久し振りに書いちゃいました~☆
……が、ネタを思いついたのが七夕当日だったので、ちょっぴり季節外れとなっちゃいましたが………いつものことなので気にしない♪(←)
しかも、かなり突発で書いたので、ネタがかなり薄いです。
それをお許し頂ける方のみ、↓↓↓へどうぞ~。
***************************************
今日は七夕…。
夕飯の買い出しに商店街を歩いていると、文房具屋さんの軒先に、大きな笹飾りがしてあった。
どうやら、お店に買い物に来た子供たちが、短冊に願い事を書いて、そこに飾っているらしい。
色とりどりの短冊には、それぞれに固定的な文字で、様々な願い事が記されている。
細長いその短冊は、初夏の風に揺られて、サラサラと心地よい音を立てながら笹の葉と共に揺れていた。
そんな心和む光景に、私は自然と足を止め、風に揺れる短冊に目を遣った。
「今時の小学生って、皆どんな願い事してるのかな…?」
私のその呟きに、隣にいた大和が、ちょうど彼の視線の高さで揺れていた短冊を、そっと1枚手に取った。
「なになに…?『プロ野球選手になれますように』……お!いいじゃん♪」
野球好きの彼は、そこに記された願い事に目を細める。
私も彼に倣って、少し高い位置で揺れていた短冊を、ちょっと失敬して見せて貰った。
「えっと…こっちは『算数のテストで100点がとれますように』か…。あ~分かるな~。私も算数苦手だったもん」
「何だよ、ぶう子…算数苦手だったのか?」
「うん…あんまり得意じゃなかったかな~。私、どっちかっていうと文系だったし」
「そうなのか?物理教師の奥さんになろうっていう奴が、理数系苦手ってどうなんだよ?」
「え~それは関係ないでしょう」
「俺が教えてやろうか?」
「……遠慮しときます」
妙に楽しそうにニッと笑った大和に、私はちょっぴり引き攣った笑顔を作って、その申し出を丁重にお断りした。
「そう言えば、大和は七夕に、何かお願い事とかあるの?」
「俺?」
ふと思い立って、私は大和の顔を見上げた。
今年は七夕飾りをする機会は無かったが、もし短冊に願いを書くとしたら、大和が何を書くのかちょっと興味がある。
私の問いに、大和は「そうだな…」と考えを巡らせた後、何か思いついた様子で顔を上げた。
「…例えば、『ぶう子の気持ち良いわらび餅な脇腹が、来年もキープされていますように』とか?」
「な…っ!?」
その思いもよらない願い事に、私は驚いて声を詰まらせた。
「何それ~!!」
当然、私は抗議の声を上げたのだが、大和はいかにも楽しそうに笑うと、再び何かを思いついたらしく、いたずら坊主そのものという目で言葉を続けた。
「それがダメなら、『ぶう子があんまり、ぶうたれなくなりますように』とか…」
「ぶぅ…!」
「お!それそれ!それが無くなりますように…とか?」
「大和~!?」
「アハハ!それとも『ぶう子がこれ以上酒豪になりませんように』の方が良いかな?」
もう願い事なのか悪口なのか分からない大和の願い事に、私はちょっと拗ねて頬を膨らませた。
…まぁ、大和のイジワルは今に始まった事じゃないけれど、今日は機嫌が良いのか、彼らしい言葉がポンポンと出て来ている。
それはそれで良い事なんだけどね…なんて思っているあたり、私もすっかり彼の言動に慣れてきたってことだとは思う。
でも、やられっぱなしも少々悔しいので、拗ねた表情をキープしたまま、私は大和へと問いかけた。
「もっとちゃんとした願い事、他にないの!?」
「他?」
大和は私の言葉を短く繰り返すと、そっと顎に手を当てた。
「そうだな、他には…………あ!この前、お前全然下見ずに歩いててルンバに躓いてたろ?だから『オレが見てない所でぶう子が転びませんように』とか…」
「え…?」
「あとは…先月、お前ちょっと風邪気味だったからな、『今年はぶう子がもう風邪をひきませんように』も良いな……」
(あれ……?)
