あの人にもう一度会いたい。いまなら分かる。彼は最高だった。彼なら信じられる。彼になら、全て任せられる。もう一度、もう一度会いたい。
そう、彼の造成完璧だった。あの、のりめん仕上げ。角度完璧。仕上がりが美しい。完了検査一発オッケー。ユンボマスターと呼びたい。あの時は、彼の価値がよくわかってなかったよ、いまなら分かる。彼は最高だった。
行政書士の土地の仕事で、開発申請ってある。現地の状況と、お客さんの希望で図面を作り、許可をもらう。許可出た後、工事して、役所が現地立ち入り調査で、検査完了。この完了証をつけて、建築確認申請するので、完了検査通るまでが、行政書士の仕事。これ通らないと、家建たない。図面オッケーまでも道のりは長いのだが、実際の工事も大変。
見に行くと、全然違ってたりする。傾斜60度あるよ、誰もこの上行けないじゃんとか、根っこがモダンアート風に刺さっていたり、大根が落ちていたり。大根は、工事の人のせいじゃないかもしれないが、境界杭がなくなってたり、勝手に変なとこ挿してたり。公道は、こういうとき、官地という。対になる言葉は、民地。官地にも土流れてたり、官地を勝手に工事してたり、だめじゃーん。
工事する側は、する側の事情があるから、図面渡しただけじゃ上手くいかないことが多い。工事側は工事側で、行政書士、めんどくせーと思ってるだろうが、私が許可出すんじゃないから。だから、コミュニケーションをよく取るように、心がけている、
そんな日々の仕事のなか、時折彼を思い出す。彼の造成、本当に綺麗で完璧だった。これって、恋?



