ひまわりの郷ライジングスター・シリーズ#5 水谷晃&日橋辰朗 | ベイのコンサート日記

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音楽評論家、長谷川京介のブログです。クラシックのコンサートやオペラなどの感想をつづっています。







(131日、横浜市港南区民センター ひまわりの郷ホール)
 東響のコンサートマスター水谷晃と読響の首席ホルン日橋辰朗という若手名手二人にベテラン・ピアニスト加藤洋之が入った室内楽。
 前半のシューマンのヴァイオリン・ソナタ(水谷)、ラインベルガーのホルン・ソナタ(日橋)が技術的には問題がないとはいえ、やや譜面通りの演奏だったのに較べて、後半のブラームスの「ホルン三重奏曲変ホ長調作品40」が素晴らしい出来映えだった。
 難関のミュンヘン国際音楽コンクール第3位入賞を果たしたウェールズ弦楽四重奏団のリーダーでもある水谷の力強く音楽を推進していくヴァイオリンに、日橋の正確でスケールが大きく、自由自在にフレーズを紡いでいくホルンが絡む。その上に加藤の安定したピアノが加わり、全員が有機的につながる理想的な室内楽が実現した。ブラームス唯一のホルンを使った室内楽であるこの作品の真価を伝える演奏だった。

アンコールは非常に珍しい曲。ワーグナー作曲「アルバムの綴りハ長調≪メッテルニヒ公爵夫人のアルバムに≫(A.ヴィルヘルミによる室内アンサンブル編)」。甘くロマンティックな小品のため、作曲者名を告げられない限りワーグナーに結びつけるのは難しい。水谷が「加藤さんはリゲティのホルン三重奏曲にしようと言ったんですが、とんでもなく難しい作品です。」と笑いを誘っていた。
「ブラームスへのオマージュ」という副題からして、プログラムにはぴったりだが、どの楽章も超絶技巧を要する曲でアンコールには無理と思われる。