"Glass Onion" | タコさんの庭

タコさんの庭

ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Glass Onion"

Writers : credited Lennon-McCartney (by John Lennon )

Artist :  The Beatles

Recorded : 1968/9/11,12,13,16,20 EMI Studios

Released : 

1968/11/22「The Beatles」A面3曲目 

1996/10/26「The Beatles Anthology 3」(Take 33)

2006/11/20「Love」      

2018/09/11「The Beatles 」Special Edition 

          (2018 Mix)

          (Esher Demo)

          (Take 10)

2023/11/10 「The Beatles: 1967-1970 (2023 Edition)」

 

すみません。「glass onion」「man」訳せませんでした。

2024年6月13日 変更あり

       <歌詞和訳>"Glass Onion" 邦題 "グラス・オニオン"  

[Verse 1]

I told you about strawberry fields
You know the place where nothing is real
Well here's another place you can go
Where everything flows

    前に ストロベリー・フィールズのことを伝えたから

    君は その現実のものはなにもない場所のことは 知っているだろ?

    では ここは 君が行くことができるもうひとつの場所だ

    そこは すべてのものが流れるように動いている

 

[Refrain 1]

Looking through the bent backed tulips
To see how the other half live
Looking through a glass onion

    しなって後ろを向いてしまったチューリップを 最後まで見ている

    残りの半分を どう生きるか理解するために

    グラス・オニオン越しに見ている

 

[Verse 2]

I told you about the walrus and me man
You know that we're as close as can be man
Well here's another clue for you all
The walrus was Paul

    前に ウォルラスと僕のことを伝えたから man

    君は 僕らが今もこれ以上ないほど親しい関係にあることは わかっているだろ? man

    では これは 君たちみんなへ もうひとつの手がかりだ

    「ウォルラスはポールだった」

 

[Refrain 1]

Standing on the cast iron shore yeah
Lady Madonna trying to make ends meet yeah
Looking through a glass onion   

    カスト・アイアン・ショァに立ちながら yeah

    家計のやりくりに努めているレディ・マドンナを yeah

    グラス・オニオン越しに見ている

 

[Bridge]

Oh yeah, oh yeah, oh yeah
Looking through a glass onion

    Oh yeah oh yeah oh yeah

    グラス・オニオン越しに見ている

 

[Verse 3]

I told you about the fool on the hill
I tell you man he's living there still
Well here's another place you can be
Listen to me

    以前 丘の上の愚か者のことは 伝えたよな

    さらに伝えよう man 彼は今もそこで暮らしている

    なぁ ここは 君が行くことができるもうひとつの場所だ

    僕の話を聞いてくれ

 

[Refrain 2]

Fixing a hole in the ocean
Trying to make a dove-tail joint, yeah
Looking through a glass onion

    海洋にある穴を 埋めながら 修理しながら

    ダブテール・ジョイントを作ろうとしている

    グラス・オニオン越しに見ている

 

????

「The COMPLEATE BEATLES Recoding sessions」マーク・ルウィーソン著 内田久美子訳 193ページ

1968

Wednesday 11 September/9月11日(水)

 ジョンの歌詞に隠された意味 (たいていの場合、それは彼の意図するところではなかった) やもじりがあるのではないかと、一語一句詳しく調べるような人たちを意識して書いたジョンの曲。『THE BEATLES』には、歌詞にビートルズのほかの曲のタイトルを織り込んだ作品が2曲ある。"Glass Onion" はそのうちのひとつ (もう1曲は"Ob-La-Di, Ob-La-Da"が出てくる"Savoy Truffle")で、"Strawberry Fields Forever" "I Am The Walrus" "Lady Madonna" "The Fool On The Hill" "Fixing A Hole"に言及している。また、"Cast Iron Shore"という謎めいた言葉も歌われるが、実はこれはリヴァプールに実在する地名である。

 

[Verse 1]

"Glass Onion"

I told you about strawberry fields
You know the place where nothing is real
Well here's another place you can go
Where everything flows

    前に ストロベリー・フィールズのことを伝えたから

    君は その現実のものはなにもない場所のことは 知っているだろ?

