OXFORD BD
今でこそワイドカラ―をタイドアップでもノータイでも着るスタイルが一般的になりましたが、私より上の世代はアイビーの洗礼をうけ、下の世代はアメカジや渋カジの洗礼を受けた世代なので、ボタンダウンが最も馴染があるシャツと言う人が多いのではないでしょうか。
私もファッションに目覚めた中学生の頃、比較的校則が緩かったので、学生服の下は白かブルーのオックスフォードのボタンダウンシャツ、夏場も半袖の白かブルーのオックスフードのボタンダウンシャツが半制服のようなものでした。
高校に入ると2年生の時に、それまでは制服として認められていたボタンダウンのシャツが何故か禁止に。
ボタンダウンは禁止なのに、何故か当時ヤンキーの不良が着ていた開襟シャツは問題ないという事になり、品行方正なボタンダウンが校則違反で不良が着ている開襟シャツが推奨されるという事態に。
当時は校則を決める教師のセンスの無さを嘆いたモノでした。
わが母校、今でもボタンダウンは校則違反なのか?
ちょっと気になるところです。
その後、学生時代はアメリカ製のシャンブレーやヒッコリーストライプやネルのチェックといったワークテイストのシャツが流行ったり、セントジェームスのボーダーTが流行ったりして、ボタンダウンを着ない時期もあったのですが、卒業後BEAMSに入社すると、当時BEAMSが注目していたフレンチアイビーにはまり、再びボタンダウンのシャツを着ることが多くなりました。
入社当時先輩たちがよく着ていたのは、BROOKS BROTHERS や IKE BEHAR のボタンダウン。
ブルックス ブラザースはご存じのとおり、ボタンダウンの代名詞的なブランドなのでビームスのスタッフの中でもマストアイテムでしたが、アイクべーハーはRALPH LOUREN のボタンダウンがまだアメリカ製だった頃のファクトリーとしてBEAMSのスタッフの中では ”持っていなくてはならないブランド ” でした。
私がBEAMS Fのバイヤーになった後も、ボタンダウンのシャツは色々なブランドで展開していました。
アメリカのブランドではIKE BEHAR、TROY SHIRTS MAKERS、GITMAN BROTHERS など。
英国ブランドでは、STEPHENS BROTHERS、JERMYN STREET SHIRTS MAKERS など。
当時は英国調の流れで既にワイドスプレッドのシャツが人気でしたが、並行してボタンダウンのシャツもまだまだ人気がありました。
因みに、当時巷ではアメリカの ”SERO” や、”B.D BAGIES”のボタンダウンなども多くのショップで売られていました。
90年代中以降、イタリアンクラシックのブームが来ると、LUIGI BORELLIやGUYROVER などのイタリアのシャツメーカーが打ち出していた襟の開きの大きいイタリアン テイストのボタンダウンが増え、人気を博すのですが、ドレス傾向が強くなるとワイド系の襟のバリエーションが増え、日本人もヨーロッパの人達のようにワイド系のシャツをタイドアップだけでなくノータイで着るスタイルが広がり、徐々にボタンダウンは影が薄い存在となりました。
つまり、艶のあるイタリアンテイスト全盛の頃は、ボタンダウンは洋服好きの人達には注目されない不遇の時代だったと言えるのではないでしょうか。
また、数年前に流れとは全く別なところでボタンダウンが注目された時期がありました。
それは、クールビズが一般的に広がると、ボタンダウンは夏場のクールビズ用のシャツとして百貨店を中心に打ち出され、”ノータイならば取りあえずボタンダウンを着ていれば安心” と言うような気運が一般的に広がったのも記憶に新しいところです。
そして、ここ数年流れに敏感な人たちの間で再びボタンダウンのシャツが注目されるようになりました。
背景には、艶のあるステレオタイプのイタリアンスタイルに変わり、英国や米国のテイストをコーディネートに入れることが流れに敏感な人たちの間で広がってきたことによります。
その流れの中で、アメリカを象徴する襟型であるボタンダウンが再び注目され、様々なブランドがボタンダウンを展開するようになっています。
