百怪談筆中。夏頃完成。目標霊降臨。馬鹿騒導。

2006-01-05 11:06:15

「女の子」

テーマ:百怪談

「女の子」


赤い靴・・履いてた・・・女の子・・・



「ちょっと恭介、暗い歌歌わないでよ」

「は?オレが?」


恭介は椅子に腰掛け教室の窓から空を見上げていた。

放課後の空はまだ明るく、夏の季節を感じられた。

何かを考えていたわけでもなく、ぼーっとしていた恭介は後ろにいた女の子の声で現実に引き戻された。


「今歌ってたでしょ」

「歌ってた?覚えてないや・・・ぼーっとしてたから」

「もー恭介はいっつもぼーっとしてるよね。早く日直の仕事終わらせたいのに」

「はは・・・」

「ははって・・手伝えっての・・・」


理代子は愚痴をこぼしながらもてきぱきと仕事をこなす。

恭介と理代子は幼い頃からの親友だ。

といってもこの小さな村では皆が生まれた病院も同じで小さな頃から学校も同じ友達なのだ。


「よし出来た。さ、恭介帰ろう。」

「ん・・いつもさんきゅ。助かる」

「まぁね、病弱なあんたを世話できるのは私くらいなもんよ」

「はは・・・理代子が羨ましいよ」


恭介と理代子は校門を通り細いコンクリートの階段を降りて

降り坂を下りる。

いつも通る下校通路なのだが、日直の仕事をしている間にひは暮れて薄暗く

何か不気味な雰囲気だった。

お互いに何か話すわけでもなく、もくもくと歩く。

理代子はちらっと恭介の顔をのぞく。

しかし恭介はこの不気味は雰囲気に気にもとめていないような顔で前を見ている。

理代子はそんな恭介をみて気のせいかと少し安心した。


赤い靴・・・履いてた・・・女の子・・・


「や・・やだ、やめてってばその歌」

「理代子?」

「それって女の子がよそへ売り飛ばされる歌でしょ?気味悪いって・・・」

「理代子、誰と話してるの?」

「え?誰ってあんたと・・・・」


顔をあげるとさっきまでそこにいた恭介はいなかった。


「え?・・・え?恭介、どこ?」

体の弱い恭介が走って逃げる力なんてない。

この薄暗い降り道に隠れる場所もない。

ただ前後にまっすぐ進む道に、恭介の姿はなかった。

さっきまで一緒だったはずなのに、今は自分ひとりなのだ。

冷や汗がでる。

さっきまで一緒だった恭介は・・・誰?



赤い靴・・・履いてた・・・女の子・・・

異人さんに・・・連れられて行っちゃった・・・


「また・・・この歌?いやっ誰なの!?」

理代子は一心不乱に叫ぶ。


お母さん・・・


お母さん・・・


お母さん・・・


お母さん・・・


お母さん・・・


お母さん・・・


お母さん・・・


私の代わりにこの子を持ってって・・・・






「ごめん待った・・・あれ?理代子?」


理代子と校門で待ち合わせしていた恭介は、急に体が重くなり時間に遅れてきた。

しかしそこにあるのは理代子の赤い靴だけ・・・

「なんでこんなところに理代子の靴が・・・」

恭介は赤い靴を持って理代子の家を訪ねた。

理代子はまだ帰っていないと言われ、不振に思った恭介は学校に戻ることにした。

しかし、真っ暗になった空の下、一向に理代子を見つけることはできなかった。








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2006-01-05 11:02:49

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