しばらくして、家庭の事情が落ち着いたのか、箱折りの彼女が部署に復帰した。

初めは神妙な雰囲気で仕事に着いていたけど、勘をとり戻したのか。いつもの調子に戻ってきた。

新卒歓迎会を兼ねた部署内の飲み会がそのすぐ後に開かれたのだけど。
彼女が出席してはしゃいでいるのに正直違和感と嫌悪しかなかった。
一カ月も休んでおいて、こちらに一言もなく。
そういう会には出てこれるんだ、と呆れた。

しかし表面上は上手くやっていかないと。と思い、仕事では業務連絡はしていた。

やたらこちらを仕切ってくるのも嫌だったけど、先輩だし伺いを立ててやっていた。

そのうち、新卒の彼女をあげて私をさげる行為を露骨にしてくるようになった。

箱折りの彼女:「◯◯ちゃん(新卒)上手〜。次これやってみようか。」
「ぴぐれっとさん、こっちの肉にも気を配ってよ。検品する人がし易いようにするのも気遣いと思うのよね。」
新卒に覚えさせるために、私の作業と新卒の作業を初めてチェンジした時も。(ちなみにその作業は通しで入るのは初めてだった)
「ちょっと!ぴぐれっとさん!私がそっちの遅れてる分やってあげてるんだから、◯◯ちゃんの作業の方をやってあげてよ!」
「ねえ、なんでここの肉、同時にとらないの?
タダでさえ、作業遅いのに!」

それと同時期だったか。私がいざという時の為に他の作業を教えて欲しいと彼女に頼んでいたが、返事をもらえないので、リーダーさんを通して時間のある時に彼女に教えて貰えないかと頼んでいた。
(以前に彼女が休みがちで、新卒もダウンして、ラインが流れて溜まっていたのに朝から人が足らなかったことがあり。見よう見真似で担当じゃない作業を進めていたら、雇用延長の古参の女性に「練習の場じゃない!」といわれ、取り上げられたので)

帰り際、私が包丁を研いでいるときに彼女がつかつかとこちらに来た。

箱折りの彼女:「ぴぐれっとさん、リーダーさんに私から作業を教えて欲しいと頼んだの?
悪いけど、今のぴぐれっとさんの状態では私は教えることは出来ない。時間かかってるし。本当なら今時期もっと出来てないといけないから。今の作業もいっぱいいっぱいそうだし、とてもじゃないけど新しい作業は無理だと思う。することが沢山あるからね」

他の作業も覚えたいという私を身の程知らずと思ったのか。図々しいと思われたのか。

それから露骨にツンケンした態度を取るようになった。関係は元に戻ったのだ。