2月3日(日)

第37回しがくセミナーは、航空自衛隊 航空支援集団司令官の織田(オリタ)空将にご講演頂きましたビックリマーク


航空支援集団ってのは、天皇陛下や総理大臣の輸送や、救難、空輸、管制、気象、点検などの役割を担っています。


織田空将は戦闘機のパイロットから上がってきた方で、世界で誰にも負けないというぐらいの超エースパイロットだった方です。


素晴らしい内容だったので、一部ご紹介。


子供の頃から戦闘機のパイロットになりたくて、防衛大学に入ったそうです。

受験の時に大阪大学にも合格していて、その時の先生が日教組の人で「なんで防大に行くんだ!お前をそんな風に育てた覚えはない!」と、ひどく説教されて、それ以来日教組は大嫌いだそうです(笑)


で、退路を断ってきたのでやめたくてもやめられない。

防大の4年間はきつくてきつくて、明日やめようか明後日やめようかといった世界らしいです。


街に出たら帽子を盗まれたり、税金泥棒と呼ばれ、それに耐えながらやってきたとのこと。

大変な時代ですね。


そして戦闘機のパイロットになって、日本海の誰にも見えないような場所で模擬戦闘をするわけです。

日に3回、敵を生かして帰してはいけない、言ってしまえば人を殺す為の訓練です。


普通の会社であれば、汗をかいても利潤に繋がらなければ意味が無いとなるんですが、自衛隊という組織は、「この汗よ、どうか無駄になってくれ!我が汗よ無駄になれ!」という想いをいだきながら努力するわけです。


カッコイイです。


人の幸せというのは、自分だけの幸せっていうのは絶対ない。

人を幸せにしない限り、自分も幸せになれません。しかし一方で、自分が幸せでないと、他人を幸せにはできません。


となると、不幸せの人は永遠に幸せになれないじゃないかと思うんですけど、違うんですね。幸せを感じてない人は、人の為に尽くして、人を幸せにしようと努力すると、人の幸せを貰うんですね。

それは、その努力が人を幸せにしてるんですね。


新潟で地震があったときに、災害派遣で自衛隊が助けに行ったんですが、若い人たちがイキイキと本当に幸せそうにやっている。


人を助けてる、人の為に尽くしてるっていう幸せがある。彼らは凄いですよ。


決してニュースではでませんが、被災者が野宿するような状態なら、自衛隊は絶対テントで寝ないです。自衛隊も野宿します。


食べ物や水が無ければ、まず被災者に配り、自分達は我慢します。被災者が風呂に入れない状況なら彼らも入りません。


被災者全員に行き渡ってから自分達の番です。それでも、本当に幸せそうにやっている。人を助けているという実感がある。


アメリカに2回留学して、アメリカ社会に触れて分かったことは、アメリカでは普通の主婦でも、安全保障について聞かれると、とうとうと語りますよ。


日本に帰ってきて主婦の方に「安全保障は?」と聞くと必ず返ってくるのが「反対」

会話になってない(笑)


安全保障とか国防ってそんなに難しい話じゃなくて、1人1人が国の行く末を考えることだと思います。


塩野七生さんの「ローマ人の物語」では、古代ローマの「市民」という言葉の意味は、「祖国を防衛するというのは市民の『義務』です。政治に参加するというのは市民の『権利』です。自分で自分の国を守れない市民というのは、市民に値しない。」と書いています。

これは、グローバルスタンダードですが日本ではちょっと違いますね。


戦後は、戦争とか軍事とか戦略とか、「考えたら戦争は起こるんだ」という言霊の世界が日本を支配してきた。


それをアメリカではオストリッチファッションと言います。オストリッチとは、ダチョウです。ダチョウは、自分に危機が迫ると、穴に首を突っ込むんですね。それで自分自身の世界に入って、安全だと思ってる。


