小学校高学年から中学生になる頃まで、私が一番悩んだのは、自分の身長です。1ヶ月に2センチ近く伸びる月もあり、成長痛に悩まされました。
結局2年で20センチ近く伸び、小学校卒業の頃には165センチと、当時としてはかなりの長身に育ってしまいました。

骨の成長スピードに筋肉の柔軟性が追いつかず、一時的ではありますが、体が硬くなりました。心臓の成長も追いつかず、ポンプ機能が十分果たせないとのことで息切れがするのです。貧血気味にもなりました。
けれども一番困ったのは、体重の増加。細身であっても、身長が伸びればそれに合わせて体重も増えます。ジャンプも重くなり、それまで難なく出来ていたことも難しくなってきました。筋力をつけてもそれ以上に体重と身長が増えていきます。

ちょうど、仲間たちがポワントを履き始める頃に成長期に入り、体重増加も目立つようになった私。先生は、私だけポワント許可を出してくださいませんでした。

当時は、今のようにポワントの種類はありませんでしたし、高機能でもありませんでした。
また、「何歳から履いた方が良い」というような研究や検証はされておらず、結果、バレエのレッスンを始めて数年程度で履かせる、という経験年数ベースの考え方が一般的でした。

今は、骨の成長が固まる12歳以降を目安として、本人の筋力や足の強さ、引き上げの具合を総合的に判断して許可を出すのが国際的な考え方になってきています。一部の国際コンクールでは、低年齢部門はポワントを履くべきではないという観点から、バレエシューズでエントリーするみたいですね。

昔からポワントに憧れてバレエを始める女の子は多いと思います。生徒を集めるために、基礎のできていない子供に、次々とポワント許可を出す教室は今も昔もあります。私が子供だった時代も当然ありました。一種の客寄せでしょう。

ポワントを履いた方が、鍛えられるという考え方もありましたが、そんな時でも、私の先生はポワント許可をガンとして出してくれませんでした。
成長がある程度緩やかになったらね、とハッキリおっしゃって。
結果として、現在では理想的とされる骨の成長後の13歳の時に初めてポワントを履くことになりました。
当時は、許可を出してくださらない先生に、怒りにも似た感情を抱きましたが、今となっては、感謝しかありません。
実はあの靴、かなり足、、、足だけでなく全身に負担がかかります。