今回はアニメオリジナル要素は殆ど無く、概ね原作要素を忠実に描いていました。その分、感想について何を書こうかと悩んでいて、なかなか書こうかと悩んでいたのですが…とりあえず

小笠原貞宗(CV青山譲)

をキャスティングしたのは神采配。アニメ・洋画吹替でも時に悪役の常連を務め、時にはイケボで渋い人間まで様々なバイプレーヤーの役割を担う青山さん。小笠原貞宗という逃げ若では時行くんに立ちはだかる強大なる敵(第1部で時行くんの逃げ上手能力を破ったのは小笠原貞宗だけ)にして、師匠としてランバ・ラルポジションを担う存在。それだけに今回での貞宗に関しては完璧でした。それにしても主役の逃若党の面々が非常に若手メインなのに対して、心清き足利家の面々は大ベテラン勢。これは中の人たちにも大きな奮起となること間違いなし。それを考えると逃げ若アニメ、非常にバランス取れていて良い。今後に期待したいと思います。それでは本編感想参ります。

 

〇ジョジョ世界住人の建武政権

後醍醐帝「足利高氏よ、鎌倉幕府倒幕大義であった。その功を称え朕の名から一字を授ける。今日からは足利尊氏と名乗るがよい」

南北朝のラスボス「恐悦至極に存じます」

前回、時系列改変されたのでもしかたしたら、建武政権パートやらないかも…という心配が杞憂に終わり、めでたく天皇の諱から字を賜り、目出度く今回から「足利尊氏」となった南北朝のラスボス。後醍醐帝のCVは小松史法さん。

ポ、ポルナレフ!?

思わず、貞宗の如く目玉が飛び出しそうになった情報に驚愕。もうね、キャスティングの時点で戦闘能力高そうな天皇だし、CV小西克幸の南北朝のラスボスとの関係といい

これは敬愛する帝であろうと、障害になるようなら容赦なく排除してしまう尊氏!

後醍醐帝「権力の階段に足を踏み入れるな!朕が上!汝が下だ!」

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南北朝のラスボス「既に帝は我が手の届く距離におられるのです。今度は(第1次京都攻防戦のように)逃がしはしませぬぞ!深紅の帝王(キング・クリムゾン)!」

なお、最終的にその異常なまでの生存能力を考慮に入れていなかったために、再起をゆるしたことが破滅につながった模様。

ここで登場する心清き足利家郎党たちの登場。揃いもそろって見事なばかりに悪人顔ばかりの原作を忠実に。さらにエフェクトかかって大満足。この中で唯一異質なのが、アニメでは今回初登場の腹黒い弟の直義。うーん、やはりこれは絶対にこの連中とは決定的に馬が合わない。

南北朝のラスボス「この者達に朝廷での仕事を頂けたなら、この上なき幸せ」

大楠公「野心や逆心からではないが…今嘘っぽい表情をしたぞ。尊氏殿」

あ、失礼。いやね、こんだけ足利や建武政権がジョジョメンバーだらけになると、大楠公楠木正成にも藤真秀さんをキャスティングしてほしいのよ。ほら逃げ若版大楠公も『ジョジョ』の暗殺チームリーダーのリゾット・ネェロも実に共通点が多い

・共に逃げ隠れ能力に長けた一流の戦士

・鋭い洞察力でラスボス(CV:小西克幸)の本質にいち早く見抜く

・スタンド/郎党を駆使して、鉄の結界でラスボスの動きを封じる(メタリカ/偽京の計)

主人公が直接関わらない場面でその隠していた戦闘力でラスボスを戦闘不能に追い込む

・しかし情に囚われ(仲間の復讐/帝への忠義)ラスボス打倒に焦って、最終的に敗北

・その強戦士ぶりにラスボスも本心から讃える

ね、怖いくらい一致点が多すぎる。ただ、藤さん大楠公だと渋すぎて、あまり金八モードには違和感ありそうなのが難点。いずれにせよ、この頭お花畑の公家連中では完全に南北朝のラスボスに完全に篭絡されて、後ろの心清き郎党たちにもラスボスの真意にもまったく気づかず、喜ぶ有様。

