いよいよ明日から2月受験が始まる。
コアラは学研の図鑑を持ち出しては、「面白い!」と言いながら黙々と読んでいる。
マニアックな知識も身に付け、博士に一直線である。
しかし、「図鑑の精読は今しなくていいでしょ」と突っ込みたい気持ちはある。
「試験前に部屋の掃除がしたくなる」ことを心理学ではセルフハンディキャッピングという。
この状態に近い気もするが、「過去問やメモチェに飽きた」という言い分も理解できる。
無論、大勢には影響がないので、気分よく本番に臨めるように黙認している。
そして、数日後には向日葵のような大輪の花を咲かせてほしい。
渋幕は慌しかったので、2月の試験会場では最後にこんな言葉をかけようか。
「コアラはこの3年間よく頑張った。
その姿をコアラ母とともにみてきて、今はその成長を心から誇りに思っている。
試験開始までに集中力を高めることの重要性は教えたよね。
そして、真っ白の答案用紙にコアラの思いを書くつもりで、問題を楽しんでこい。
もちろん、1点の重みも充分に教えたよね。
だから、最後の1秒まで諦めてはいけない。
そうすれば、その向こうには志望校の先生が笑顔で待っているよ」と。
そして、そっと肩をたたいて送り出す。
しかし、実践しようものなら、「感傷的になったらあかんで」と突っ込まれるのは必至である。
更に、「諦めも肝心や」とも突っ込まれるだろう(確かに、これは教えてきた)。
父「(冗談だが)忙しいから、1人で受験して、1人で帰ってこられる?」
子「(あっさりと)うん、いいよ」
父「(慌てて)あっ、やっぱり一緒に行くよ」
子「(不満そうな顔で)いやいや、1人で大丈夫だって」
父「・・・・・・」
何だか25年前(鯖読みあり)にも、コアラ父は子役で同様の会話をした記憶がある。
結局、往路は保護者同伴となったが、帰路は独りだった。
2/1の御三家受験後はぶらりと寄り道もしてきた。
親は不安になるものだが、子供のほうは案外逞しく、そして成長していく。
2月受験は同伴ではなく、尾行になるかもしれないが、試験会場までは見届けよう。
もちろん、上述の言えなかった気持ちを込めて。