最近、ビリーブでは、中高生の相談が増えています。
相談内容は様々ですが、「自分のことを周りによく理解してもらえない」などの共通項が見られます。
発達障害の子どもは、いろいろな場面で誤解を受けやすいという面があります。
例えば、特定の教科の成績だけよくて、他の教科の成績が極端に低いというケースです。
その場合、「こんなにできるのだから、他はきっとさぼっているのだろう」と思われてしまいます。
彼らは興味の偏りが著しく、気に入ったことはどんどん追求するものの、興味が湧かないと驚くほど取り組もうとしないという特性があります。
「ちょっとだけやるか」という発想がないのです。
それが周囲からは「さぼっている」と映ってしまうのでしょう。
でもそれはある意味仕方のないことと考え、その上で、提出物を出す期間を延ばしてもらったり、内容を少なくしてもらうなどの配慮が必要となってきます。
他にも、先生の一言が大きなプレッシャーとなり、学校生活が立ち行かなくなるというケースが見られます。
思春期ともなれば、いろいろとデリケートな面が生じてくることでしょう。
特に発達障害の子の場合、その度合いが大きくなる傾向が見られます。
悪気なく、期待を込めて励ましたとしたとしても、本人にはその一言が深く刻まれ、ストレスとなって溜まってしまうのです。
この場合、「~ができるまで頑張れ」ではなく、「ここまでよく頑張ったね」と現状を評価することが必要となってきます。
それにより、もう少しだけ頑張ってみるかという気持ちにつながっていきます。
励ましよりは、今を確認する方が効果があるということです。
さらに、学校生活がいつも不安で、毎日が辛いと感じるケースが見られます。
先生が気にかけてくれない、周りの子が自分を無視する、勉強にやる気が出ないなど…。
そもそも、不安はとても捉えどころがないもので、一体何が不安なのか、はっきりしないことがとても厄介なところです。
特定の大人(親や教師など)に相談しても、不安は一向に和らいでくれません。
なぜなら、身近な人が自分のことを常に心配し続けている…その構図が出来上がってしまっているからです。
つまり、周りが心配してくれるからより不安になってしまう…。
そのため、まずはそのような関係を打破することから始める必要があります。
心配性な親御さんにとって、それは難しいことでしょうが、心配すればするほど、事態は悪化してしまいます。
思い切って「さぼっている」状態を作るくらいがちょうどよいのかも知れません。
あとは、子どものことを「見過ぎない」ということです。
常に子どもを見ていると、子どもとの距離感がなくなってきて、自分のことなのか子どものことなのか、区別がつかなくなってしまいます。
すると、子どもの困難を自分事として考えるようになり、やがては予期不安と言って、まだ起きていないことまで不安に思うようになってしまいます。
そうではなく、ある程度の距離感を保って、多少のことは子どもに失敗してもらい、自分で解決させることを目指していくのです。
大変ですが、そうしなければ、困るのは子ども自身だということを常に頭に入れておきましょう。
あとは、友だちがなかなかできないケースです。
発達障害の子は、どうしても自分にとって都合のよい相手をよしとする傾向が見られます。
そのため、ちょっとでも意に反すると「自分を大切にしてくれない」と相手を非難するようになります。
そもそも友だちとは、「迷惑をかけたり、かけられたりする関係」のことです。
つまり、「自分も相手のためにエネルギーを割く」という気持ちを持たなければ、友だち作りはうまくいきません。
発達障害の子は、そういう考えを持つことが得意ではありません。
そのため、周りの大人には、ほんの少しでも気の合う相手がいれば、その時間が少しでも長く続くよう、サポートしていくことが求められます。ちょっとだけ楽しかった、で十分なのです。
思春期は、できる自分とできない自分が交錯し、気持ちが揺れやすい時期です。
そんな中でも、ある程度自分を安定させ、人と多少の交流を持ち、気に入った勉強を少しだけ深めるという流れをできるだけ長く続けることが大切になってきます。
12月もよろしくお願いいたします。
【発達支援教室 ビリーブ】
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