～疎外感や孤独を感じている人たちへ～

パソコン教室を営んでいる

和田基博（わだ　もとひろ）と
申します。

まだ私が30歳を過ぎた頃

取引先のオーナーだったY氏から

私のあなたの中だから

これから知り合っておくと良いとのことで

E氏、この人物がこの後の未来で

私を恨むようになるのですが、

紹介すると話があったのです。

その時は何も考えず

ただ誘われるままにE氏のお店、

お店といっても、だだっ広い空き地に

木材とポリカ（ポリカーボネート）の

波板スレートで組み立てた

掘っ立て小屋みたいなお店で

日中は鮮魚を販売し

夕方から立ち飲み屋みたいな

ことをしている人でした。

当時のE氏は、45歳前後で

私より２回りほど年上でした。

後ろ髪をゴムで留め、

チョンマゲといいますか

女性のポニーテールのような感じで

芸能人やちょい悪親父がするような

髪型でした。

彼と話してみると

独特の口調で、面白可笑しく

冗談みたいなことを真顔で話し、

独特の持論を持っている人だなという

印象を受けました。

まじめな、今考えると

自分が真面目かどうかは

疑わしかいのですが、

私としては、彼が真剣に話す内容は

自分はそんなことしないだろうと

いうものでした。

実際に彼が私に言ったこととして

「結婚してから嫁には

１円も渡したことがない」とか

「子供は嫌いだからつくらなかった」

などを度々私に話していました。

子供はつくらない主義は、

夫婦間のことなので

私がどうこう言うのは違いますので

これはこれで良いのですが

E氏の自宅に伺ったときのことでしたが、

居間に行く手前の座敷部屋の

ふすまの戸が開いていたので

何気なくそこに目をやると

立派な五段飾りの

ひな人形が飾られていました。

直感的に、ああ亡くなった女の子が

いたんだと思いました。

それをE氏が気づき

私に、「見たな」と言われたことを

思い出します。

それが真実かどうかはわかりませんが

夫婦間に子供に関して

何かあるのだろうとは

思いました。

独特の持論を持ち

客と良くディベートしていた彼は

言葉の端々から

まるで言葉の争いや戦争を

しているみたいに感じていました。

独特の自論を持ち、突拍子もないことや

それを自慢するのが好きで、

それを誰かれなく言っていたようで

そして最後には

自分は「理論武装している」から

負けないみたいなことを

いつも私に言うのでした。

とにかく酒を飲みながら

相談するものがいると

独自の理論を繰り広げて

会話するのが好きで

彼と付き合いのある人は

変わった人物だと

思われていたようです。

またそこが好きな人から見ると

魅力であったように

当時の私は、感じていました

E氏はやはり、小さな工事会社の

長男で当時は弟さんが

その会社を受け継いでいました。

学歴も高く、某国立大の出身で

そこでの経験は

遠洋漁業の船に乗った事だと

話してくれたことがあります。

その頃の話を

私にいろいろしてくれましたが

船でのロープの扱い方や結び方で

あったり、航海途中での恐怖を

感じた時のことや、収穫のときなど

とにかく強制的に従事しなければ

ならないことなど

面白おかしく話してくれたのを

覚えています。

面白おかしく上辺だけの

付き合いをするならE氏は

最高の人だったかもしれません。

彼のお店では、露天の店でありながら

自称「会員制」を名乗っては

いましたが一見さんは

おそらく寄り付かなかったのでは

また寄り付くというより

掘っ立て小屋みたいな外観から

来なかったのではと思います。

それに彼は

大人数で来られるのを

あまり好んでいなかったよう

でしたので料理やお酒の準備を

するのが面倒なようでした。

しかし彼の食材や料理の美味しさを

見抜く目は素晴らしく

私がそれまで食べたことがないような

もの、当時でもクジラは高級品となって

いましたので、クジラのベーコンや

ぶりカマ、当時は鮮魚店で見かけることも

あまりなかったのでおそらく捨てられていた

部位だと思いますが、

調味漬にしたものを焼いて出していたりと

料理に関しては満足のいくものでした。

料金も格安で

おそらく彼事態は儲けに関しては

ほとんどなかったのではないかと

思うほどでした。

私が思うに

E氏は鮮魚を販売したり、料理や

つまみを提供して商売することが

目的ではなく、

気に入った客と一緒に

カウンター越しに酒を飲むと

いうのが彼の楽しみでは

なかったのかと思いました。

E氏は元々実家の工事店で

働いていたそうですが、

彼の父が弟ばかり可愛がるので

辞めたと言っていたのを

思い出します。

弟には父からタクシー券を自分の

目の前でやっていたのに

俺にはくれなかったので

頭に来たから辞めたことを

話していましたが、

本当のところはわからず

彼なりののジョークだったのか

もしれません。

続きは次回以降アップしていきたいと

思いますので少しでも、

何か参考になったとか

興味があるとか

気が落ち着いたと思って下さると

幸いです。

過去に知り合った人物 その２

過去に知り合った人物　その２