    では ここは 君が行くことができるもうひとつの場所だ

    そこは すべてのものが流れるように動いている

 

here's」について勉強しました。

 

「here is」の意味・「here is」とは

「here is」は英語の表現で、直訳すると「ここにある」または「ここにいる」となる。しかし、日常会話では「これが」「これを」などと訳されることが多い。具体的には、手元にある物や人を相手に示す際に用いられる。例えば、手渡す物がある場合や、紹介する人がいる場合などに「here is」を使用する。この表現は、相手に何かを提示する際の一般的な表現である。

「Well here's another place you can go」を

「では ここは 君が行くことができるもうひとつの場所だ」と

「I」が「you」に提示している感じの訳しました。

 

1行目、2行目の

「I told you about strawberry fields / You know the place where nothing is real

の「nothing is real」は"Strawberry Fields Forever" の歌詞ですね。

"Strawberry Fields Forever"[Chorus]

Let me take you down
'cause I'm going to Strawberry Fields
Nothing is real
And nothing to get hung about
Strawberry Fields forever

    僕に君を離れた所へ連れて行かせてくれないか

    僕が今ストロベリー・フィールズに行くから…

    現実のものは なにもないんだ

    だから 過去にしがみつくことは何もない

    ストロベリー・フィールズ・フォーエバー

 

"Glass Onion"[Verse 1]3行目、4行目

「Well here's another place you can go / Where everything flows」

(では ここは君が行くことができるもうひとつの場所だ/ そこは すべてのものが流れている)

 

「 place you can go」に「another」がついているということは…

その前に、「 place you can go」を提示していることになるので…

1行目の「ストロベリー・フィールズ」も、「君が行くことができる場所」になると思います。

 

でも、"Strawberry Fields Forever" の歌詞の中には「place you can go」という歌詞はありません。

それに似た歌詞が "There's A Place" にあります。

"There's A Place"[Verse 1]

There

There's a place

Where I can go

When I feel low

When I feel blue

And it's my mind

And there's no time when I'm alone

    そこに

    ある場所がある

    僕が行くことができる所

    僕が 気持ちが沈んだ時

    僕が ブルーになった時

    僕の心の中にそれがいるって思える

    だから 僕が独りでいる時は ないんだ

 

つまり、ジョンは、

"There's A Place" の「A Place」は、「ストロベリー・フィールズ」だと

遠回しに言っているのかもしれないと思いました??

 

 

「Well here's another place you can go / Where everything flows」はどこでしょう?

 

そのラインは、(Esher Demo) や (Take 10) では

flows」ではなく「Where everything glows」でした。

でも、ジョンは「Where everything flows」に変えました。

 

flow」から妄想した曲は、

ジョージが作った "Within You Without You" の[Chorus 2]でした。

"Within You Without You"[Chorus 2]

When you've seen beyond yourself -

then you may find, peace of mind, is

waiting there -
And the time will come when you see

we're all one, and life flows on within

you and without you

    あなたが向こう側の自分自身を見えるようになった時

    その時にあなたは気づくかもしれない

    心の平安がそこに待っていることに

    そして僕たちはみんな同じだとあなたが理解できる日は来るだろう

    そうすれば命はあなたの中にもあなたの外にも流れるように動き出す

 

ジョージが作った "Within You Without You" は、たぶんですが…

「幻想という壁の後ろに自分自身を隠し、真実に目を向けない人たちは死んでいる。

だけど、壁の向こう側の自分が見えるようになった時、その命はまた流れるように動き出す。」

という内容だと思います。

それは…

ジョンが作った"Strawberry Fields Forever"の内容とは、まったっく反対の考え方だと思います。

"Strawberry Fields Forever" は、「現実のものは何もないストロベリー・フィールズに君を連れて行っていいかな」という曲で、どちらかというと現実逃避の歌だと思うのです。

 

"Glass Onion" の[Verse 1] のWhere everything flows」が、

ジョージが作った "Within You Without You" の世界だとすると…

 

「ストロベリー・フィールズという場所については以前君に伝えた。そこは、現実のものは何もない世界だった。覚えているよな。それではここも、君が行くことができるもうひとつの場所だ。そこは、幻想という壁に自分を隠さず向こう側を見ることができれば、命が再び流れるような場所だ」??

