2023年は2年連続の最下位と言う屈辱を味わい、来季は巻き返しが求められる中日ドラゴンズ。
今オフは積極的な補強でチームの底上げを図っています。
4年連続でリーグ最下位に沈んだ得点力の向上を狙うべく、中田翔、中島宏之、山本泰寛、上林誠知らを獲得。若手の野手陣も台頭しつつある中で、実績や経験を持つベテランや巻き返しを狙う選手を加えてチームに変化を与えようとしています。
また今季不発に終わった外国人野手にもメスを入れると見られ、動向が注目されてました。
そんな中で12月22日、今季はメキシカンリーグや米独立リーグでプレーし、メジャー通算40発を放った実績を持つアレックス・ディカーソン外野手と契約合意したと発表しました。
【中日】左打ち外野手ディカーソン獲得。石川昂、細川、中田ら右打者とバランス取る左大砲(日刊スポーツ)
中日は22日、新外国人選手としてアレックス・ディカーソン外野手(33)を獲得したと発表した。米国出身で、左投げ左打ち、身長190センチ、体重104キロ。背番号は「94」。
今季はメキシカンリーグや米独立リーグでプレー。独立リーグでは107試合、26本塁打、91打点、打率3割1分4厘の安定した成績を残した。
メジャーでは15年から22年にかけてパドレス、ジャイアンツ、ブレーブスでプレーした。メジャー通算は339試合、40本塁打、132打点、打率2割5分5厘。ジャイアンツ時代の20年ロッキーズ戦では1試合3本塁打、2二塁打と6打数5安打6打点を放っている。また21年には大谷翔平から3打数3安打を放ちアピールした。
ディカーソンは「中日でプレーすることを、とても楽しみにしています。子供のころから、日本でプレーすることが夢でした。素晴らしい文化、歴史に魅了されています」とコメントした。
球団首脳は「左打者で1発もある選手を探していた。三振も少ない」と獲得理由を説明。中田、中島ら右の強打者を補強し、石川昂、細川ら右の大砲候補が居並ぶ打線でのバランスを鑑みた。中堅岡林、右翼細川に左翼固定が急務。大島、鵜飼、ブライトらとの定位置争いの刺激剤になる。
今回は中日が獲得を発表したアレックス・ディカーソンについて紹介します
メジャー通算40発をマークした左の強打者 今季は米独立で26本塁打、91打点を記録
アレックス・ディカーソンはアメリカ合衆国カルフォルニア州出身の33歳。左投左打の外野手です。
2011年MLBドラフト3巡目(全体91位)でピッツバーグ・パイレーツから指名されて、プロ入り。契約後に傘下1A-でプロデビューを果たした。
2012年は1A+でプレー。129試合打率.295、13本塁打、90打点、12盗塁を記録し、所属リーグの年間MVPを受賞した。
2013年は2Aでプレー。126試合打率.288、17本塁打、68打点、10盗塁を記録した。オフの11月25日に交換トレードでサンディエゴ・パドレスへ移籍した。
2014年はルーキー級・1A-・2Aでプレー。合計で41試合打率.317、3本塁打、26打点を記録した。オフには40人枠入りを果たした。
2015年8月6日にメジャー初昇格を果たし、同日の試合でメジャーデビュー。この年はメジャーで11試合打率.250、0本塁打、0打点を記録した。
2016年は5月にメジャー昇格。この年はメジャーで84試合打率.257、10本塁打、37打点、5盗塁を記録した。
2017年は椎間板ヘルニアの影響でシーズンを全休した。
2018年は左肘のトミージョン手術を受けた事で2年続けてシーズンを全休する事になった。
2019年は5月3日にメジャー契約を結んで昇格したが、6月5日にDFAとなり、同月10日にトレードでサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した。移籍後は58試合に出場し、合計で68試合打率.276、6本塁打、28打点、1盗塁を記録した。
2020年はメジャーで52試合打率.298、10本塁打、27打点を記録した。
2021年はメジャーで自己最多となる111試合に出場。打率.233、13本塁打、38打点を記録した。オフにDFAとなると自由契約となった。
2022年3月にアトランタ・ブレーブスと契約。しかし13試合打率.121、1本塁打、2打点と結果を残すことは出来なかった。オフにFAとなった。
2023年は開幕前に第5回WBCにイスラエル代表として出場。4月にメキシカンリーグのモンクローバ・スティラーズと契約したが、12試合打率.256、0本塁打、5打点に終わり、5月5日に自由契約となり、退団。
5月12日にアトランティックリーグのロングアイランド・ダックスと契約。115試合打率.314、26本塁打、91打点、OPS.965を記録した。
シーズン成績
上記はアレックス・ディカーソンのシーズン成績です。
今シーズンは開幕当時はメキシカンリーグの球団と契約したものの、結果を残せずに5月に退団。その直後にアトランティックリーグのロングアイランド・ダックスと契約を結びました。
ロングアイランド・ダックスでは115試合打率.314、26本塁打、91打点、OPS.965と好成績を残しています。
メジャーでは通算339試合打率.255、40本塁打、132打点、OPS.785を記録するなど長打力と言う点では能力があると言えます。
ただ来年34歳を迎えると言う年齢や今季は独立リーグでプレーしていたと言う点を踏まえると、NPBでどこまで戦えるのかと言う点が気になるところです。
ストレート系には好成績 打球角度なども指標も良好
上記はアレックス・ディカーソンの球種別成績・打球傾向です。
球種別成績を見ると、ストレート系のボールへの対応力は高いことが分かります。長打率やISOも高い割合を占めていますし、平均球速が落ちるNPBでも十分対応できるのではないかと思われます。
変化球に関しては緩いボールへの対応は課題が残りますが、一定の長打率は残せていますし、全く打てないという事はなさそうです。
打撃傾向を見るとフライ・ゴロ比率が1を切っており、フライが多い傾向にあります。事実打球角度は通算16.7とMLB平均を上回る数値であり、HardHit%やBarrel%もMLB平均を超えているなど強い打球を打つことは出来ています。
守備指標は厳しい数値 ある程度は我慢する必要がありそう
上記はアレックス・ディカーソンの守備成績です。
メジャーでは主にレフトを守り、通算242試合・1706.0イニングを守り、守備率.985を記録しています。
送球による貢献を示すARⅯは通算-10.7、守備範囲を示すRngRは通算-1.8、UZRは-12.7といずれもマイナスの数字を記録。年齢的な衰えもあると言えますし、守備における貢献は非常に難しいと言えます。
プレー映像
↑2022年のプレー映像
↑2023年のプレー映像
打撃フォームはどっしりとした構えの印象がありますが、インコースを責められたときに窮屈なバッティングになるのではないかと言う印象もあります。
ただ捉えたときの打球速度は中々の物があり、長距離砲とまでは言えませんが、一定数の長打は期待できるのではないかと言えます。
中日はチーム編成上右打者が多く、左の強打者タイプが不足している状況でした。年齢的にもピークを過ぎた可能性は捨てきれないもの、左右問わずに穴が少ない点も魅力があります。
チームの得点力不足解消に向けて活躍を期待したい1人です。