三軒茶屋の駅前にある白いマンションの真裏、駅出口から歩いても1分未満に興味深いお好み焼き屋があった・・・・最近の、いつもの如くだがブラブラと店を探しながらの、美味しいもの探索の結果だ。
「広㐂」と書いて「HIROKI」と読むらしい、鉄板を囲んでの狭くて小さいカウンターの店、しかし焼き手のヘラ捌きと鋭い眼光が、外から見ていても美味しそうで興味をそそるのだ。
熱く熱を伝える鉄板の真ん前に、フロストのかかったジョッキーがドーンと登場。この瞬間から、美味い物を食べるぞ、という心構えがピシーッとくる・・・・鉄板を挟んで勝負だ。
一気にお好み焼きとは行かずに、「赤エビのオリーブオイル煮」・・・・ニンニク、キノコ、パプリカ、ピーマンと大振の海老三匹。
海老の頭部を焼いてからナイフでカット、この海老のエキスが白ワインと野菜の旨味と合わさってなんとも言えない、素朴な北イタリアの港町の美味しさになる。
同時に焼酎「黒甕」のロックに、鉄板に焼かれた鍋でちびりちびりと突っつきながらの幸せ・・・・こう言うのを鉄板料理というのでしょうか。ただ焼くでもなく、鉄板上で表現する、工夫を凝らしたパフォーマンスも見せてもらった。
そして一人鉄板の〆というかメインは「ネギ焼き」・・・・広島風とあって、大阪の薄っぺらい物とは違って迫力があります。ネギは関西風ではなく如何にも関東のネギ、ここら辺の妥協策が如何にも三軒茶屋なのだ。
この手のお好み焼きは、一人で食べても大きく切り分けて6切れ、粉物の権化だが、どういう訳かスイスイとお腹に収まって行く。美味しいを通り越して、B級のえげつなさは脳にダイレクトに語りかける直線型・・・・如何にも三軒茶屋という風土が醸し出す庶民派の見事な美味しさ。
最近は何処でも「お一人様」を大歓迎の御様子だ、一人カラオケに、一人鍋、何でもかんでも一人様御用達、これからのブームらしい・・・・。
三軒茶屋の90%以上の店が、どうしようもないファストフード&冷凍のメッカ・・・・美味しい物との出会いは中々と難しいのだ、そんなB、C級グルメにも目を見張る様な店があると嬉しくなる。
お一人様お好み焼き・・・・焼き手の真剣さがいい。
三茶のB、C級グルメの華の店。