 

以下は、妄想です。

 

"Strawberry Fields Forever" が作られた時期。

1966年8月29日キャンドルスティック・パークでのコンサートを最後にライブはしないと決めたザ・ビートルズは、しばらくレコーディングはお休みしていました。

その間、ジョンは映画「ジョン・レノンの僕の戦争」の撮影をしていました。

その撮影の合間に"Strawberry Fields Forever" を作りました。

"Strawberry Fields Forever"の歌詞から私が妄想したのは、

「ザ・ビートルズという現実から離れて、ゆっくり自分を見つめなおしていているジョン」でした。(その時、ジョンはまだ洋子さんとまだ会っていません。)

 

ジョンは、それよりもずっと前から、ザ・ビートルズの自分に悩んでいたと思います。

 

最初は、1965年8月6日にリリースされたアルバム「Help!」に収録されたタイトルナンバー "Help!"でした。「気分が沈んでいるから、僕を助けてくれないか?」と歌っています。

 

1965年12月3日にリリースされたアルバム「Rubber Soul」に収録された"Nowhere Man" では…

「彼はいるのに存在がない人。彼は自分の空想の国で自分だけの空想の計画を立てている」と歌っています。

 

1967年2月17日にリリースされたシングル"Strawberry Fields Forever" では

現実のものは何もないストロベリー・フィールズにyouを連れて行こうとしています。

 

そんなジョンが、

1967年7月7日シングル にリリースされたシングル "Baby, You're A Rich Man"では、

自分が存在する人だとわかり、「君(ジョン)は何になりたいと思っているの?」と何か動き出そうとしています。(その時、ジョンは洋子さんと出会っています)

"Baby, You're A Rich Man" [Verse 1]()

How does it feel to be one of the beautiful people?
Now that you know who you are
What do you want to be?
And have you travelled very far?
Far as the eye can see

    ビューティフル・ピープルのひとりになった気分はどう?

    自分が存在する人だとわかった今

    君は何になりたいと思っているの?

    だって 君はとても遠くまで旅を経験してきたんだろ?

    その目が見える範囲で

 

そして"Glass Onion"

1968年11月22日にリリースされたアルバム「The Beatles」通称ホワイトアルバム に収録さました。

洋子さんに出会ったジョンは、グラス・オニオン越しではありますが

幻想という壁の向こう側を見ることができました。

そして、命が再び流れるように動くようになりました。

だから、そんな世界を「you」にも教えたくなりました??

「here's another place you can go」(ここが 君が行くことができるもうひとつの場所だ)

 

以上、妄想でした。

 

 

[Refrain 1]

Looking through the bent backed tulips
To see how the other half live
Looking through a glass onion

    しなって後ろを向いてしまったチューリップを 最後まで見ている

    残りの半分を どう生きるか理解するために

    グラス・オニオン越しに見ている

 

through」の副詞の意味は以下です。

through

  1. 通り抜けて、通って
    ・Let me through. : 通してください。◆進路を阻んでいる人に対して。
  2. 最初から最後まで、終始
  3. 〔目的地まで〕直通で、通しで
  4. やりおおせて、首尾よく終えて
  5. すっかり、完全に

しおれて、こうべを垂れたチューリップを

完全に枯れてしまうまで、最後の最後まで、愛(め)でているのだと思いました。

残りの半分をどうやって生きるのかを理解するために。

チューリップと自分の人生を重ね合わせている気がしました。

ジョンが自分のこれからの人生をどうやって生きていくのかを理解するために。??

 

the bent backed tulips」について、ジョージの妻パティが本に書いています。

パティ・ボイド&ぺニ・ジュノー著 前むつみ訳 126ページ

 

 そんな状態でロンドンのフラットに一人でいるのは寂しく、私はジョージの家で一緒に暮らすことにした。 それでもロンドンはA3道路でわずか45分しか離れていなかったので、仕事にも遊びにも不自由していない。 遊び、というのは、パーティに、クラブに、ディスコに、ディナーに、芝居に、時々映画といった具合だった。『007』シリーズのプロデューサー、カビー・ブロッコリがこぢんまりとした試写室を持っていて、新しい 映画が公開されるとよく呼んでもらっていたのだ。そこでスコッチのコーラ割りや、極上のスモークサーモン・サンドイッチをいただいた。パークスへもよく行った。ハイソなビーチャム・ブレイス沿いにあるレストランで、トムというアイリッシュのシェフがすばらしい料理をこしらえては、それを花々で飾っていた。チュ ーリップを裏返してくれたこともある。ジョン・レノンが書いた歌詞 「bent backed tulips (向こうに曲がったチ ューリップ)」にちなんだわけだ。

