冷やし中華にぴったりな気候はあっという間に過ぎ去って
毎日雨季のような天候と寒さが舞い戻ってきましたよ。
 
きっと夏は忘れ物をして、取りに帰っているのやも知れません。
できれば早く戻ってきて欲しい気もするけれど
熱波になって帰ってくるのはちょっとやめて欲しいなと願いつつ。
 
 
 
 
 
春には菜の花の黄色とリンゴや桃の花の桃色と木々の緑でスンバラしいコントラスト
秋にはロワール河からの霧でこの世のものとは思えぬほど神秘的で得も言われぬ幻想的な様子を魅せてくれるワタクシのお気に入りの絶景ポイント。
ワタクシの長年の散歩道であり、遠方から友が来ればこの場所に日の出を拝みにきたり、散歩したりと必ずお連れするコース。
ワタクシが地元で最も愛する徒歩圏の桃源郷
 
ほとんどが葡萄畑の私有地で、同じ並びにある家はこの絶景を一日中見られるという
とんでもなく羨ましいロケーションなんですけど
実は、この一画に小さな菜園スペースと小屋(日本レベルで言えばもう十分小さなお家)を所有する爺様とのご縁ができて何とこの場所で野良仕事菜園ができる運びになったんよ。
 
 
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ことの発端は
最近元気はつらつなうちの家庭菜園ハーブを使ってアテをたくさん作ったので
友人カップルを招いてアペリチフをしている時に
「もうちょっと広い庭で植えたい大物野菜あるねんけどね」
と言ったワタクシに、友人が
「それならめっちゃいい場所知ってるよ、よし電話して聞いてみるわ」
と、あれよあれよという間に
彼オススメの畑を所有しているムッシュに当たりをつけてくれて
翌日アペロする事になったのざますよ。
 
 
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近所の城の塔の側にあるカフェバーに集合すると
ああ、懐かしのおフランスのアペリチフなドリンクが並んでおりました。
もちろん、ワインも並んでますよ。
久々に何だか仏国らしい絵面に新鮮な気持ちになったんですけど
飲食店が再開して間がない時やったからそれもそのはずよね。
ワインもロックダウンになる前の在庫のままで、時が止まっていた事にも改めて気が付いたわ。
みんなおつまみを家から持参して(このバーはOK)、お酒を注文してワイワイ。
すでに観光で入国出来るようになったアメリケンが大挙して押し寄せておりました。
 
畑の持ち主であるモーリス爺様は御歳92歳。
地元でも有名だった元パティシエでかなり悠々自適なリタイア生活なのは間違いありませんけど、今年の冬に伴侶をコロナでなくされたばかり。
地元のロックな音楽祭にもマダムと揃って毎年顔を出すというモダンな爺様なのです。
 
うちのオットは年配の爺様型から可愛がられるタイプなんで、幸いにも会ってすぐに二つ返事で了諾頂いて、さっそくモーリスの宝石箱のような庭へお邪魔しました。
彼の運転で、です。
そしてコテージに腰掛けて空を行き交う飛行機を見て、スマホのアプリで
「あれはパリ- マラケシュ便な」
と教えてくれる始末。
一緒にいた50代60代のオッサンたちよりスマホ使いこなしてるわ。(笑) 
 
 
 
 
これが小屋ですって、おまいさん。(写真に全形が収まりきってない)
キッチン、トイレはもちろんダイニングスペース、暖炉まで完備よ。(煙突に注目)
大きな窓が付いているので家の中からも絶景が拝めるの。
この辺りは、ルイ王朝関連の小さな城(仏国では城も館もシャトーと言いますがね、ボルドーは豪邸、ロワールはお城でござんす!っていつも揶揄するロワールの仏人たち(笑))
がいくつかあって、葡萄畑には冬になるとジビエと呼ばれる鹿やらウサギやら、猪に雉やら雷鳥やら何やかんや出没するのでこの小屋は狩猟を楽しむためのものでもあるんだな。
 
あくまでも生活スペースじゃなくて、娯楽用に作られてるんですけど
斜面に合わせて段々畑風に作られた菜園スペースはなかなかいい感じで
 
 
 
 
 
彼自身はもう何年もこの畑は使っておらず、しかし気心の知れた誰かが手入れしてくれる事は大歓迎と。
ワタクシたちもテラスのアペリティフをお誘いしますからね、とお約束。
彼のお家も一人暮らしとはいえ大変整った生活をされていて
そちらのテラスでは沢山の果樹が丁寧に育てられておりましたの。
だから野菜でもハーブでも好きなものを植えてね、ってな感じでござんした。
日本の野菜とかも間に合うものは植えていこうという話で
 
 
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さて、突然借りることが決まった畑で
友達カップルと作戦会議しながら、日本の種や地元のビオ農家の苗をゲットして
あの熱波の最中にみんなで荒れた畑の大掃除からの植え付け野良仕事祭り開催中でござったよ。
仕事の後の冷えたビールも白ワインも美味。
そして天国みたいな絶景ポイントでのお疲れさんの一杯は夢心地よ。
モーリス爺様は、あなたたちが使ってくれるのが嬉しいと言い
私たちはこんな素敵な機会を分け与えてくれたモーリスに大感謝
彼もしょっちゅう畑に顔を出してくれるし色んな事を昔話も含めて教えてくれる。
まさに翁と話している感じが楽しすぎるんよ。
こうしてみんなで夕涼みしながら心豊かな時間を共有できるなら、当分日本へ帰れなくてもそれがガッカリすることではないと思えるわ。
 
 
 
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そして
モーリスは生まれて初めての枝豆にいたく感動し、やめられない止まらない状態
残念ながら枝豆の種が手元になくて、これからジャポンから送ってもらっても夏が終わるだろうから、来年までお預けですわ。
モーリス、長生きしてや。
 
ビールやワインを若い衆(アラフィフにアラカンやけど)と同じペースで酌み交わし
枝豆挑戦して新しい好物が登場する92歳の夏
人生は幾つになっても新しい経験で溢れてるわ。
そして彼のように何にでも興味と好奇心を持って楽しく自分らしく時代の流れにマイペースに乗っている豪胆な人に会えると、また自分の居場所が好きになれるな。

この短い夏も
大事な友たちと最高の思い出をいっぱい作れたらいいな。
いったいどんな野菜をみんなでわいわい食べるのかお楽しみやわ。