枚方市議会議員ばんしょう映仁です。

 枚方市議会は、12/4に全員協議会を開催し、終日に亘り、「枚方市駅周辺再整備について」12人の議員が理事者に質問しました。私も11番目(最後から2番目)に質問の機会をもらいました。

 

 

 この全員協議会での他の議員の発言を含む内容については、別のブログ記事に掲載しました。

 

 今回は、何を聞き、何を伝えたかったのか、その内容の要旨をお伝えします。

 

 

「枚方市駅周辺再整備事業」の真目的は?

10年後、20年後の枚方をイメージし、誇りある街に!

ばんしょうの質問①

 改めて整理したい。この「枚方市駅周辺再整備事業」は何のために行うのか?2030年代の枚方市をどのように変えるのか?それは、何もしなかったときとどのように違うのか?

 

市の答弁①

 現在の枚方市駅周辺において抱えている課題として、本庁舎を含め老朽化した建築物や一般車両の通過交通による駅前広場の交通混雑に加え、少子高齢社会などへの対応を見据えた新たな賑わいの創出などまちの発展に際して課題があると考えている。

 そうした課題に対応するため、枚方市駅周辺の地域資源を活かし枚方らしさを創出し、まちの魅力を高めていくため、枚方市駅周辺再整備ビジョンに基づく「広域駅前拠点」「まちなか交流拠点」「生活サポート拠点」「安心・安全の拠点」を形成し、様々な交流や定住の促進を目指している
 また、例えば、新たな施設でAIの活用による効率的なエネルギー管理や一定のエリア内での自動運転自動車の実用化など、今後、未来都市の実現に向けて具体化を図るために実証実験の検討をまちづくりとあわせて行っていく。  

 

ばんしょうの質問②

 この事業により、雇用は生まれるのか?今まで通り2030年代も枚方市の雇用は、大阪市や京都市などの市外を中心に考えられているのか?

 

市の答弁②

 再整備基本計画では、再整備により民間活力導入エリアやその周辺において新たな雇用の創出を目指しており、新型コロナウィルス感染拡大による急速なテレワークの普及も踏まえ、テレワーク機能のあるサテライトオフィスの誘導や公園・広場などを活用した新たな事業機会の創出など、「職・学・住・楽」近接のライフスタイルの実現を目指す。また、市駅周辺再整備完了後の効果として、新たな雇用者数として約2,000人の増加を見込んでいる

 

ばんしょうの質問③

 2030年に達成することを目標としているSDGsには、当然取り組んでいく必要があると考える、またSDGsのゴールを示すことは市民との合意形成においても必要なことだと考えるが、基本計画ではどのように表現しようとお考えか?

 

市の答弁③

 議員ご指摘のとおり「持続可能な開発目標(SDGs)」については認識している。今後、各街区のまちづくりを具体化していく際には、SDGsを意識しながら、目の前の課題解決だけの視点でまちづくりを進めるのではなく、長期的かつ多角的な視点を持って進めていく必要があると考える。

 

 

 

 

 

 

 

「市役所新庁舎」に必要な機能は?

コストへの工夫とともに、防災・環境性能には先進性が求められる!

ばんしょうの質問①

 新庁舎の執務スペースの考え方については、③街区への窓口移管、デジタル化による電子申請の推進により、現庁舎と比べて、市民が新庁舎に出向いて手続きすることは減っている(減らせている)だろうが、それを見据えた構想になっているのか?加えて、今、民間では固定の自分の座席がない職場が増えているが、新庁舎の執務スペースでは、そのような様々な変化に対応できる設計思想になっているのか?

 

市の答弁①

 コロナ禍に伴う電子申請等にも対応するなどの環境整備を目指しており、効率的で機能性に優れた庁舎を実現するため、今後のICTの発展やその活用などによる行政サービスの向上や職員の効率かつ快適な執務環境を確保することや、機能的で柔軟性を備えること将来の行政需要の変化に柔軟に対応できる諸室配置とするなど視点を持って新庁舎整備を目指す考え。

 

ばんしょうの質問②

 新庁舎の防災性能・環境性能について、例えば、横浜市役所新庁舎はベイエリアにあることから、地震による津波の対策として、機械室を4階に設けたり、7日間の非常用電源、飲料水、トイレ洗浄水の確保や市民の避難デッキを設けるなどの防災機能が施されています。また、環境性能についても自然通風、太陽光発電、地中熱を利用した輻射空調など、自然エネルギーを積極的に活用している。

 環境性能について聞くが、今年2月に2050年CO2排出量実質ゼロを宣言した枚方市の割には、示されている環境への優しさが足りないように感じられる。新庁舎において達成すべき環境性能はどのように考えているのか?