↑レストラン「パークス」のシェフのトムさんが、"Glass Onion" を聴いて、

曲にちなんで、料理に「bent backed tulips」を添えたのでしょうか…

 

「A HARD DAY’S WRITE」スティーブ・ターナー: 著 奥田祐士: 訳 152ページ原書1994年発行

 

 アップルの元広報担当、デレク・テイラーによると、背中の曲がったチューリップとは、60年代ロンドンのファッショナブルなレストラン、パークスに飾られていたユニークな生け花のことだった。「パークスで食事してるうちに、いったいここの花はどうなってるんだ、と不思議になってきてね。で、よくよく見てみると、それは花びらを裏がえしにしたチューリップだった。花びらの裏と、おしべもむきだしになっている。「のこりの半分がどんなふうに生きてるかたしかめる」というのは、そういう意味だったのさ。 花ののこり半分がどんなふうに生きてるのかたしかめてみる、というね。それとあそこはとても高級なレストランだったから、社会の半分がどんな暮らしをしてるのか、という意味もこめられていた」

それとも…

レストラン「パークス」のチューリップに着想を得て、ジョンが"Glass Onion" を作ったのでしょうか…。

 

 

「Looking through a glass onion」の「a glass onion」は訳せませんでしたが、

妄想したのは、「玉ねぎのように渦(層)がある度の強いメガネ」でした。

 

"Strawberry Fields Forever" では、現実を見ようとしていなかったジョンが、

"Glass Onion" では「玉ねぎのように渦(層)がある度の強いメガネ越しに、ちゃんと現実を見ている

「Looking through a glass onion」を「グラス・オニオン越しに見ている」と訳しました。

 

 

[Verse 2]

I told you about the walrus and me man
You know that we're as close as can be man
Well here's another clue for you all
The walrus was Paul

    前に ウォルラスと僕のことを伝えたから man

    君は 僕らが今もこれ以上ないほど親しい関係にあることは わかっているだろ? man

    では これは 君たちみんなへのもうひとつの手がかりだ

    「ウォルラスはポールだった」

 

The walrus was Paul」について

実際にポールがウォルラスだったという出来事があったそうです。

 

McCartney later revealed that he wore the walrus costume during the photo shoot for the album and EP cover, but Lennon who wore it during the film.

 

 マッカートニーはのちに、彼(ポール)がアルバムとEPのカバー(ジャケット)の写真撮影の間ずっとウォルラスの着ぐるみを着ていた、でも映画撮影の間ずっと着ぐるみを着ていたのはレノンだったと明らかにした。

 

"The big one. Very good question. I tell you what it was. In the stills we had taken, I was the one with the walrus head on – in the film it’s different. So John then immortalised it in ‘Glass Onion’, ‘I’ve got news for you all [sic], the walrus was Paul’. Obviously at the time you don’t care, it’s just a walrus head."

                                                                                  Paul McCartney
                                                                  Q magazine, January 1998

「大事なことだね。とてもいい質問だ。それが何だったのか話そう。僕らが撮った静止画像では、僕がウォルラスを頭に被っていた人だった。映画ではそれは違うんだ。そこで、そのときジョンは "Glass Onion"の中で不朽にしたんだ。『I’ve got news for you all [原文のまま], the walrus was Paul』とね。その時(静止画像の時)は誰が見ても、君だって気にもしてなかっただろ?それはただのウォルラスの被り物のことなんだ。」

                                                                            ポール・マッカトニー
                                                                  Q magazine, January 1998

訳は信じないでください。

 

as ~ as can be

《be ~》最高に[この上なく・思い切り]~だ、~極まりない
・I'm as happy as (I) can be. : この上なく幸せだ。
・The clerk was as rude as (he) could be. : 失礼極まりない店員だった。

close : 「close」が形容詞として使われる場合、物理的な距離が近いこと、関係が密接であること、または親しい関係を示す。具体的な例を以下に示す。

  ・例文
  1. My house is close to the station.(私の家は駅に近い。)
  2. They have a close relationship.(彼らは密接な関係にある。)
  3. She is a close friend of mine.(彼女は私の親しい友人だ。)

close : 形容詞〈人間関係が〉近しい,仲がいい,親しい,親密な;身近に感じる;信任が厚い

close : 〔人同士が〕親しい、親密な、密接な
   例文 We used to be close. : 私たちは以前は親しい間柄でした。

 