南北朝のラスボス「頼んだぞ。皆で帝をお支えするのだ」

アニメで登場するとより一層気持ち悪さが際立つ南北朝のラスボスの目玉増殖。ヌルヌルという音響も加わることでさらにキモさが倍増!もちろん、それこそアニメ新規組にとっては「真面目な歴史モノ」と思っていたら、いきなりファンタジー世界に入り込んだような当惑が占められたようでしょう。もちろんこれ原作ファンも既に味わっていますが、これもまた南北朝のラスボス足利尊氏の常人離れしたチート能力者であるを皆に納得させるための伏線。どうか第1部終盤までお待ちください。

 

〇師匠と弟子と

時行くん「ヘァァ」

思わず脱力してしまいそうなくらいヘタレっぷりを見せる時行くんの情けない声。剣術に関しては逃げ筋が邪魔してダメダメな時行くんですが、後に別の師匠と出会うことで、剣術に関しても逃げ上手能力をフルに発揮しての異能の戦士へと成長していくことになります。ああ、それだけやっぱり〇〇は本当に重要な存在だったのよね。

その一方で弓に関しては、さっきまでのビクビクした態度とは打って変わってのドヤ顔で自信満々な時行くん。これはある意味では当然で、武士とは元々弓手が騎馬弓兵。時行くんのような万事無気力だった侍王子ですら、弓術と後半の犬追物勝負で重要となる馬術についてはキチンと習得していたほどです。そうでなければ、貞宗との勝負にすらなっていないですし。

だんだんだんだん変態稚児ぶりがどんどん覚醒していっている時行くん(笑)

 

〇犬追物・動きで見せる細かい描写

雫ちゃん「じゃあ…兄様で」

頼重さんから時行くんの名前を公衆の面前では出さないよう別の名前で呼ぶように言われた雫ちゃん

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アニメでは時行くんと雫ちゃんが向かい合う形にすることで、どんなに鈍い感性の持ち主でも時行くん×雫ちゃんのカップル誕生っぷりに気づいてしまうくらいバレバレな雫ちゃんのお気持ち表現。もう少し時間があれば、時行くんも気づいたかもしれないけど、残念ながらここで弧次郎が横やりを入れてしまったせいで、チャンスがフイに。うーん、しかしこの優秀なる才媛ぶりを示す主にベタ惚れという気持ちが周囲にバレバレであるにもかかわらず、肝心の主はまったく気づいていない鈍感力という点では

魔術師×フレデリカさんにも匹敵する(笑)

頼重さん「…違うのです。未来では動物虐待で確定でしょうが…この時代では普通の事で問題にされると困るというか…」ブルブルブルブル((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

時行くん「誰に何を釈明しているの!?」

良かった…こちらのポリコレクレーム対策台詞もちゃんと用意されていて…(笑)口では丁寧な言葉ですが、現代の価値観が全ての杓子定規になっている風潮に対するド正論中のド正論。史実的に不正解だらかの表現や題材に対する敬意を欠いた描写を批判が

第一。そこでポリコレが入ると歴史モノの描写なんて大半は描けません。

ナレーション小笠原貞宗 その武芸は後醍醐天皇からも絶賛され」

ナレーション「小笠原貞宗が形成した武術の流派は21世紀の現代まで伝わり繁栄している」

アニメ版では原作漫画の解説と違って、出番は万事控えめな摂津清子ナレーションが満を持して登場したのが、この史実の小笠原貞宗の経歴解説(※かなり伝承要素有り)これね…漫画だと違和感がないのですが、アニメにすると物語途中で挿入される本編とは関係ない解説シーンが挟まると凄いテンポが悪いのですが、アニメスタッフはキチンとこれを描く重要性が分かっておられる。最初登場した時には不気味な眼玉の怪人悪役でしかなかった貞宗という人物が実は凄い人物であったことを教えるうえでこのパートは非常に大事。アニメスタッフがキチンと原作をちゃんと解析して、「何を力拳を入れて描くべきか」を把握している証でもあります。もう逃げ若アニメにも期待だけしかありません。

時行くん同様、楽しい思いで一杯です!それでは次回で