「戦争のことを考えなければ平和がくる」と。2003年まで防大でも戦略論はなかったそうです。



「火事が怖いから消防車はいらない」「病気が怖いから、病気について語ることはしないでおこう。医学はいらない。」というのと一緒です。


リデルハートというイギリスの戦略家は「汝、平和を欲するのなら、戦争を理解せよ」と言っています。戦争は外交手段です。


最近の人は、自由には責任があり、権利には義務があるという基本的なところを知らない。


「ガソリン税が25円安くなる。賛成ですか?反対ですか?」って言ったら反対って言う人はいません。


マサチューセッツ州に行ってるときに「カバン買いたい」と言ったら、「隣の州のニューハンプシャー州が安いからそこへ行こう」と言われ、3時間かけて行ったそうです。


「なんでニューハンプシャー州は安いの?」って聞いたら、「あそこは住民投票で州税を取らない事に決めたんだ。そのかわりね、消防署を無くしたんだ」って言ったそうです。


10年前の話なので今はどうなってるかわかりませんが、火事が起こったら手前で消せっていうことです。でも、それは1つの民主主義だと思います。

下の句がありますから。


でも、日本は上の句言って下の句言わない。

ガソリン税安くする、賛成か反対かって言われたら賛成って言いますよ。


で、「その犠牲どうすんの?その義務は何なの?」っていうことを聞かないといけない。それを言わないと、私は極めて卑怯だなと思います。


それが平気でマスコミに受け入れられている国は、そりゃあ民度が低い国と思われても仕方ないと思いますよ。


権利と義務、自由と責任。成人式で酔っぱらって暴れた奴がいる。そいつにインタビューしたら「暴れるの自由だろ」って、「自由だけれども、暴れて人に迷惑かけた責任はしっかり君は取らなきゃいけないんだよ」ってブタ箱に入れられて当然ですよ。



当たり前のことなんだけど、それが当たり前じゃない。下の句は必ずあるわけですよ。


ヨーロッパでこういうのがありました。

上の句「私は一人でも反対する限り、橋をかけない」

下の句「だから冬でも泳いで渡れ」


練馬から吉祥寺まで外郭環状つくるときも、美濃部都知事が、「私は一人でも反対する限り、道路を作らない」って言ったけど、下の句は言わない。

「混雑しても我慢しろ」って言わない。それは国民を馬鹿にしてる。


柏崎原発が地震で壊れました。「危ないから即座に止めよ」って言う人がいる。


下の句言ってくれよって思う。今原発での電力供給は33%です。だから上の句言って下の句を言うとしたら、「危ないから即座に止めよ。そのかわり、24時間の3分の1、8時間は工夫して停電で過ごそうじゃないか」ということ言えと。


それを言ってようやく、それだったら議論に加わってもいいなと思う。ちゃんと下の句言って反対しなきゃいけない。無責任の恥知らずだと思いますね。


成田空港に反対して、まだまともな滑走路できてませんよね。

それがこないだ、反対の旗頭の人が年末に、成田空港からレジャーに行きました。それっておかしいんじゃないの?


自分の言ったこと責任持てよって思う。


航空自衛隊のパイロットって何人いると思います?

ヒントは、日本航空6000人、アメリカ空軍2万2千人。


航空自衛隊のパイロットは1700人です。1700人で本当にいいんですか?っていうのは、決めるのは国民です。誰も知らないでしょ?


だから、誰が決めてるかって言ったら財務省。お金の都合。


年間何名養成しているかと言ったら、85名。その内戦闘機パイロットは60名。厳しいですね。金も期間もかかりますからね。


防衛力の特質は、一言で言うと、熱い鉄板の上に氷の塔を建てるようなもの。ほっておくと、どんどん溶けてく。


手を緩めると10年かかります。1人前のパイロットの養成は10年かかります。今訓練してる人は、実戦配備されるのは10年後ですから。


それでいて、40歳には現場を離れるから、22歳から自衛隊に入ったら8年しか使えない。非常にお金と期間がかかりますが、理解してもらうしかないとのこと。



非常に面白くってタメになりました。