「You know that we're as close as can be man」を

「君は 僕らが今もこれ以上ないほど親しい関係にあることは わかっているだろ? man」

と訳しました。

 

ジョンは

1行目で「I told you about the walrus and me

    (僕は前に ウォルラスと僕のことを伝えた) と言っています。

2行目で「we're as close as can be」

    (僕らはこれ以上ないほど親しい関係にある) と言っています。

その2行を合わせると、「we」=「walrus and me」になり

ウォルラスと僕は、これ以上ないほど親しい関係にある」になります。

 

そして、

4行目で「The walrus was Paul」(ウォルラスはポールだった)と言っています。

The walrus」=「Paul」なら…

2行目の「we」=「walrus and me」=「Paul and me」になり、

we」は「Paul and me」になります。

つまり

we're as close as can be」(僕らはこれ以上ないほど親しい関係にある) は、

「ポールと僕はこれ以上ないほど親しい関係にある」ということになります。

 

「ウォラスの着ぐるみを着ていたのはポールだった」という出来事ではなく…

「The walrus was Paul」というラインは

「ポールと僕は今もこれ以上ないほど親しい関係にある」という答えを導き出すための

「clue for you all」私たちへのヒントだった。

という妄想です??

 

その妄想で、私の中にあるふたつの疑問が納得できるのです。

①「I told you about the walrus」ではなく

 「I told you about the walrus and me」になっている疑問。

② "I Am the Walrus" にはない「You know that we're as close as can be man」の歌詞が

 唐突に出てくる疑問。

 

さらなる妄想は…

I told you about the walrus and me man
You know that we're as close as can be man
Well here's another clue for you all
The walrus was Paul

「君は 僕らは今もこれ以上ないほど親しい関係にあることは わかっているだろ?」と

「I]」が念を押ししたい相手「you」はポール。

3行目の「you」は著者なので「all」をつけて区別している。

という妄想です。

 

ジョンはインタビューに答えています。

「ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタビュー1980完全版」

デヴィッド・シェフ著 山川真理訳 171ページ

 

――でも、〈グラス・オニオン〉では「みんなにもう一つ手がかりをあげよう、ウォルラスはポールだ」と歌っていますよね。
 

ジョン : あれはジョークだ。あの1行を入れた理由の一つは、ちょっとした罪悪感があったからだ。あの頃、ぼくはヨーコと一緒になり、ポールと別れようとしてたからね。ぼくがやろうとして……いや、どうだろう。あれはポールに対して、とてもひねくれた言い方でこう言ってるんだ。 「ほら、ささやかな希望をあげる。幻想をあげる。そしてこの……この一撃を。ぼくは去っていくんだから」

 

↑「ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタビュー1980完全版」の原書は持っていないのですが、その原文が「BEATLES BIBLE」に載っていました。

 

"Well, that was a joke. The line was put in partly because I was feeling guilty because I was with Yoko and I was leaving Paul. I was trying – I don’t know. It’s a very perverse way of saying to Paul, you know, ‘Here, have this crumb, this illusion – this stroke, because I’m leaving’."

                             John Lennon
                                                            All We Are Saying, David Sheff

perverse :  (理も非もなく)強情を張る、非を認めない、あまのじゃくな、いこじな、つむじ曲がりの、ひねくれた、思うようにならない、意地の悪い、正道を踏みはずした、誤っている                                                                                

perverse」の意味は、何を選んでもいいのですが、「あまのじゃくな」を選ぶとすると

「It’s a very perverse way of saying to Paul」

(あれはポールへのとてもあまのじゃくな言い方なんだ)

とジョンは言っています。

 

素直に言えないあまのじゃくなジョンが、数学の証明問題のような回りくどい言い方をしたのだと思いました??

