温故知新-ドラッカーの知識社会論をふまえて
たいていの人は、福沢諭吉を思い浮かべるであろうが、天皇制と富国強兵のためにかかれた同書とはまったく方向性が違う話である。
「学問」の語源は、二千数百年前の中国の書物『易経』乾・文言伝にある漢文である。
「君子学以聚之、問以弁之、寛以居之、仁以行之」
意味は、君子すなわち立派な人は、学ぶことで知識を集積し、問うことで理非をわきまえ、小事にこだわらず、人を思いやる心で行動する。
私の解釈は、学問とは、人を思いやる行動(仁)をするために、大局に立って(寛)、知識を吸収し(学)、考える(問)ことである。知識を得ても、自分の頭で考えない、あるいは、行動しなければ、無駄なものとなる。自分の頭で考えるだけでは、独善に陥り、思いやりのない行動になってしまう。大所高所から、知識の吸収に励み、自ら考え、行動すべきである。
学問は、研究者のものだけでなく、すべての人が必要とされるものだと思う。これは、ドラッかーの「マネイジメントは一般教養である」(知識社会論、ビジョン論、フィードバック分析論)に通じるものであると考えている。
参考文献
①プロフェッショナルの条件、イノベーターの条件、チェンジリーダーの条件、マネジメント
P・F・ドラッカ-著 ダイアモンド社
②ドラッカーが「マネジメント」で一番伝えたかったこと 小宮一慶 ダイアモンド社
③ これだけは知っておきたいドラッカー
牛込博文 文藝春秋
④ 図解で身につくドラッカーの理論
久恒啓一 中経文庫
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