前回は透かし剪定について書きました。

今回は透かし剪定をもっと深く説明しようと思います。

師匠から「透かし剪定ではイロハモミジ、糸ヒバを上手く透かせる様になったら一人前や!」と言われました。

その頃は出来るさ!と思っていました。

しかし植木屋を初めて10年近くたった現在、
今でもイロハモミジの透かし剪定の難しさに悩みます。

理由を挙げると、
・強く切れば爆発したように伸びる。
・大透かし、中透かしを一歩間違えれば樹形が乱れる。
・小透かしばかり一生懸命やってもより良い樹形に仕上がらない。
・少しでも気を抜くと気づいたときには切りすぎている。もしくは少し枝を残しすぎている。
・葉っぱを一枚一枚重ならないように意識するのが難しい。


まずはこちらを見てください。

山形県 剪定
公園に植えてあるモミジです。
これが私が求めるイロハモミジの見本です。
まずは枝ぶりですが、
主幹から伸びている大枝→次に分岐している中枝→その先で分岐している細かい小枝。

枝の気勢、流れがスムーズに流れている。
そんでもって葉っぱのついている小枝が沢山密になっていることによって毎年徒長枝が出ない。
ということは剪定の手間もかからない。
そして風に揺さぶられた時の柔らかさ。

公園という壮大な場所だから出来る本物の自然樹形です。

それをお庭で完璧に再現できるよう研究しております。


剪定前のシダレモミジ
山形県 剪定
剪定後のシダレモミジ
山形県 植木屋
一回の剪定ではこれがやっとでした。
二年、三年で枝を増やす予定です。




二年前に徒長枝が凄かったイロハモミジ。
山形県 植木屋
その年は枝を整理して、少し薄くなりました。
山形県 庭師
次の年には小枝が増え、徒長枝も少なくなり、
今年は小透かしまで行うことが出来ました。
山形県 庭師




かなり伸びたイロハモミジ。かなりの迫力の株立ちのもみじになります。
山形県 枝 密

山形県 枝抜き剪定


枝の混みもすごかったのですが、
強く切ってしまうと次の年にまた爆発してしまい良い木にならないので、
慎重に枝を整理して小透かしまで手間を掛けさせて貰いました。
こちらが完了になります。
山形県 庭師

山形県 剪定
年をとる毎にかっこ良くなっていくのって良いですね‼️