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〇房総半島「ローカル線」旅

房総半島をほぼ一周する外房線と内房線、これらの路線はかつては東京から特急も走り、通勤電車も走る大幹線でした。しかし、関東近郊のこの千葉県南部もまた鉄道衰退の傾向は止めようがなく、今ではすっかり特急列車の削減・駅の無人化・列車本数自体の削減とどんどんとかつてに比べても鉄道としての衰退が著しくなってきました。今回はそんな房総半島路線の現状と城跡巡りを兼ねて旅行へ行ってみました。

朝一番に千葉駅から出発

ここはもちろん東京から一番近いので、列車本数もそれなりにあります。ここから内房線に乗車

木更津駅に到着。ここまでは東京近郊の通勤路線なんで列車の本数も利用客もそれなりにいます。

しかしここから先は現在では2両編成のワンマン列車といきなりのローカル線モード。かつては千葉まで走っていたのが嘘のようです。ただ、この列車かつては無かった房総半島一周できるという利点もできました。外房線と内房線は安房鴨川までそれぞれつながっているのですが、ちょっと前までは直通列車がありませんでした。今では木更津~上総一宮まで走っているようになっているので、乗り潰しなら結構便利かも

まあ車両自体が新しくなったのはいいのですけどね。それでは出発します。

東京湾の沿岸光景を見ながらゆっくり内房線での旅は続きます。

那古船形駅

途中での幹線駅である館山駅に到着。

ここもかつては特急が走っていたのですが、今ではもう昔の話…本当はここの館山城も行きたかったのですが、今回は生憎のキャンセル。

九重駅に到着。今回の目的地への最寄り駅です。

列車を見送って出発

無人駅ですが、真新しい待合室

目的地の稲村城までは1キロ圏内という近距離にあります。

帯曲輪跡

ところどころ雑草が酷くて、ちょっと歩くのが一苦労

それでも歩いて行ったらすぐに本丸までたどり着きます。

虎口跡

本丸は結構広くて見晴らしのいい展望台となっていました。

ここは流石に開けた地形なので歩きやすい。

土塁

本丸への斜面を遮断するように土塁が形成されていました。

ここからは館山市街が一望できます。

土塁上を歩いてみます。

ここからだと更に本丸全体を見渡せて登って良かった。

堀切跡

それではここから別の降り口から下りていきます。

ただこっちはちょっと道も荒廃していてさっきより更に歩きにくい…

堀切跡

関東では多い城跡の特徴の一つが切通と呼ばれる狭い通路。

中郭部

城山を麓の農家付近から撮影したものです。こうしてみると段々状の腰郭が連なっていて、城山としての光景を見ることが出来て良かった。全体的に駅からも近く、城跡としての遺構がそれなりに残っており、何より比高45mという登りやすさがこの城の良い所でした。

 

〇里見氏の歴史の分岐点

「南総里見八犬伝」でも有名な安房の戦国大名里見氏。その歴史は古く鎌倉時代から続く御家人の名家です。里見家が支配してい館山平野は安房国全体でもかなりの穀倉地帯であり、安房国政治経済の中心ではる府中を睨みを利かせる稲村城を里見氏は本拠地として城を築城したのでした。

 しかし、戦国中期の天文初期に里見家は嫡流の系統が分家によって滅ぼされて、簒奪するという下剋上の内紛が勃発。「稲村野変」と呼ばれる内紛で歴史上では里見家はこの時期を境にして、前期里見氏と後期里見氏と呼称されています。稲村城は前期里見氏の本拠地としていたのですが、その成り行きのために後期里見氏の下で廃城となり、新たに館山城を新居城としました。その後、後期里見氏の下でも稲村城一帯は直轄領化されて、江戸初期に里見氏が先祖伝来の地を離れて以降は里見家旧臣の家が城域内の一角に居住し、現在に至ると伝わっています。

 

〇アクセス

 

 

 

 

JR内房線九重駅から徒歩15分

 

「稲村城に狼煙が一本…」