「今僕はヨーコと付き合っているけれど、君と僕は今もこれ以上ないほど親しい関係にあることは 君もわかっているだろ?」と。

 

そして、ポールはもちろんそのことは知っているけれど、恥ずかしいから「ウォラスの着ぐるみを着ていたのはポールだった」という話にすり替えた!という妄想までしてしまいましたアセアセ

 

そうなると…[Verse 1]の

「I」が「すべてのものが流れるように動いている場所」を教えたいと思う相手「you」も

ポールだと思うのです。

 

そして、"Strawberry Fields Forever" の歌詞

「Let me take you down / 'cause I'm going to Strawberry Fields / Nothing is real」

(僕に君を離れた所へ連れて行かせてくれないか / 僕が今ストロベリー・フィールズに行くから… / 現実のものは なにもないんだ)

「I」が、ストロベリー・フィールズに連れて行きたかった相手「you」も

ポールなのかもしれない??

("Strawberry Fields Forever" を訳した時の私の妄想は、見当違いだったという事になります)

 

 

[Refrain 1]

Standing on the cast iron shore yeah
Lady Madonna trying to make ends meet yeah
Looking through a glass onion   

    カスト・アイアン・ショァに立ちながら yeah

    家計のやりくりに努めているレディ・マドンナを yeah

    グラス・オニオン越しに見ている

 

[Refrain 1]は、ポールが作った"Lady Madonna" ですね。

"Lady Madonna"[Verse 1]

Lady Madonna, children at your feet
Wonder how you manage to make ends meet

    レディ・マドンナ 君の足元には子供たち

    どうやって君は家計を切り盛りしているのだろう

 

[Refrain 1] もなぞなぞのようです。

1行目「Standing on the cast iron shore

カスト・アイアン・ショァに立っているのが、

「レディ・マドンナ」なのか、「主人公」なのか、わからないのです。

 

cast iron shore」について

 

キャスト・アイアン・ショア (通称「カジー」として知られている) は、鉄の鋳物工場があったため、リバプール南部のマージー川の岸辺に付けられた名前です。
 

Background
The "Cazzy" got its name from the rust residue left after ships were scrapped on the foreshore at Dingle. The area was just beyond the last of the South Docks, the Herculaneum Dock. The beach in that area turned red from the ferric oxide left in the sand.

 

背景

「カジー」の名は、ディングルの前浜で船が解体された後に残った錆の残留物に由来している。このエリアはサウスドックの最後のハークラネウムドックを越えたところにありました。その地域の海岸は、砂に残った酸化第二鉄によって赤くなっていた。

 

the cast iron shore」はリバプールに実際にある、海岸の名前ですが、

ジョンとポールの間では通じるエッチで遊び心いっぱいな隠語を妄想してしまいましたアセアセ

孫よ!ごめんなさい!

「家計のやりくりに努めているレディ・マドンナを、カスト・アイアン・ショァに立ちながら グラス・オニオン越しに見ている」

 

 

[Verse 3]

I told you about the fool on the hill
I tell you man he's living there still
Well here's another place you can be
Listen to me

    以前 丘の上の愚か者のことは 伝えたよな

    さらに伝えよう man 彼は今もそこで暮らしている

    なぁ ここは 君が行くことができるもうひとつの場所だ

    僕の話を聞いてくれ

 

[Verse 3]は、ポールが作った"The Fool On The Hill" ですね。

"The Fool On The Hill" [Chorus]

But the fool on the hill
Sees the sun going down
And the eyes in his head
See the world spinning round

    だが丘の上の愚か者は

    沈んでいく太陽を見ている

    そして 彼の頭の中の眼は

    地球が回っているのを見ている

 

"Glass Onion" の

[Verse 3]は、ジョンから頼まれて、ポールが仕上げたヴァースだと思いました。

 

きっと、「he」は、マハリシ。「there」はインドのリシュケシュですね。

 

[Verse 1]と[Verse 2]の「you」は「ポール」だと妄想した私は

[Verse 3]の「I」はポール。「you」はジョンに思えます。
 

「ジョン、以前丘の上の愚か者のことは 伝えたよな。さらに伝えよう。彼は今もそこで暮らしている。なぁジョン。ザ・ビートルズという場所も君が行くことができるもうひとつの場所だ。僕の話も聞いてくれよ。」??

 

Listen to me」(僕の話を聞いてくれ)は、[Refrain 2]に続くラインではなく

洋子さんとばかり一緒にいるジョンへの、ポールのストレートな気持ちだと思いました。  

あまなのじゃくなジョンとは違って…素直なポールを妄想しました??

