哲学堂 その2 | バザラスからのアジアン紀行

哲学堂 その2

ここは、中野区の哲学堂。

 

井上 円了

 

哲学者、東洋大学創設者。

 

明治17(1884)年東京帝大哲

学科在学中に哲学会を発足、

卒業後の20(1887)年に哲学

を中心とする高等教育のため

哲学館(後の東洋大学)を創設

した。

 

また和田山(後の東京中野)に哲学堂

を建て、釈迦・孔子・ソクラテス・カント

の四聖を祀った。

 

学際的な分野で、民間の迷信をなくし

近代化をはかるため科学概論の『妖怪

学講義』8巻を著した。

 

以下、HPより。

 

「朱塗り、三層六角形のこの建物は、

 哲学堂公園のシンボル的な建物

 です。

 

東洋の六賢人として、中国から道教の

代表者として荘子、朱子学の創始者で

ある朱子、印度から仏教を体系化した

龍樹、バラモン教の数論哲学の開祖

である迦比羅仙、日本から仏教の普及

に寄与した聖徳太子、中世の学識者と

して菅原道真が祀られています。

 

かつては最上階の天井の六面に

六賢の肖像を描いた扁額が掛け

られ、その中心の各面に六賢の

名前が刻まれた小鐘が吊るされ

ていましたが、扁額はいま無尽蔵

で展示されています。

 

その他、井上円了が全国や海外で

蒐集した品物(石器・陶器)や数百種

にのぼる寺社仏閣の守り札などが飾

られていました。

(現在は、写真が展示されています)

 

また、屋根の中央には、相輪と九つの

法輪があり、最上部に宝珠を付け、屋

根の棟瓦の一端には、近接してあった

天狗松に因んで、火伏せのための「天狗」

の瓦がついています。

 

時空岡は、哲学堂公園の中心となる

ところです。

 

時代や国・地域を超えて、西洋、東洋

の哲学者を祀る四聖堂、東洋の賢人

を祀る六賢台、日本の碩学を祀る

三學亭があり、哲学を学ぶ師とな

る者を紹介しています。

 

さらに、77場の順序では最後の方

に位置しますが、哲学の実践の場

となる講義堂である宇宙館、図書館

で閲覧室を提供する絶対城、井上円了

が世界・国内を30年にわたって巡り得

た蒐集品を展示する博物館といえる

無尽蔵が配置され、真ん中に立つと

哲学堂の主要な古建築物を全て見る

ことができます。

 

四聖堂には、東洋哲学から孔子、釈迦、

西洋哲学から古代西洋のソクラテス、

近世西洋のカントが選ばれ、井上円了

が最も影響を受けた哲学者四聖として

祀られ、当初は、‟哲学堂”と呼ばれて

おり、公園名の起源といえます。

 

天井中央には、四聖の名前を

記した装飾額が四面にそれぞ

れ置かれ、哲学の将来的発展

を祈念したもので、創設者井上

円了の意図を読み取ることがで

きます。
 

建物は、四方正面の建物で、堂内

中央部には、「南無絶対無限尊」と

刻んだ石柱、「唱念塔(しょうねんとう)」

が置かれ、‟哲学は宇宙の真理を生涯

かけて楽しみながら究明してゆくこと”を

示しています。

 

天井から下がる「球燈」は、心即ち

精神を表し、その下にある「香炉」は、

物即ち物欲を示し、物欲から立ち上

がる煤で、心が穢されても、修養を積

めば清浄な心を失うことはないことを

表しています。

 

唱念塔の後ろ側に置かれている釈迦

涅槃像(和田嘉平治作)は、円了の子息

玄一氏が戦争で亡くなった友人を供養す

るために作り、現在のつつじ園にあたる

場所に、お堂を作り安置する予定でしたが、

お堂ができなかったため、ここに昭和15年

に置かれました。

 

円了は、「哲学は、宇宙の真理を

研究する学問である」とし、哲学上

の講話や講習会を行うための講義

室として、この宇宙館を建てました。

 

内部には横斜めに皇国殿という

八畳敷の一室を世界の中の日本

を表すものとして設け、哲学は社会

・国家の原理をも考究する学とし、

世界で最も美しい国が日本として

います。

 

大正5年(1916年)には、日曜講演や

夏季講習会などが開催され、井上円了

の社会教育の実践の場所としての活用

が始まりました。
 

また、中央部に、聖徳太子立像(和田

嘉平治作)が置かれています。

 

これは、四聖堂の釈迦涅槃像と同様に、

子息の玄一氏により昭和15年に設置さ

れたもので、当初は現在のつつじ園に

建物を設けて設置する考えでしたが、

戦争中のため設けることができずに、

皇国殿に置かれることになりました。

 

『宇宙万類中人類為最尊』

 

宇宙万類の中、人類をもっとも

尊しとなす

 

『世界万国内皇国為最美』

 

世界万国の内、皇国をもっとも

美しとなす」

 

以上、HPからの抜粋だが

井上 円了氏の哲学観や

言説には、大いに傾聴す

べき点があるが、時代的

制約からか、俺的に現代

世界には通用しない誤りも

みられます。

 

つづく。