BEAMSでも今シーズン様々なブランドでボタンダウンを展開していますが、個人的に最も気に入っているのがこのシャツです。
http://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/shirt/24111201395/
これは、ミラノでオーダーした時からかなり刺さっていました。
特徴は襟型とステッチ。
アメリカのボタンダウンンを彷彿させる絶妙な襟。
長すぎる襟はイタリアっぽくなり、短すぎれば子供っぽいイメージになります。
襟の長さや開きやロール感は、今のボタンダウンを表現するには重要なポイントです。
そして、襟や前立てに施されたダブルステッチも、古き良き時代のアメリカのボタンダウンを彷彿させるところが刺さりました。
因みに、イタリアでも人気のGITMAN VINTAGE のボタンダウンも、このダブルステッチです。http://www.beams.co.jp/item/fennica/shirt/66110546369/
BEAMSではインターナショナル ギャラリーで展開していますが、サイズがSからなので、私の着られるサイズが無いのが残念です。
生地もイタリア的な柔らかいオックスフォードではなく、ドライでしっかりとしたタッチの生地なのがポイントです。
今は無きアメリカのシャツ生地メーカー ”DAN RIVER(ダンリバー)”のオックスフォードを洗いこんでいったような風合いも刺さりました。
洗いがかかっていてカジュアルなテイストのシャツですが、カジュアルだけではなく、ジャケットにも合わせようと思っています。
ツィーディーな素材や昨年購入したブークレのジャケットなど、素材感のあるジャケットには相性が良いので、ノータイだけでなくニットタイやウールのタイなど、スポーティーな素材のネクタイを合わせようと思っています。
プレスはかけずに敢えて洗いざらしのままで、襟先のボタンは外して着ようと思っています。
襟先のボタンを外して着るのは、元々イタリア人の ”ハズシ技” 的ななテクニックですが、ボタンダウンの品行方正で真面目なイメージを消すには、このテクニックは有効だと思います。
ですので、私がボタンダウンを選ぶ際のポイントは、ノータイでもタイドアップでも襟のボタンを外した時の見え方を重視しています。
因みに、この襟先のボタンを外すテクニック、既にウチのイケメン ディレクターが実践しています。
洗いざらしのボタンダウンの襟先のボタンを外してニットタイやウールタイを合わす。
まさに、こんなイメージですね。
応用編ではこんなテクニックもあります。
ボタンダウンの襟先のボタンを外してタイバーというこなし。
80年代には色々なファッション誌でハズシ技的なテクニックとして紹介されていましたが、その時代を経験していない西口がやっているというのがポイントですね。
ウチのイケメン、なかなかやります。(笑)
因みに、当時は雑誌POPOEYEでラコステのポロシャツにニットタイをして襟をカラ―バーの代わりに安全ピンでとめるというテクニックも紹介されていました。
今シーズン絶対に購入しようと思っていたシャツなので早速購入しました。
袖丈も直して水通しをして既にスタンバイ状態。
久しぶりのオックスフォードのボタンダウン。
今また新鮮です。
皆さんにもお勧めしたいシャツです。
是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
前回のブログで紹介した HOLLIDAY & BROWN のヴィンテージ調のネクタイ。
http://www.beams.co.jp/item/beams_f/suit/21444319380/
今シーズン私が最も気に入っているネクタイですが、入荷後二週間で完売。
追加オーダーすることになりました。
次回入荷は11月中頃になります。
本数に限りがありますが、詳しくは最寄りの店舗にお尋ねください。
グレーのスーツにもネイビーのスーツにも合うこのネクタイ。
来年の春夏の流れを考えても、今シーズン押さえておきたいネクタイです。
本数に限りがありますので、ご興味のある方は最寄りの店舗にお問い合わせください。










