2018年を振り返って ~第4次産業革命が始動する年~ | 藤原洋のコラム

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 今年最後のコラムとなりますので、今年1年を振り返ってみたいと思います。年初に2018年は、日本において「第4次産業革命が始動する年」と位置付けられる年になると宣言し、当社もその目論見に沿って活動してきました。紛れもなく、第4次産業革命とは、「全産業のデジタル化」を意味していると考えています。これまで情報通信産業は、インターネットを基軸としたデジタル化の影響を受け、インターネットの登場後四半世紀で約40兆円市場が100兆円市場へと発展しました。しかし、日本全体のGDPは、この間に約500兆円からほとんど変化していないのが現状です。

 そこで、当社の役割は、あらゆる産業が、5Gインフラを活用しIoT/AI技術を適用し、ビジネスモデルの転換に着手するために、当社は、第4次産業革命を先導するテクノロジー環境を社会に対して示す年にすることでした。以下に今年行った具体的施策、ビジョンの提示、IR活動について述べることとします。

 

1.具体的施策

 具体的には、以下の3つのことを行いました。

(1)5Gデータセンターである新大手町データセンターの開設(写真1)

 3大キャリアのデータセンターとIXが集結する大手町地区において、業界で初めて、3大IX(インターネット・エクスチェンジ)拠点を誘致し、全てのIXに接続環境を準備することができました。また、当社のプライベートクラウドC9は、クラウドセキュリティ認証規格であるSTAR認証*ゴールドレベル取得を維持しました。さらに新大手町データセンターには、パブリッククラウドとして普及率の高いAWS(アマゾン)、マイクロソフトAzure、グーグルクラウドプラットフォームと当社サービスdc.connectの接続が可能な環境を整備しました。さらに、IoTプラットフォーム=ソラコムとの接続環境を整備しました。同センターは、最大12KVA/ラックの大容量電源を用意しており、AIプロセッサのGPUの利用などにも耐え得る最新鋭の利用環境を整備しています。

*STAR認証:米国CSA(Cloud Security Alliance)と英国BSI(British Standard Institute)の合同規格。

 

(2)AI/IoTテクノロジープラットフォームの提供

 AI/IoT環境については、新大手町データセンターでの大容量データ処理環境を準備すると共に、パブリッククラウドとの直接接続環境を整備したことから、各種クラウドの付加サービスとして進化を続けているAIツールを利用することができるようになっています。また、音声と自然言語処理のAIプラットフォームについては、子会社のエーアイスクエア社にて、既にRPA(Robotic Process Automation)プラットフォームと要約エンジンサービスを商用化し、今年から市場に提供を始めました。子会社のIoTスクエア社では、各種IoTプラットフォームを開発中ですが、商用化は、今後の課題となっています。

 さらには、IoTインフラとされる5Gモバイルの高速通信チップを名古屋大学特別教授の天野浩氏が青色発光ダイオード(2014年ノーベル物理学賞)用に発明したGaN(窒化ガリウム)を基本とした研究開発プロジェクトを新たに総務省へ提案しました。そして当プロジェクトは、今年、総務省の研究費(電波利用料)を獲得することができました。研究プロジェクト代表者:ブロードバンドタワー藤原洋、研究機関:名古屋大学、東京工業大学、名古屋工業大学、東京大学、研究企業:NTT、パナソニックセミコンダクターのチーム構成です(写真2)。本プロジェクトによって世界が激しく競争する5Gにおいて日本の強みを活かしたデバイスからデータセンターに至るまでの5Gエコシステムの構築を目指しています。

 

(3)動画像配信プラットフォームの提供

 昨年10月に子会社化したジャパンケーブルキャスト(JCC)社が、フル連結決算対象企業となり、JCCの顧客である全国のCATV局向けに当社のデータセンター事業のIX接続技術と組み合わせたケーブルコネクト・サービスの提供を開始する準備を行いました。今後は、さらに、このケーブルコネクト・サービスを通じて当社のAI/IoTプラットフォームを全国のCATV局向けに提供していく予定です。

 

2.社会に向けてのビジョンの提示

 当社のミッションである「全産業デジタル化時代の『日本創生戦略』」をPHP研究所刊として出版しました。同書は、中西宏明経団連会長からも推薦を頂き、多くの企業経営者、事業責任者の方々に読まれており、当社のビジョンを提示する大きな機会となりました。

 同書の第5章でも詳しく述べた日本のサイバーセキュリティを中心とするテクノロジー・パートナー国としてイスラエルとの連携の意義を強調しています。そこで、当社グループとイスラエルとの確固たる地位を築くために当社の筆頭株主である株式会社インターネット総合研究所(IRI)の持株会社であるInternet Research Institute Ltdをイスラエルに設立し、本年8月にアジア企業初のテルアビブ証券取引所への株式上場を果たしました(写真3 IRIの上場セレモニー)。

 

3.IR活動

 当社は、テクノロジーベースのいわゆるB2B(Business-to-Business、企業間取引)企業であるため、投資家の皆様に分かり易く当社のビジョン、ミッションと事業内容を説明する必要があります。今年は、半期に一度のアナリスト・機関投資家説明会と共に、2度の個人投資家説明会(名古屋、京都)とストックボイスTVへの出演を行いました。新大手町データセンターの稼働開始とIRIのテルアビブ証券取所への上場以降において、写真4に示すように出来高が増大したことで、IRの成果が表れ始めたと認識しております。今後ともIR活動に注力していきたいと考えております。

 

 

写真1

 

写真2

 

写真3

 

写真4

 

 

 それでは、皆様にとって2019年が実り多き年であることを祈念して年末のご挨拶とさせて頂きます。

 

平成30年12月19日

代表取締役会長兼社長CEO

藤原 洋

 

 

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