ボブ・ディランの全曲訳詞に挑戦中、「ディラン日記」のコーナー。ブートレッグ・シリーズ第2集も今回がラストとなります。ラストの3曲は、75年の"Blood on the Trucks"録音時のテイクです。

まずアルバム収録曲の別テイクが2曲収録されています。いずれもアコースティック・ヴァージョンです。

D102-18 Tangled Up in Blue (音源はこちら)
D102-20 Idiot Wind (音源はこちら)

そしてこの2曲にはさまれて、唯一のアウトテイクが収録されています。

 

Call Letter Blues
"The Bootleg Series Volumes 1-3 (Rare & Unreleased) 1961-1991"(1991)収録

アルバムに唯一収録されているエリック・ワイスバーグバディ・ケイジが参加したナンバー、"Meet Me in the Morning"と同じメンバーをバックに従えた、典型的なブルーズ・ナンバー。同じ歌詞を2度続けて、最後に別の歌詞でヴァースを締める12小節ブルーズです。

言葉だけを追っていくと、あまり脈絡のないフレーズが並んでますが、どうやら女に逃げられてしまった男の独白であるように感じます。このパターン、"Blood on the Trucks"には多いですね。

全体で6ヴァースあるのですが、なぜかディランのHPには4ヴァースしか掲載されていませんので、その分だけ訳させていただきました。ご確認下さい。
https://www.bobdylan.com/songs/call-letter-blues/

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さて 一晩中歩いた 
教会の鐘の音を聞きながら
そう 一晩中歩いた 
教会の鐘の音を聞きながら
誰かが慈悲を必要としているか 
オレが何か間違ったのかのどちらかだ

さて あんたの友だちが来てくれた 
オレは何を言うべきかわからない
さて あんたの友だちが来てくれた 
オレは何を言うべきかわからない
オレはただ正直に言うことができない
ハニー おまえは行ってしまった

さて 子供たちが母さんを求めて泣いている 
オレは言った「母さんは旅に出た」
さて 子供たちが母さんを求めて泣いている 
オレは言った「母さんは旅に出た」
さて オレは針のむしろの上を歩いてる
オレの口が滑らなければ良いのだが

さて オレは通り過ぎる見知らぬ人見つめてる
おまえに会えるかも知れないから
そう オレは通り過ぎる見知らぬ人見つめてる
おまえに会えるかも知れないから
だが太陽は天国の周りを回ってる
そして一日がただ過ぎて行く
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それでは曲をお聴き下さい。