インボイス制度の研修会。

こんなにたくさん集まってよいの?と思うくらいプロが集まりました。

完全な密状態。いくら5類になったとっても、躊躇してしまいます。

咳をする人がいると、そちらに顔が向いてしまいます。

それでも誰も帰らない。最後まで熱心に聞き入っていました。

 

巷では、例えば法人会などでは、免税事業者などを集めて、

「インボイス、やった方がいいですよ~」みたいな啓蒙をやっています。

届出を出しましょう!みたいなキャンペーンを展開しているようです。

届出を出したら、どうなるか。消費税を納めるための事務がはじまるのです。

それがどれほど煩雑か!

 

この研修に出た人には、それがよく分かったことでしょう。

この研修に出て、なお、届出を出した方がよいですよ~と言える人がいたら、

その人は、きっと鬼か?悪魔か?傍観者?…でしょう。

プロの誰もがやりたくない…そう思っているのがインボイス制度です。

きっとやらない方が、世の中のためです。プロがこんなに集まるのです。

その事実だけで、やめたほうがよいことが証明されています。

巷の人が事務を熟せるはずがありません。

 

日税連の講習なども、オンラインで頻繁に受講していますが、

消費税法の大家たちが、決まって最後に言うのは、

「ベンダーに任せましょう。」「きっといいものを作ってくれますよ。」です。

但し、仕組みは知っておかなければならないから、

勉強だけはしっかりしておきましょうね…そういうノリなのです。

システムが無ければ計算できない税金など、存在してよいのでしょうか。

国民の誰もが、どういうロジックで納税額が決まっていくのかわからない。

消費税は、どうもそういう方向へ進みそうです。

源泉徴収制度のように、無関心を起こさせる制度にしようと、

お役人はお考えなのでしょうか。

 

免税業者に限らず、インボイスが導入される前に、経理事務から卒業したい。

そういう経理担当者が増えていることを政府は知っているのでしょうか。

ただでさえ、人手不足の中小企業です。

経理担当者をおける企業は優秀ですが、

その担当者がいなくなったら、会社はどうなるのか。

想像しただけで寒気が走ります。

インボイス制度を知っている事務職は、まだ世の中にいないからです。

10月1日から一斉にはじまる新制度です。やりながら覚えていくのが実務です。

そこへ、新しい経理担当者が配属されたらどうなるか。

会社のことを覚えなければならない上に、新制度も覚えなければなりません。

過去の仕訳が参考にならない環境が始まります。

処理がぐじゃぐじゃになることは、必然です。

 

研修を聴きながら、お客さまの経理担当者が一人も欠けることがないか、

思わず、その確認をはじめてしまいました。

もし辞めたいと思っている経理担当者がいるとしたら、せめて1年。

過去の仕訳データを複写できるようになるまでは勤めてほしい。

そのように説得しなければなりません。

届出書を出して、番号をもらい、請求書を適格にすればよい。

そんなことは入口の入口で、

何の話にもなっていないことを思い知ったセミナーでした。

 

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