枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

3/5に行いました令和3年3月定例月議会の会派を代表しての質問をまとめます。

 

「代表質問」とは?

 3月の定例月議会で行われる市長の市政運営方針に対し、市議会各会派を代表して行う質問のことです。

 

「市政運営方針」とは?

 市長が3月の定例月議会の冒頭で来年度の市の基本方針や政策についての姿勢を示すために行われる演説。

 

令和3年度市政運営方針

 

 

 項目が非常に多いので、分割してアップします。

 

 要旨 1「必ず乗り越える。コロナの先へ」について 
  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
     ⇒ 新型コロナ対策は近隣市と連携した取り組みを!

  2. 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に向けての取組について
     ⇒ 丁寧な情報提供と適切な接種勧奨を!

  3. スマートシティ化の取組について
     ⇒ スマートシティの根本はデータ。データは市民の資産。
      市民の利益になる活用を!

 

新型コロナ対策は近隣市と連携した取り組みを!

 

1.新型コロナウイルス感染症対策について

 

 

①ばんしょうの質問

 新型コロナウイルス感染症対策として、12月7日から約3カ月間、大阪府でもしなかった、近隣市でもしなかった、市関連施設の利用中止、市主催・共催イベントの中止を枚方市だけが行ってきた。
 市の公共施設が何のためにあるのか、図書館が何のためにあるのか、学校開放は何のためにやっているのか、改めて今回考えさせられた。例えば、小中学生は、学校だけが学びの場、成長の場ではなく、放課後も含めて、学びや成長があるのではないか。将来プロ野球選手、プロサッカー選手になりたいと思っている子どもにとっての3カ月間はあまりにも長かったのではないか。
 また、市として責任をもってやっていくべきイベント、例えば、枚方市駅周辺再整備の市民説明会、外国人のための1日相談会が中止になるなど、枚方市だけが閉じ続けたことについては、市民の権利を制限し続けたのではないか。
 これらのことについて、市長はどのような見解をお持ちか?

①市長の答弁

 この間の公共施設の利用やイベントなどの開催の中止・延期については、それぞれの目的や重要性については理解しつつも、本市や大阪府内での感染状況、病院の病床数の状況など日々刻々と変わる状況の中で、市民の命を守ることを最優先に判断してきた
 一方で、3カ月間という長い間、市民の様々な活動に不便が生じたということについては、しっかりと認識したうえで、今後も市民に寄り添った対応を行っていく

 

②ばんしょうの質問

 その一方で、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」いわゆる【感染症法】、および「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の一部が改正され、令和3年2月13日に施行された。
 今回の改正では、感染拡大の防止のために都道府県知事や保健所設置市長等の権限を拡大し、入院措置に応じない者や積極的疫学調査に対して拒否・虚偽報告をしたものに対して罰則などを盛り込むものとなっている。
 新型コロナウイルス感染症に関しては、罰則があることが、かえって対策の妨げになることもあるのではないかという意見もありますが、これについての市長の見解は?

②市長の答弁

 保健所が行う調査や療養の説明は、これまでも丁寧に行っており、今後も法の趣旨に則って適切に感染対策を行っていく。罰則を前提とした対応ではなく、感染者の個別の事情をしっかりと確認しながら、新型コロナウイルス感染症を正しく理解し、感染拡大防止に向け適切に行動をとってもらえるよう取り組んでいく

 

③ばんしょうの質問

 罰則の適用については、慎重にありながらも、法律で定められたものであり、市としては毅然とした態度も求められるのではないかと考える。
 今回のように未知のウイルスの蔓延時に適切な判断を行うには、政治に携わる一人ひとりが、問題意識を持って、感染症の人権課題について考えていかなければならないと考える。市長におかれては、昨年の我が会派の代表質問では、一人の政治家としての市長の見解を伺ったが、「感染症防止対策における人権のあり方について研究してまいります」と述べられた。
 今の研究の状況とともに、これまでの新型コロナウイルス感染症対策の取り組みにどのように反映されてきたのか見解を聞く

③市長の答弁

 感染症に対する差別や偏見は、無知によるものだけではなく、「目に見えないウイルスから自分や家族を守りたい」というような誰もが持っている動機から、それほどの悪意なく行われ、人を傷つけてしまうことがあるというところにも、怖さや対応の難しさがあるのではないかと考えている。
 これまでも、私自ら市民の皆さんに対してメッセージを送ってきたが、感染防止対策に今後も力を入れながら、引き続き粘り強く、市民に対して情報・知識をしっかりと伝えて正しい理解を促すなど、感染症がある中でも誰もが安心して暮らすことができるまちを目指していく。

 

ばんしょうの視点

緊急事態には、より市長の政治哲学が問われる!(正解はない)
このような緊急事態の対応後には、市長の政治哲学をしっかりと確認必要があります。
 大阪府でもしなかった、近隣市でもしなかった、市関連施設の利用中止、市主催・共催イベントの中止を枚方市だけが行ってきたことについて、「市民の命を守ることを最優先に判断してきた」とのことだが、枚方市民だけでなく近隣市にも影響がおよんだ副作用について、真摯に向き合わなければならないのではないかと考えます

枚方市には、北河内のリーダーとして近隣市と連携した取り組みが求められる!
 枚方市(人口約40万人)は、近隣市(寝屋川市:約23万人、交野市:約7.8万人、京田辺市:約7.4万人、八幡市:約7万人)の中では非常に大きな市です。今後、他市からの来訪者を増やしたり、スポーツツーリズムを確立したりし、地域活性化を図っていきたいとするならば、より近隣市と連携した取り組みを行うべきではないかと考えます。枚方市民は枚方市内だけで生活している訳ではありません。

様々なコミュニティや共同体への支援策の充実を!
今回の長期の市施設利用停止、必要なイベント中止で、危機的な状況に陥っている様々なコミュニティや共同体は、子どもに関わるものだけでなく、全市民に関わる課題なのではないか。多くの人は共同体に包摂されなければ、自分を保てないのではないでしょうか。このことは本市独自のコロナ対策の副作用であり、来年度に本気で取り組まなければならない。市長のいう市民に寄り添った対応として、今がなければ、未来がいないという視点で、様々なコミュニティや共同体への支援策の充実を早急に検討するよう要望する。

 

 

ワクチン接種には丁寧な情報提供と適切な接種勧奨を!

