春のモミジを楽しむ | きるろいの快刀乱麻を断つ

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温故知新 

主に近世日本と落語ネタを綴っていくことを目標にして開設。最近は食いもん系が多いです。2024年はちょっと慎重に動きます(`_´)ゞ

ずっと以前から気になっていたことだが、大きなお庭のある家のそばを通る時、春でも紅葉🍁している樹木がある。

小生、まったく植物には疎いので一度叔父に尋ねたことがあり、その時は「それは〇〇だよ」と教えられて納得したものの、その後は気にもせずにきたらそのままその名前を忘れてしまっていた。

それが最近は休日でも近所を散歩🚶‍♀️するくらいしか外出しなくなって、また例のやつを見かけるようになった。
しかも、どうも赤ちゃんの手の形以外にも春から葉が赤い(紅葉と言っていいかどうか不明なので)植物があり、春に紅葉するのは1種類ではないらしいことに気づいたキョロキョロ

先日たまたま、ある落語家がナレーターをつとめる番組を録画予約し収録してあったのだが、それが悩みを解決してくれた。まとめると、

①春に葉が赤い種はカエデ科以外でもある。
②ずっと赤いままとも限らない。
③春に紅葉🍁しているのは秋の紅葉のように枯れていく過程ではない。

江戸期の有名な植木職人下矢印伊藤伊兵衛はいくつか解説の著書を残している。
桜🌸の栽培でも有名な染井村の伊藤伊兵衛についてはこちらも下矢印参考になるかと。

その伊兵衛の著述のなかに、
「蛙手は秋の紅葉を第一といえども今来古往春の出葉に様々の色有り」とある。


もともと紅葉は秋の紅葉🍁だけではなく春の色の変化も楽しむべきもの音譜であるようだ。

これは推測出来たことではあるが、勿論「春モミジ」という品種があるわけではない。アントシアンという色素があるので春の出葉の際にも色づく。(なお、アントシアンとアントシアニンの混同が見られる解説がウェブ上にあるが、前者は色素で後者は栄養素と考えるのが分かりやすいと思う)


紅葉の原理は光合成に関連して緑素たるクロロフィルと紫外線から守るために生じるアントシアンが関係するが、その詳細は他に譲る。


ともかく、ある種の “モミジ” は葉が出始めた “出葉” から色づく。品種としては「出猩々」「手向山」「天城時雨」などがあるそうだ。

【出猩々】

【手向山】
「茜」という品種は真っ赤黄色緑色と変化するというから、私なぞの認識とは真逆の順序で色づく訳だ目


園芸研究家で紅葉に詳しい矢野正善さんによると、春のモミジはまるできるろいのように水々しく若々しい。つまり命が輝いているそうなんです。


それに対し秋の紅葉🍁もアントシアンが出て紅葉🍁するが、基本的には水分は失われ枯れゆく色なのだそう。春にも是非ともモミジ葉🍁を楽しみたいものだ。


余談だが、これに関連して私がふと思ったのは、人は物事をある時期の断面でしか捉えていないことが多いということを教えられた。


先述の叔父は家庭菜園をやっていて、ある時私が庭に成っていた実を指差して「あれはヘチマですかね?」と尋ねたら「いや、胡瓜🥒を放っておいたら大きくなり過ぎた。もう大味だろうから枯れるまでそのままなのさ」という答えが返ってきて驚いたのを思い出す。


野菜🥬も我々が食すフェーズでしか見ていない。我々が一番美味しく食べられる時期に収穫した八百屋やスーパーに出まわっている状態でしか。


しかしこの胡瓜🥒の例の如く放っておけばもっと大きくなる。ふつうの茄子🍆だってほっとけば米茄子の如く大きくなるそうだ。


また、豆モヤシや枝豆など収穫時期の段階によるだけで実は同じ大豆であるとか。


きるろいも今は親父だが若い頃は水々しく俳優の横浜流星さんや中村倫也さんのような時期があったのだ。いや、誰でもそうであったかもしれないのだあせる 爆弾