アクセシブルミーティングのJIS(日本工業規格)は、2010年3月23日に制定されています。
 この規格は、高齢者及び障害のある人々が参加する会議を行う場合、会議主催者が、安全かつ円滑に会議を運営するための支援機器の利用方法などに関する配慮事項について標準化を行い、生産及び使用の合理化、品質の向上を図るために制定するものです。
 (財)共用品推進機構が原案を作成、山内繁委員長(早稲田大学人間科学部特任教授)のもと、全難聴からも委員が参加し、2年間会議を重ねて成立しました。
JISS0042 高齢者・障害者配慮設計指針 アクセシブルミーティング(末尾に関連サイト)

 アクセシブルとは、障害者や高齢者を含む誰もが、さまざまな製品やサービスをどの程度使えるか、または使いやすさの度合いをいいます。つまり超訳?すれば、「どなたでも参加しやすい会議」というわけです。聴覚障害者の「情報保障」という点で、皆さんもビビッと来るのでは?
 内容はJIS Z 8071(ガイド71)を参考に各障害のカテゴリー別に、JISを制定する会議の際、さまざまな場面別に、配慮事項を分析して必要と考えられる項目を表にしたものが中心になっています。
 たとえば聴覚障害者関係ではろう、難聴、全盲ろう、全盲難聴、弱視難聴などに分類。さらに「会議開催にあたり配慮する要素」が18項目、「会議運営、設営及び備品に関する配慮する要素」が41項目など。その中にはもちろん手話や視覚的情報の見やすい照明、中途失聴難聴者のためのマイク使用などの良質の音響、要約筆記のための作業空間、ホワイトボードや紙と筆記用具、など考えつく限りの要素を入れてあります。
 国内ではまだ各障害の定義や表現などについて、統一されていない面もあることから、初めて障害を知る方にもわかりやすい表現を用いて説明することとしました。
 このような規格が制定され、普及することで、聴覚障害者が様々な会議に参加しやすくなること、より一層バリアフリーのための検討が進むことを期待しています。
 国の公文書であるJISの中に、支援機器の種類として、「磁気誘導ループシステム」「FM送受信装置」「赤外線補聴装置」「パソコン字幕通訳システム」などの字句が取り上げられているのも、珍しい点です。
 
 ガイド71とは、JIS Z8071:2003「高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針」として平成15年6月20日制定された規格です。
 社会の中には、聴覚障害に関する様々な問題があります。当事者不在の中で決められたことに大きな原因があると思っています。いったん決まったものの修正には、莫大なエネルギーが必要です。ピラミッドを底から修理しようとするようなものです。その上部も全部修理が必要になってしまいます。
 これに対して、最初から障害を持つ当事者が話し合ってルールを決めて、使いやすい制度にしようというのが、ガイド71の考え方に近いと思います。ピラミッドの頂上から、きちんとしたルールに則って枝分かれしている規格なので、整理されており、わかりやすいです。高齢化社会に適合した製品・サービス開発のための新しい国際標準作りの規格です。
 ガイド71に始まる高齢者・障害者のアクセシビリティ、国際標準化も、日本が世界に先駆けている、重要な課題になっています。
 総務省では2009年10月から原口総務大臣の肝入りで、こうした国際対応の政策を決定するために、グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォースを発足。電気通信市場の環境変化への対応検討部会国際競争力強化検討部会地球的課題検討部会などを開催しています。
 日本の聴覚障害者の利益につながる規格が、世界の聴覚障害者共通の規格になるとしたらうれしいことではないでしょうか。そのためにもこうした規格策定に当事者が関わり続けることが大変重要だと思っています。

JISS0042 高齢者・障害者配慮設計指針 アクセシブルミーティング
関連情報はJISC(日本工業標準調査会)のサイトから見ることができます。
http://www.jisc.go.jp/
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(文責オガワ)