


東京大学の佐藤隆一郎教授らの研究チームは、「脂肪が多い人は新たな脂肪を形成しやすくなる」という研究結果を発表した。
肥満に悩む人はよく「水を飲むだけでも太る」と不満を口にするが、太っている人ほど太りやすいのはなぜだろう?
東京大学の佐藤隆一郎教授らの研究チームはこのほど、「脂肪細胞内に存在する脂肪滴は、中性脂肪を合成する遺伝子を活性化させ、この結果、より多くの脂肪滴が形成されるという悪循環に陥っているため、脂肪が多い人は新たな脂肪を形成しやすくなる」という研究結果を発表した。
脂肪滴は脂肪細胞の大部分を占めるもので、中性脂肪が主に蓄積されている。
これまでの研究により、脂肪細胞は脂肪滴を大量に形成し続け、これが脂肪の蓄積を招き、肥満の元になることが判明していたが、詳しいメカニズムが明らかにされたのは今回が初めて。
今回の研究は、脂肪滴表面タンパク質・ペリリピンを欠損させ、脂肪滴の数を減少させたマウスを用いて行われた。
その結果、脂肪生産過程で重要な役割を演じる転写因子SREBP-1が活性化されなかった。
一方、ペリリピンを遺伝子導入し、脂肪滴の数を回復させたマウスは、SREBP-1が活性化し、脂肪蓄積量も増加した。
研究者は「脂肪滴は脂肪の合成を促進し、脂肪が形成されると今度は脂肪滴が増加する。この循環がさらなる肥満をもたらすメカニズムである。この循環を阻止する薬剤を開発できれば、肥満の防止につながる可能性がある」との見方を示す。
2013/06/05
[米科学誌:PLoS ONE]