものだ。
余談だが、これに関連して私がふと思ったのは、人は物事をある時期の断面でしか捉えていないことが多いということを教えられた。
先述の叔父は家庭菜園をやっていて、ある時私が庭に成っていた実を指差して「あれはヘチマですかね?」と尋ねたら「いや、胡瓜🥒を放っておいたら大きくなり過ぎた。もう大味だろうから枯れるまでそのままなのさ」という答えが返ってきて驚いたのを思い出す。
野菜🥬も我々が食すフェーズでしか見ていない。我々が一番美味しく食べられる時期に収穫した八百屋やスーパーに出まわっている状態でしか。
しかしこの胡瓜🥒の例の如く放っておけばもっと大きくなる。ふつうの茄子🍆だってほっとけば米茄子の如く大きくなるそうだ。
また、豆モヤシや枝豆など収穫時期の段階によるだけで実は同じ大豆であるとか。
きるろいも今は親父だが若い頃は水々しく俳優の横浜流星さんや中村倫也さんのような時期があったのだ。いや、誰でもそうであったかもしれないのだ