 

市の答弁②

 環境に優しい庁舎の実現に向けて、太陽光などの自然エネルギーの有効活用や、省エネルギー設備の導入などにより、環境負荷低減に資する庁舎を目指すとともに、庁舎や敷地内の緑化を整備することにより地球環境に配慮した庁舎を目指す。

 

ばんしょうの質問③

 新庁舎の執務スペースは抑制していきたいと示されていますが、議場のスペースはどのようになっているのか。議場の新たな活用方法の検討など、どのように進めるものなのか?

 

市の答弁③

 議会機能では、傍聴など市民の市政参画を促し、意思決定を図る場にふさわしい空間の整備を目指しており、その活用については、他市の活用事例等も踏まえ議会のご意見を聴きながら運用していく必要があると考えている。

 

 

 

 

 

 

ばんしょうの視点

2030年代の枚方の姿をしっかりと描き、市民と共有すべき

 今回の枚方市駅周辺再整備計画では、今現在の枚方市の延長上ではなく、10年後、20年後の社会がどのようなものなのか、私たち市民の暮らしのイメージはどのようなものであるかを市として示し、そこを見据えプランとなっていてことが、合意形成していく上で重要なことだと考えます。

 また、注目されるこの計画の中で、誰ひとり取り残すことなく、持続可能な社会を目指すSDGsの取り組みを具体的に市民に示すことは、高い次元での市民との合意形成に繋がると考えます。今回は、示せない、示さないというのは残念でなりません。更に、新庁舎の環境性能については、2050年CO2排出量実質ゼロ宣言が意識されていないようでした。何のためにこの枚方市駅周辺再整備事業があるのか、どのような枚方市を創っていくのか、どのような覚悟で取り組んでいくのか、まだまだ総合的な庁内議論が足りないのではないでしょうか。

 

「民間活力」という言葉でなく、市の責任と覚悟と戦略が感じられる言葉で語るべき
 特に④街区については、「民間活力で」という言葉での答弁ばかり。行政として、ひとごとで当事者意識が感じられない印象を受けました。特にこの地域は大ホール、昔の結婚式場を含む市民会館、保健所、現市役所庁舎など市の虎の子の土地であり、市民の思入れもある土地です。市は、どれだけの責任と覚悟と戦略を持って、進めていこう考えているのか、言葉を大切にしっかりと伝えるべきです。

 

事業の目的は「未来への投資」、「リターン」をしっかりと意識すべき

 今回、行財政改革により今後年間10億円の財源を確保していくことも示されました。この枚方市駅周辺再整備を進めるために、取り残される市民がいるのであれば、この事業計画への市民の合意は、得られないのではないでしょうか。
 私もこれまでも、「この事業は投資ではないか」と言ってきました。今も同じ考えです。リターンが伴わない投資はありえません。今回の資料では、リターンとしての税収効果は、20年間で約40億円。それに対して、市負担額約227億円、私有財産の活用約87億円、国費約144億円、そして、その中では、市として年10億円の新たな財源確保が迫られている。これは、ハイリスク-ノーリターンとしか感じられない投資計画です。
 未来に財産を残す、市民の笑顔を最大化する計画にブラッシュアップし、未来志向で、できる限り多くの市民との合意を得て進めて行くことを求めました。

 

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 これまでもこれからも枚方市は暮らしの街です。今の私たちの暮らしにも、未来の暮らしにも寄り添った計画になるよう、SDGsの理念も加えて更に検討を重ね、市長の言葉で言えば「誇り」が感じらられる計画に、今回の全員協議会での議論により、変わっていくこと期待し、引き続き求めていきたいと考えています。

 ただ、そうは言っても、枚方市役所は本館は1960年完成(既に完成から60年)、別館は1969年完成(既に完成から51年)の建物です。防災含め、建替えを進めなければならない状況です。「一人ひとりの笑顔のために!今も未来も」今後も引き続き取り組んで参ります。