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林 雅子 664ページ

 

ポール「ジョンとヨーコがカヴェンディッシュ・アヴェニューにやって来て、僕とジョンの二人で三十分ほど庭に出た。彼が僕に仕上げて欲しいという点が二か所ほどあったから。でも、あれは彼のアイデアで作った彼の曲で、アレンジも彼がジョージ・マーティンと作ったんだよ。あのアレンジは特にいい。ジョンの素敵な曲の一つさ。"I've got news for you all, the walrus was Paul (*みんなに知らせがある。あのウォルラスはポールだったんだよ)" の部分を作ってるときはおかしかったな。僕らが意図しなくても、みんな僕らの歌詞を深読みして、どんなつまらない言葉にも意味を見つけて伝説を作り上げてたじゃない? だから、今度は僕らの方から、わざわざ種を蒔いてみることにした。 言ってるのはね、『マジカル・ミステリー・ツアー』でみんなが仮装して出て来る『アイ・アム・ザ・ウォルラス』のシーンのことで、ウォルラス(*セイウチ)の衣装を着たのがたまたま僕だったってことなんだ。別に深い意味でも何でもない。僕らが投げかけた伝説に対する、ひねりを効かせた答えなんだよ。あれはジョンの作品だけど、仕上げを一緒にしたから、僕の貢献もちょっとはあるかな」。

 

[Refrain 2]

Fixing a hole in the ocean
Trying to make a dove-tail joint, yeah
Looking through a glass onion

    海洋にある穴を 埋めながら 修理しながら

    ダブテール・ジョイントを作ろうとしている

    グラス・オニオン越しに見ている

 

fix」の意味は以下なので、埋める」は意訳です。 (2024年6月13日意訳やめました)

fix : (…を)(…に)固定する、動かないようにする、(…を)(…に)取り付ける、据える、(ある場所に)しっかり取り付ける、定着させる、(…を)とどめる、確固としたものにする、明確にする、(…に)定める

覚え方としては…Weblioより

 

目指した場所・状態に固定する

事前に目指したい結果(状態・場所)が想定される壊れているものが対象であれば,目指したい結果は「修理された状態」ということになる

だそうです。

 

[Refrain 2]は、ポールが作った"Fixing a Hole" ですね。

"Fixing A Hole"[Verse 1] 

I'm fixing a hole where the rain gets in
And stops my mind from wandering
Where it will go

    僕は雨が溜まっている穴を埋めていく

    僕は 雨が入り込む穴を修理しながら

    同時に  自分の考えが散漫にならないようにする

    それはどこに向かっているのだろう

 

ocean」は、洋子さんを妄想しました。

 

dove-tail joint」は、

日本でいう「蟻継ぎ(ありつぎ)」で、木材と木材の接続方法の一つだそうです。

その「dove-tail joint」に「a」がついているので、

一か所だけが蟻継で繋がっている木材をイメージしました。

 

"Glass Onion" は

度が強いメガネ越しではあるけれど、ちゃんと現実を見れるようになったジョンが、

「これからはポールとではなくヨーコと組んで(蟻継ぎ)みようと思っている。でも君と僕は今も親しい関係だからな!」と歌っている。

と思いました??

 

ビートルズ公式の動画がyou tubeで見れます。

重すぎで載せられなかったので、検索して見てくださいね音符

 

 

辞書

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎goo辞書

tell : 告げる、話す、語る、言う、述べる、(…を)告げる、伝える、(…と)言う、知らせる、命じる

flow : (絶え間なく)流れる、流れ出る、わき出る、流れるように動く、流れるように通る、すらすらと流れ出る、流れるように垂れる、風になびく、巡る、通う

bent : 形容詞 曲がった.

bend : 研究社 新英和中辞典での「bend」の意味

    自動詞 曲がる,たわむ,しなう.

  例文 The branch bent but did not break. 枝はたわんだが折れはしなかった.

other : ほかの、他の、別の、異なった、(二つの中の)もうひとつの、(三つ以上の中で)残りの、向こう(側)の、反対の、(…とは)違った、…以外の

cast : 鋳造する、成型する

iron : 鉄、鉄製の器具、アイロン、火のし、こて、焼き印、焼き金、アイアン、あぶみ、足かせ

shore : (海・湖・川の)岸、海岸、(海に対して)陸(地)、(海岸を境とする)国

make ends meet : 生活の収支を合わせる、収入の範囲内でやりくりする[やっていく]、家計をやりくりする