大和が挙げ始めた願い事に、私は膨らませていた頬を元に戻すと、彼の横顔を見上げた。
「…あ、今朝ポストに投函した懸賞ハガキ!『沖縄旅行が当たって、ぶう子と沖縄に行けますように』も要るよな……」
(これって……)
これって……この彼の願い事って……。
「あー…でもやっぱ『佐伯達が勝手にぶう子に手を出しませんように』は重要だよな」
「大和……」
(…やっぱり………)
次々に出てくる大和の願い事の中に「何か」を感じた私は、僅かに鼓動を早めた胸の奥から、声を絞り出すようにして彼の名を呼んだ。
「それとも、もっと身近なことで、『月末にぶう子と見に行く花火大会が、晴れますように』くらいのが良いかな?あまり大きなこと願ってもだし」
「大和…」
「身近な事なら、『来週ぶう子と買い物に行った先で、ぶう子に似合うワンピースが見つかりますように』とかのが、現実的かな…?」
「…大和!」
「ん?なんだよ?お前が欲しがってたのって、ワンピースじゃなかったか?」
「ワンピースだけど、そうじゃなくて……!」
僅かに首をかしげている大和に、私は赤く染まりだした頬を気にしながらも、胸の奥で感じた事を、言葉にして彼に告げた。
「……大和の願い事って、どうして私のことばっかりなの…?」
「…………え?」
私に言われて初めて気づいたんだろう。大和は今の今まで自分が口にしていた願い事の数々を振り返って、はたとその事実に気付いた様子だった。
「………………」
一瞬、彼の目が泳いで、バツが悪そうにフイッと横を向いてしまう。
でも、直ぐに大和は視線を私へと戻すと、左手でそっと私の髪に触れて来た。
「…そんなの…………お前以外に、オレが願うことなんてねーよ」
「あ…………」
もしかして、そうかな………なんて、図々しい予想は、私の中にはあった。
でも、大和の言葉でちゃんと告げられると、凄く恥ずかしくって………凄く嬉しかった。
「……うん」
胸の内の喜びがそのまま表情となり、私の顔を緩ませる。
私が笑うと同時に、大和の表情もまた、フワリと甘く綻んで。
その嬉しそうな笑顔の、優しく笑んだ口元そのままに、大和は私の目尻に小さなキスを贈ってくれた。
「………で?お前の願い事は?」
そっと、私の目を覗き込みながら、大和が甘い声音で尋ねる。
私の願い事………そんなの、尋ねられるまでもない。
私はそっと大和の腕に擦り寄ると、彼の優しい瞳を見上げる様にしながら答えた。
「私だって、大和のこと以外ないもん。だから、『大和の願い事が、全部叶いますように』……」
「***……」
私の願い事に、大和は本当に嬉しそうに笑ってくれた。
私の願い事なんて、本当に大和のことしかない。
例えば、今の体系をキープしたいと思うのも、風邪をひかないようにしようと思うのも、うっかり転んだりしないようにと思うのも、全部、その先に大和の笑顔があるから…。
欲張りな私たちの願い事を、七夕のお星さまが、どれだけ叶えてくれるか分からないけれど、今もこれからも、こうして2人で笑っていられることを、最後に心の中で願って…。
「大和、今日の夕飯、何にしよっか?」
「七夕だしな…そうめんとか、冷やし中華とか、そういう涼しげなのにするか?」
「うん!いいね!」
「トッピングとか、星型にして飾ってやるよ!それっぽくしようぜ!」
「うん!!」
2人、顔を見合わせて笑い合うと、私たちは再び歩き出した。
ふと見上げた夕焼け空に、雲は無かった。
きっと今夜、織姫と彦星は1年に一度の逢瀬を果たせるだろう。
そんなことを思いながら、私は差し伸べられた大和の左手に、自分の右手をそっと絡ませた。
fin
**************************************
ここまでお付き合い下さり、どうも有り難うございましたvv
久し振りに書いたので、自分でも違和感ありありという…(汗)
完全にお目汚しで、失礼致しました。
そうそう!誓キスも2周年ですね☆
サイトの2周年コメント……どうやら私の投稿が採用されたっぽいです(^^;)
大和の2周年コメント……私の記憶違いでなかったら、私が投稿した台詞を言ってくれてます。
「骨抜きにしやがって」ってヤツです。多分。
なんかもう、何パターンか投稿したので、実は記憶が曖昧なんですが(爆)、
何はともあれ、ボルテージさん!採用して下さり、有り難うございます!!
