安らかに。 | 桂米紫のブログ

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米朝一門の落語家、四代目桂米紫(かつらべいし)の、独り言であります。


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『米紫の会』…お足下のお悪い中、たくさんのお客様にご来場戴きました。
お越し下さった皆様、誠に誠にありがとうございました。


「らくだ」は(もちろん笑いどころはたくさんありますが…)、どこか陰気な部分を持ったネタです。


まとわりつくのは、“死”の匂い。

まずタイトルロールの「らくだ」が、物語冒頭からいきなり死人。
それも裏長屋の片隅で、誰に看取られる事もないままの、孤独で惨めな死。


そして、物語の実質的な主人公である“紙屑屋”の述懐の台詞の中で語られる、「裏長屋の暮らしに耐えかねて死んだ」という、憐れな“紙屑屋の女房”の存在。


そんな、何人たりと逃れる事の出来ない“死”というものが…、人の世の“無常”というものが…、「らくだ」の根底には通奏低音として流れているような気がします。


故あって削除しましたが…昨日の日記に、昔の芝居仲間が若くして亡くなったという記事を書きました。

今日は「らくだ」を演じながら、その子の事が頭から離れませんでした。


今日は『米紫の会』の出番を終えて、その子のお通夜に向かわせて戴きました。


明るく優しく、しっかり者で気ィ遣いだった彼女。
僕らの前では、絶対に弱音を吐かなかった彼女。

そんな性格故に、彼女はたくさんのものを背負い込み、たくさんの心労を抱え込んでいたのでしょう。


“死”が根底に流れているのは、何も「らくだ」に限った事ではありません。

我々の人生そのものに、“死”は通奏低音として確実に、その音を鳴り響かせているのだと思います。


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