 

2.新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に向けての取組について

 

 

 
①ばんしょうの質問

 4月から高齢者を中心に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートする。本市は、これまで、近隣他市と比べても強い感染対策を実施してきましたが、このワクチン接種は、これまでの対策とは比べものにならない効果の高い対策だと考えられ、感染症まん延防止の上で、大きな役割を果たすと考える。
 新型コロナウイルスワクチンの接種をどのように進めるのか?

①市長の答弁

 新型コロナウイルスワクチン接種については、これまでの海外の臨床結果から、感染のまん延防止への効果に期待を寄せているところであり、国から供給されるワクチンを市民の皆様に円滑に接種していただくことが市の責務と考えている。そのためには、ワクチンについて正しく理解した上で接種していただけるよう、ワクチン接種に係る情報を積極的にわかりやすくお届けしていく

 

②ばんしょうの質問

 今回のワクチン接種は、医療機関での個別接種と公共施設での集団接種の併用で実施されるということだが、介護施設等に入所されている方への接種は、どのように進めていかれるのか?

②市長の答弁

 高齢者等の入所施設でのワクチン接種については、施設を訪問しての接種も含め、接種希望者が円滑に接種を受けられるよう検討している

 

ばんしょうの視点

限られた供給量のワクチン接種の順番、方法は、公平な考え方で!
 希望される方に円滑に接種してもらうことが市の役割とのことですが、ワクチンの供給量が十分でないようだというも報道されている。ワクチン接種の順番、方法について公平な考え方で実施されるよう要望する。

高齢者や障がいがある方にも丁寧な情報提供と適切な接種勧奨を!
 ワクチンの情報提供については、くれぐれも高齢者や障がいがある方にもしっかりと行い、適切な接種勧奨を要望する。

 

 

スマートシティの根本はデータ。データは市民の資産。市民の利益になる活用を!

 

3.スマートシティ化の取組について

 

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①ばんしょうの質問

 本市におけるスマートシティ化についての意気込みは市政運営方針から感じた。さらなる市民生活の質の向上を目指し、進めていかれるとのことだが、その対象は健康、福祉、教育、子育て、都市インフラなど広範な分野にわたるものと考えられ、それぞれがスピードを上げて進むことが望ましいと思う一方で、これらが統一感なく進むことになると、効果的・効率的な市民生活の向上につながらないのではないかと懸念するところです。このような考えから、市全体として、統一感のある方向性をもって進めていく必要があると考えるが、市長の見解は?

①市長の答弁

 本市のスマートシティ化については、電子申請をはじめとしたスマート自治体の取り組みと、公民連携プラットフォームなどを活用した民間事業者との連携による様々なサービスにおける実証的な取り組みを軸に進めていきたいと考えている。これらは、個々の取り組みがそれぞれの目的にとどまらず、施策間の整合等を図りながら、より効率的・効果的に市民生活の質の向上につながるよう取り組んでいく

 

②ばんしょうの質問

 民間事業者が積極的にまちづくりに参画するためには、データを活用しやすい環境の整備が不可欠であり、ICTが進化した現代において、データの利用価値はますます高まり、市民の資産としてより一層活用される必要がある。
 このような点から、現在取り組んでいただいているオープンデータの取り組みについては、さらに力を入れて進めていく必要があると考えるが、市長の見解は?

②市長の答弁

 スマートシティ化の取り組みを進めるにあたっては、データの利活用は大変重要であると認識している。そのような点からも本市のオープンデータのさらなる充実に向けて、引き続き取り組みを進めていく

 

ばんしょうの視点

スマートシティ化の取り組みには歓迎!
 データを根拠として政策、施策の企画、立案が行われることは期待したい。ただ、そのように枚方市の行政担当者が急に使えるかどうかは未知数です。

スマートシティの根本はデータ。データは市民の資産。市民の利益になる活用を!
 データの見方には注意が必要です。因果関係が間違った施策は今もあるように思います。例えば、「朝ごはんを食べてくる子どもは学力が高い⇒だから朝ごはんを食べるようにしてもらおう!」といったことです。データを用いた施策立案には、透明性や信頼性がより問われるのではないでしょうか。また、そもそも「行政情報は住民の財産で、原則公開すべき」という観点も重要です。

行政データの公開(オープンデータ)で新たな需要を!
 今後、データは街の活性化にも活用可能だと考えます。市民の財産を市民の利益として活用できるよう、目的感を持った強力な取り組みを要望していきます。

※今回は発言しませんでしたが、個人情報の保護は当然のことです。

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 令和3年度市政運営方針の最初「必ず乗り越える。コロナの先へ」には、ウィズコロナ、アフターコロナについての市の考えがまとめられていました。私の会派としてはコロナ対策についての市長の考えを質す必要がありました。市民としてどう捉えるかはそれぞれだとは思います。過去は取り戻せませんので、副作用についてはしっかりと手当する必要があると考えます。また、今後の市の戦略の中では、スマートシティ化について意見提言しました。データを公開していくことで新たな価値を見出すことができないか。私達の資産活用となることを願っています。一人ひとりの今も未来も笑顔にしたい!との思いで、今後のコロナ対策については、積極的にフォローして参ります。

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