つづきです・・・・
オジキは、何処かへ電話を掛けていた。
オジキ『・・・・じゃあ、連絡待ってるから・・・』
そう言ってオジキは受話器を置いた。
シンちゃん『お手数かけて、すみません』
どうやら、シンちゃんは、事の成り行きを
オジキに全て話した様だった。
オジキ『もう少ししたら、向こうから電話がくるから』
オジキは松波の組織のさらに上の組織に直接電話していた
しばらく、沈黙がつづき・・・電話が鳴った。
当番の若い奴が電話をとってオジキに代わった。
オジキ『はい・・・・ふん・・・・ふん・・・・』
オジキは、『ふん』しか言わない・・・
そして・・・
オジキ『・・・・・じゃあ、しょうがないですね・・・・』
と言って受話器を置いた。
『しょうがないですね・・・』という言葉が
オジキの口から出たという事は、
ケンカが始まるということだ。
オジキ『まったく、話にならね~よ。
わざわざ、直接電話してやってるのに
知らぬ、存ぜぬだよ・・・。
頭にきたから途中で切ったわ』
オジキは、松波の組織の2つ上の組織の総長にあてに電話していた。
しかし、連絡がとれず、そこの番頭と話していた。
オジキくらいになると、違う組織との付き合いもあるし
仕事でも商売相手となったりする。
まして、映画やドラマのようにすぐに抗争にはならないし
共栄共存していかなければ、ならない時代なのだとオジキは言う。
オジキ『じゃあ、飲みに行くぞ・・・・』
シンちゃん『今日は、出ない方が・・・』
オジキ『ど~せ 2・3日したら、
向こうから挨拶にでもくるだろう・・・
それに、何か事を起こしてくれた方が
銭が取れるだろう?
あそこは、そんな事しないだろうがな』
結局、その夜は、シコタマ飲まされて
オジキのゴルフ哲学を、何十回と聞かされた。
シンちゃんやオイラは下手を打った上に
銭もとれず、ケンカを起こしてしまい、テンぱっていたが、
オジキにとっては、電話で片が付く・・・
あわよくば、銭をひっぱろう程度の話なのだ。
その夜は、オジキのマンションに泊めてもらった。
すごいマンションだった。
オジキは普段からオシャレで身だしなみはキッチリしていた。
住む所も着る物も超一流だ。
オジキはマンションに着くなり
ステテコとタンクトップとは言い難い、ランニングシャツ一枚になり
オジキ『俺のパジャマ貸してやるよ』
と言い、小さなクマの絵が
イッパイ描いてあるパジャマを渡しされた。
普通この部屋なら、
シルクのテカテカしたパジャマだろ~と言いたかったが
笑いをこらえるのに、全神経を集中した。
翌日、爆睡していたオイラはオジキに起こされた。
すでに、パリッとしたスーツに着替えていた。
オジキ『おい、事務所行くぞ。向こうさんが挨拶にきたぞ』
朝イチで松波の組織の2つ上の組織の総長が、
事務所に挨拶にきていた。
事務所に向かう途中、オジキは総長との事を話してくれた。
オジキと総長は古くから付き合いがあり
どちらかと言えば、オジキが助けてやった方が多いと言う。
小さな揉め事や、小競り合いもあったが、
総長は常に筋を通して、オジキの顔を立ててくれたそうだ。
組織が違い、ある意味 敵同士なのだが
お互い認め合う仲なのだ。
昔の侍の様な感じだ。
事務所に着いた。
シンちゃんはすでに事務所にいて
総長と若い奴を応接室に通していた。
オジキと応接室に入ると
総長『この度は・・・・・』
オジキ『なんだよ~わざわざ来なくても、
電話でいいじゃないか~』
と言って、ニコニコしている。
なぜ、ニコニコしているかと言うと
テーブルの上に明らかに現金の入った袋が置いてあるからだ。
世間話を少しして、総長は帰って行った。
オジキ『なんだよ~電話一本で儲かっちまったな』
そう言ってオジキは、シンちゃんに袋ごと金を渡し、
すぐに事務所から出ていった。
当然、オイラにも銭!と思っていたが
シンちゃん『また、松波が金包んでくるはずだから、
その時渡すよ。今日は支払に行くから・・・』
と言い、シンちゃんはオイラに1円も渡さず
オイラから逃げるように、帰って行った。
オイラはヨシノリに電話した。
ヨシノリ『松波の事だけど・・・・今日、絶縁になったよ』
これで、オイラには、1円も入ってこなくなった。
つづく・・・・