その少し乙に澄ました装いに一目惚れして、無理を承知で懇願し譲って頂いたヤマハでもカワイでもない、『ROLEX-RX800DW』。
未だかつて見たことのない代物でした。というのもそれまでROLEXピアノのグレードと言えば、RXの600番台の型番までは聞いたことがありましたが、まさか800番があったなんて、、青天の霹靂だった訳です。
ローレックスは、戦後から平成の初期にかけて静岡県浜松市に所在した『大成ピアノ製造』(後の浜松ピアノ製造)という会社が手がけたピアノブランドです。
大成ピアノ製造は、ほんの数人ほどの職人さんたちだけで切り盛りする、それはそれは小さな会社でした。が、しかしここのピアノは全て彼らの手作りで、鉋と鑿でひとつひとつ丁寧に時間をかけて作られていたんです。
縁あって今こうして家屋のリビングで日夜心地よい響きを奏でてくれるこのRX800は、全高110cm×横幅140cm×奥行58cmとアップライトピアノのなかでは超小型タイプの部類に入ります。
また恐らく今から3〜40年くらい前に作られた古いものでしょうが、そこが狭くて旧びた我が家には如何にも丁度いい。
決して大手メーカーなどの大量生産では真似できない、こんな猫足部分とか、
こんな装飾箇所とか、いちいち手作り感満載なところがたまりません。
時に肝心な音色の方ですが、これまたなかなかどうして、、超小型というハンデを差し引いても、いわゆる日本の2大メーカーであるYAMAHAやKAWAIなんかに勝るとも劣らず。
一般的にROLEXピアノは明るくきらびやかな音が特徴、などと言われておりますが、、
Summer Joe Hisaishi by ROLEX-RX800DW Piano Cover
もうあと100倍くらい上手くなったときにまだ死んでなかったら、そろそろメンテナンスもせねばなるまいに、などと目論んでいる今日この頃であります。