ということで、今月は大和のお誕生月ですね♪
時間と気力があったら、また大和のお話を書ければな~と思っております。
……需要があるかどうかは、分かりませんけどね(^^;)
……が、ネタを思いついたのが七夕当日だったので、ちょっぴり季節外れとなっちゃいましたが………いつものことなので気にしない♪(←)
しかも、かなり突発で書いたので、ネタがかなり薄いです。
それをお許し頂ける方のみ、↓↓↓へどうぞ~。
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今日は七夕…。
夕飯の買い出しに商店街を歩いていると、文房具屋さんの軒先に、大きな笹飾りがしてあった。
どうやら、お店に買い物に来た子供たちが、短冊に願い事を書いて、そこに飾っているらしい。
色とりどりの短冊には、それぞれに固定的な文字で、様々な願い事が記されている。
細長いその短冊は、初夏の風に揺られて、サラサラと心地よい音を立てながら笹の葉と共に揺れていた。
そんな心和む光景に、私は自然と足を止め、風に揺れる短冊に目を遣った。
「今時の小学生って、皆どんな願い事してるのかな…?」
私のその呟きに、隣にいた大和が、ちょうど彼の視線の高さで揺れていた短冊を、そっと1枚手に取った。
「なになに…?『プロ野球選手になれますように』……お!いいじゃん♪」
野球好きの彼は、そこに記された願い事に目を細める。
私も彼に倣って、少し高い位置で揺れていた短冊を、ちょっと失敬して見せて貰った。
「えっと…こっちは『算数のテストで100点がとれますように』か…。あ~分かるな~。私も算数苦手だったもん」
「何だよ、ぶう子…算数苦手だったのか?」
「うん…あんまり得意じゃなかったかな~。私、どっちかっていうと文系だったし」
「そうなのか?物理教師の奥さんになろうっていう奴が、理数系苦手ってどうなんだよ?」
「え~それは関係ないでしょう」
「俺が教えてやろうか?」
「……遠慮しときます」
妙に楽しそうにニッと笑った大和に、私はちょっぴり引き攣った笑顔を作って、その申し出を丁重にお断りした。
「そう言えば、大和は七夕に、何かお願い事とかあるの?」
「俺?」
ふと思い立って、私は大和の顔を見上げた。
今年は七夕飾りをする機会は無かったが、もし短冊に願いを書くとしたら、大和が何を書くのかちょっと興味がある。
私の問いに、大和は「そうだな…」と考えを巡らせた後、何か思いついた様子で顔を上げた。
「…例えば、『ぶう子の気持ち良いわらび餅な脇腹が、来年もキープされていますように』とか?」
「な…っ!?」
その思いもよらない願い事に、私は驚いて声を詰まらせた。
「何それ~!!」
当然、私は抗議の声を上げたのだが、大和はいかにも楽しそうに笑うと、再び何かを思いついたらしく、いたずら坊主そのものという目で言葉を続けた。
「それがダメなら、『ぶう子があんまり、ぶうたれなくなりますように』とか…」
「ぶぅ…!」
「お!それそれ!それが無くなりますように…とか?」
「大和~!?」
「アハハ!それとも『ぶう子がこれ以上酒豪になりませんように』の方が良いかな?」
もう願い事なのか悪口なのか分からない大和の願い事に、私はちょっと拗ねて頬を膨らませた。
…まぁ、大和のイジワルは今に始まった事じゃないけれど、今日は機嫌が良いのか、彼らしい言葉がポンポンと出て来ている。
それはそれで良い事なんだけどね…なんて思っているあたり、私もすっかり彼の言動に慣れてきたってことだとは思う。
でも、やられっぱなしも少々悔しいので、拗ねた表情をキープしたまま、私は大和へと問いかけた。
「もっとちゃんとした願い事、他にないの!?」
「他?」
大和は私の言葉を短く繰り返すと、そっと顎に手を当てた。
「そうだな、他には…………あ!この前、お前全然下見ずに歩いててルンバに躓いてたろ?だから『オレが見てない所でぶう子が転びませんように』とか…」
「え…?」
「あとは…先月、お前ちょっと風邪気味だったからな、『今年はぶう子がもう風邪をひきませんように』も良いな……」
(あれ……?)
