透き通った群青色の寒空の中、桜に関する夢を見たので、桜を見た日のことを書いてみようと思う。

ある日、思いつきで喫茶店に入った時のことである。
とても心地の良い日で店内にはコーヒー豆を煎る甘い香りが漂っていた。店内にはやわらかい日差しが注いで、ビールサーバーのスティックなんかも輝いて見えた。

ゆったりとしたトリオジャズが流れて、ドアからえる神田のせわしない車の往来も、そこでコーヒーを飲んでいる僕には関係なく思えた。
ふと視線を上げると透明な水を張ったワイングラスに青々とした葉を生やした桜の枝がさされていた。
真っ白い根がいっぱいに伸ばされたその桜の枝は生命力に溢れて見えた。

新しい年も始まったばかりである。
夢で見た桜は黒々とした幹の傍らから、ひょっこりと花を出していた。
最後には僕もそんな感じで、今は白い根を伸ばして今年も過ごそうと思う。