二宮くんの演技シゴトへのこだわりは、映画やドラマの番宣でのテレビや雑誌などで垣間見られます。

※いらすとやより

「台本は家に置かず、しっかり覚えない」

セリフは車移動の際に覚える2017.10.27NHK『あさイチ』より)。『検察側の罪人』の際の吉高さんのインタビューにも車内で覚えていた話がありましたし、メイキングPVなどでも楽屋で台本を読んでいる所はないですね。ジャニーズは、現場で台本を見ないという先輩からの教えを守っているとも言っていました。

セリフをしっかり覚えない理由は「台本に書かれているセリフはムダがなく、全部整って書かれているじゃないですか。だから、自分がそんなに毎日毎日、正しい文節でしゃべってないので」2017.10.27NHK『あさイチ』より)。そして、以前、台本にはすべて書かれていて知らなくてもいいことも書かれていると言っていましたね。

自然な演技かつ、柔軟に対応できるように余白を残しておくスタイルには、バラエティでの経験も影響しているようです。「”演じること”だってドラマを10本より、1本のバラエティに出て磨かれた部分はあったと思う。演技も台本がすべてじゃない。その日の天気が晴れなのか曇りなのかでも微妙に変わるものだから。エラソーなことは言えないけど、その時々の状況をよく見れば拾えるものはたくさんあるし、それを生かしたほうが、面白いものになる気がするんだよね。」(2009.6月号『MORE』[It一途]第6回 台本のない仕事より)

「一言一句覚えてほしいという脚本家もいるのでは?」と質問には「倉本さんとやってる時は『そのままでいいです、あなたは』って。それ以降も、「一言一句覚えろ」と要求する脚本家や監督には、あまり出会わなかった。」2017.10.27 NHK『あさイチ』より)これについて、倉本さんは「誤解していただきたくないのは、(セリフを変えるのは)若いからダメ、ではない。ニノ(05年「優しい時間」に出演した二宮和也)なんかには自由に変えてくれって言ってますしね。ただし、俺のホン以上に変えてくれとは付け加えます。俺が正しいのか、おまえが正しいのか、勝負しているわけですから。2018.1.18日刊ゲンダイ『倉本聰 役者への遺言 役者と真剣勝負  俺が正しいのか、おまえが正しいのか』)と述べていて、変えても怒られなかったのは台本よりも良かったからで、恐らく脚本以上のセリフを言えてきたからとも言えます。

これが出来るのは、役作りにあるのではないでしょうか。「まず、その人となぜ敵対しているのかを考える。嫌いな人って、無条件で嫌いになるわけじゃない。嫌いになるってエネルギーがいるし、何かしら理由がないと敵対しないはず。そこを考えたうえで、現場で実際に相手と向きあってみないと、本当のところ、どんな感情がわいてくるのかわからないから。箇条書きでは表せない、感情や人間性を大事にしたいなって思う。」(2008.12月号MORE連載「It一途」スタート記念より)
「僕がやるべきことは、自分の役をどうこうするということではなく“君は俺からはこんな風に見えている”と他のキャラクターに反応すること。互いに影響し合うことで少しずつ、それぞれのキャラクターが肉付けされていくものじゃないかな」2017.10.22 シネマトゥデイの映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」インタビューより)

二宮くんの役作りって1人で作るのではなく、相手ありきなんですよね。だから「どういう役柄ですか?」という質問にも「接する相手との関係性によって出てくる感情も人間性も変わるから説明できない。(中略)その関係性って、台本の設定だけじゃなく、現場に入った時にお互いが発するセリフで育てていくものだから。」2008.12月号MORE連載「It一途」スタート記念より)

そして、二宮くんの柔軟な所は、他にもあるようで「本人と演じるキャラクターの境界線はどこにあるのか?」という質問には「(役に入るのは)カチンコが鳴った瞬間で、終わったら自分に戻ります。それまでは、客観的にいろんなことを考えています。僕はそこまで役に入り込まないタイプなので、一日中演じているキャラクターでいるということは昔からできないんです。」2017.10.22 シネマトゥデイの映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」インタビューより)

「映画づくり以外のことも含め、時代によってやり方は変わっていくもの。だから僕も別に何かを貫いているわけでもないし、今のやり方に強いこだわりがあるわけでもない。監督が違えばやり方が違うのも当然だから、何か一つに決めないようにしているのかもしれない。どうにでもなるように」2017.10.22 シネマトゥデイの映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」インタビューより)とこちらでも余白を残しているようですよ。

そんな柔軟な二宮くんですが、ブレない芯の部分もあります。2018.8.28『めざましテレビ』でのインタビュー「積極的にコミュニケーションをとった?」という問に⭕️の札を出し「僕、比較的どの現場でも積極的にコミュニケーションをとる方なので…」と回答。共演者、監督とコミュニケーションを取るのは、物語や登場人物の感情の動きを把握し、一旦消化した上で表現する二宮くん独自の役作りのためですが、スタッフさんの名前を一番先に覚えるのは、立場は違っても一つの作品に携わる仲間としての彼なりの礼儀で次の質問にも関係あると思います。

「演技には自信がある?」という問に⭕️の札を出し「あると思いたいですよ、それは!(演技が)良かったって言われようと良くなかったって言われようとちゃんと責任持って携わっていましたという気持ちは持っていたいね。」と答えています。この時、印象的だったのが、同じ質問に✖️を出した木村拓哉さんに
さらに、監督から言われたことは「やるしかない」という木村さんに
と聞いていたんです。

二宮くんが演技仕事を選ぶ際、吟味している事やいかりやさんの言葉「毎回一緒に死んでくれる人を探しなさい」を考えることはファンなら知っていると思います。自分も責任を持って取り組めるモノを選んでいるわけですから、○になるのもわかります。そして、もう一つの理由。

「ボクは役者ではなくアイドル」

「ボクがたぶん嵐やってなかったら(映画に)呼ばれてないです。というのは、やっぱり忘れちゃいけないことだろうなとは常に思いますね。自分がじゃあ同じ年数、俳優さんのお仕事だけをやらせてもらって、呼ばれる現場だったかなと思うと、やっぱりそうではないと思ってます」(2017.10.27NHK『あさイチ』より)。私は特にこの想いが強いと思います。この時、1つの作品を作るのに、俳優の他にさまざまな職業のキャストが集められていることに「自分もその一端として呼ばれているんであれば、自分は“俳優”になったらいけないなっていうのがどっかあって。アイドルとしての経験を踏まえた上でオファーされているなら、より『いや、オレは(俳優だ)』という感じにはならなかった」と語っているんです。

共演経験のある綾野剛さんの言葉がわかりやすいかもしれません。「彼はエンターテイナー。今、自分がなにを求められてこの場所に立っているのかということを、感覚的にわかっているから、映画の現場だと誰よりも役者になりきってしまうとこの時VTRで話しています。

ガチガチに固めた役作りではなく、監督や共演者、スタッフなどとの関係性やその時の空気感を大切に柔軟に対応しつつ、自分の立ち位置を失わず、責任を持ってより良いものを一緒に作り上げる、それが二宮くんのスタイルなんでしょうね。

本当は凄く努力家で昭和の職人さんみたいだとずっと思っているのですが、表には頑張っている姿を絶対見せないからわかりづらいんでしょうね。そこが二宮くんらしいけど。

昨日、一昨日あたりから妻夫木さんとの映画の撮影が始まったようです。どんな二宮くんが見られるか楽しみです。コスプレがあるんですよね〜❣️