大和が挙げ始めた願い事に、私は膨らませていた頬を元に戻すと、彼の横顔を見上げた。
「…あ、今朝ポストに投函した懸賞ハガキ!『沖縄旅行が当たって、ぶう子と沖縄に行けますように』も要るよな……」
(これって……)
これって……この彼の願い事って……。
「あー…でもやっぱ『佐伯達が勝手にぶう子に手を出しませんように』は重要だよな」
「大和……」
(…やっぱり………)
次々に出てくる大和の願い事の中に「何か」を感じた私は、僅かに鼓動を早めた胸の奥から、声を絞り出すようにして彼の名を呼んだ。
「それとも、もっと身近なことで、『月末にぶう子と見に行く花火大会が、晴れますように』くらいのが良いかな?あまり大きなこと願ってもだし」
「大和…」
「身近な事なら、『来週ぶう子と買い物に行った先で、ぶう子に似合うワンピースが見つかりますように』とかのが、現実的かな…?」
「…大和!」
「ん?なんだよ?お前が欲しがってたのって、ワンピースじゃなかったか?」
「ワンピースだけど、そうじゃなくて……!」
僅かに首をかしげている大和に、私は赤く染まりだした頬を気にしながらも、胸の奥で感じた事を、言葉にして彼に告げた。
「……大和の願い事って、どうして私のことばっかりなの…?」
「…………え?」
私に言われて初めて気づいたんだろう。大和は今の今まで自分が口にしていた願い事の数々を振り返って、はたとその事実に気付いた様子だった。
「………………」
一瞬、彼の目が泳いで、バツが悪そうにフイッと横を向いてしまう。
でも、直ぐに大和は視線を私へと戻すと、左手でそっと私の髪に触れて来た。
「…そんなの…………お前以外に、オレが願うことなんてねーよ」
「あ…………」
もしかして、そうかな………なんて、図々しい予想は、私の中にはあった。
でも、大和の言葉でちゃんと告げられると、凄く恥ずかしくって………凄く嬉しかった。
「……うん」
胸の内の喜びがそのまま表情となり、私の顔を緩ませる。
私が笑うと同時に、大和の表情もまた、フワリと甘く綻んで。
その嬉しそうな笑顔の、優しく笑んだ口元そのままに、大和は私の目尻に小さなキスを贈ってくれた。
「………で?お前の願い事は?」
そっと、私の目を覗き込みながら、大和が甘い声音で尋ねる。
私の願い事………そんなの、尋ねられるまでもない。
私はそっと大和の腕に擦り寄ると、彼の優しい瞳を見上げる様にしながら答えた。
「私だって、大和のこと以外ないもん。だから、『大和の願い事が、全部叶いますように』……」
「***……」
私の願い事に、大和は本当に嬉しそうに笑ってくれた。
私の願い事なんて、本当に大和のことしかない。
例えば、今の体系をキープしたいと思うのも、風邪をひかないようにしようと思うのも、うっかり転んだりしないようにと思うのも、全部、その先に大和の笑顔があるから…。
欲張りな私たちの願い事を、七夕のお星さまが、どれだけ叶えてくれるか分からないけれど、今もこれからも、こうして2人で笑っていられることを、最後に心の中で願って…。
「大和、今日の夕飯、何にしよっか?」
「七夕だしな…そうめんとか、冷やし中華とか、そういう涼しげなのにするか?」
「うん!いいね!」
「トッピングとか、星型にして飾ってやるよ!それっぽくしようぜ!」
「うん!!」
2人、顔を見合わせて笑い合うと、私たちは再び歩き出した。
ふと見上げた夕焼け空に、雲は無かった。
きっと今夜、織姫と彦星は1年に一度の逢瀬を果たせるだろう。
そんなことを思いながら、私は差し伸べられた大和の左手に、自分の右手をそっと絡ませた。
fin
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ここまでお付き合い下さり、どうも有り難うございましたvv
久し振りに書いたので、自分でも違和感ありありという…(汗)
完全にお目汚しで、失礼致しました。
そうそう!誓キスも2周年ですね☆
サイトの2周年コメント……どうやら私の投稿が採用されたっぽいです(^^;)
大和の2周年コメント……私の記憶違いでなかったら、私が投稿した台詞を言ってくれてます。
「骨抜きにしやがって」ってヤツです。多分。
なんかもう、何パターンか投稿したので、実は記憶が曖昧なんですが(爆)、
何はともあれ、ボルテージさん!採用して下さり、有り難うございます!!
ということで、今月は大和のお誕生月ですね♪
時間と気力があったら、また大和のお話を書ければな~と思っております。
……需要があるかどうかは、分かりませんけどね(^^;)