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婚活ストレス…断られ続け、深い傷

 結婚するために、結婚相手紹介サービスや合コンなどで、積極的に相手を探す「婚活(結婚活動)」。うまくいかずに疲れ果て、ひどくなると心の病まで患う「婚活ストレス」に悩む人が増えている。(岩永直子)

一休み、仲間と交流必要


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カウンセリングをする小野さん(奥、東京都東村山市の「おのクリニック」で)=若杉和希撮影
 婚活歴20年以上となる大阪府の女性(44)は昨年末、婚活サイトで知り合った男性とお茶を飲んで帰宅したとたん、ぐったり布団に倒れ込んだ。これで会うのは約30人目だが、またダメだった。

 それから1か月間、家に閉じこもりボーッとする日が続いた。ここ数年で両親が相次いで他界し、派遣の仕事も契約終了。結婚に人生を懸ける思いが膨らんでいただけに、余計こたえた。「また一からやり直しと思うと力がわかなくて。長年の疲れが出たのか、うつ状態でした」と振り返る。

 短大卒業後、結婚相談所を三つ渡り歩き、今は複数の婚活サイトに登録。35歳を過ぎると男性からメールが届くことはなくなり、こちらからメール交換を始めるが、ネット婚活では返事がないのが断りの合図だ。返信が途絶える度に、心を整理できないまま落ち込むことを繰り返してきた。

 気に入っていた男性が、後で既婚者だとわかったこともある。体の関係だけが目的の男性も多い。

 ただ、女性も年収700万円以上、有名な大学出身との条件は譲れない。「普通の家族が欲しいだけなのに……」。未婚男性の8割が年収400万円未満の現代、出口は見えない。

 「婚活」という言葉の生みの親であるジャーナリスト白河桃子とうこさんも、最近、「婚活しても結婚できないストレス」に悩む男女が増えたと感じている。

 「この不況で、男が養い、女が家事・育児をするという『昭和的結婚』はますます不可能になっているのに、古い結婚観から抜け出せず、ないものねだりを続ける男女が多い」と背景を分析。さらに、「婚活ブームで出会いの機会は増えたので、より条件の良い結婚を求め、一つ一つの出会いを大事にしない人が増えた。まじめな人ほど、気軽に選び選ばれる環境になじめず、傷ついてしまう」と話す。

 こうしたストレスに対処する「婚活疲労外来」も2009年12月、「河本メンタルクリニック」(東京都墨田区)に登場。見合いで断られ続け不眠に悩む男性、相手が煮え切らず、不安で胸痛を発症した女性――。うつ病や不安障害が多く、同クリニック顧問の精神科医小野博行さん(53)が、薬やカウンセリングで対応する。

 6月に開業した「おのクリニック」(東京都東村山市)でも相談に乗る小野さんは、「共通するのは、断られることに対する不安やダメージの大きさ。婚活では、性格や年収などあらゆる角度から判断するのに、断る理由は伝えられないため、全人格の否定のように受け止めてしまう」と話す。

 では、こうした婚活ストレスに負けないために、何ができるのだろうか?

 小野さんは、「つらい時に思いをはき出せる婚活仲間を作り、疲れた時は少し中断した方がいい」とアドバイス。白河さんは、「婚活ストレスの裏には、将来の生活不安が隠れていることが多い。女性は本気で働き、男性は家事などの生活能力を鍛えて、一人でも生きられ、共働きでも支え合える力を身に着けるのが生活不安の予防にも、結婚への近道にもなる」と話す。

 冒頭の女性は、婚活の悩みをつづるブログで読者と交流することで心を立て直した。悩みを一人で抱え込まず、結婚に求める条件を見直してみることが、現実的な処方箋のようだ。く