「え⁉」草野女史は本気で驚いた様子でした。「何でですか?昨日お見積もりしてもらった探偵事務所では旅費は必要だと言ってましたよ。」

 

「うちは、必要ないです。」

 

「本当に?」草野女史は続けます。「その探偵事務所では、飛行機乗っている間も調査員を拘束するから時間で費用がかかるって言ってましたよ。」

 

「本当に?まず、それはあり得ないでしょう。」相談員が言いました。「飛行機に乗っている間って、バンコクまで約6時間かかりますから、そんな馬鹿な話はないでしょう。」

 

「そうなんですね。何せ、こういうの初めてなんで、そういうものかと思ってました。」

 

「確かにそうですよね。」そう言って相談員は説明を続けました。「うちは日本から調査員が行くわけじゃなく、現地のバンコク支局に日本人の相談アドバイザーと、日本人の調査員がいますので日本から行く必要がないんです。」

 

「そうなんですか。」

 

「はい。日本の本部でもフォローしますし、草野さんとバンコクの相談員とスカイプやラインやメールなどで直接やりとりができます。ご心配であればスカイプなどのテレビ電話でも相談員の顏を見て話ができます。」

 

「それで旅費がかからないわけですか。」

 

「はい。タイ人の調査ではないので、ご安心でしょう?調査力もかわりませんし、それ以上に現地に精通してますから、より安心です。」

 

「という事は…」草野女史は言いました。「調査料金だけ?」

 

「はい。そういう事になります。」と相談員はニコリと笑いました。

 

その後、ご契約を交わして本部で指示書を作成し、バンコク支局員に送信…

 

そして、依頼者草野女史がバンコク支局の相談員とさらに綿密な打ち合せをして、調査を実施しました。

 

ご主人の出張は本当でした。そのため仕事が終わって、宿泊先に戻ってからの夕方5時頃からの調査となりました。仕事中にむやみに尾行しても無駄ですし、なによりも費用が勿体無いからです。

 

ご主人は毎日18時過ぎにホテルから出ると、バンコク在住の日本人と思われる男性と日本居酒屋で食事をしたり、一人でタイレストランに行く事もありました。毎日、夕飯の場所は違いましたが、食事の後に行く場所はいつも同じでした。

 

バンコクの電車BTSアソーク駅近くにある『ソイカウボーイ』という歓楽街です。ここは有名な『ゴーゴーバー』がある場所です。ご主人はその歓楽街の中にある某ゴーゴーバーに毎日行きました。ゴーゴーバーに入ってビールを飲む事は特に問題はなく、そういう人もたくさんいます。ところが、彼は違いました。この後の事は、タイ王国がそういう国だと誤解を招く事となりますので詳細は省きたいと思います。

 

いずれにしても、ご主人が『不貞行為』をしていた事が確認され、バンコク支局から草野女史に調査報告書が提出させて頂きました。今回のようなケースは結構多いかも知れませんね。(合掌)


東京国際調査事務所バンコク支局