櫻井和夫個展

「この雨に麝香揚羽(ジャコウアゲハ)は飛んでくるか」

 

7月31日(木)~8月5日(火)

11:00~19:00(最終日は17時)

 

 

入場無料

国立・ギャラリービブリオにて
    国立市中1-10-38  042-511-4368



 

 

 

櫻井和夫さんはかつて桜井和生名義で「刑事コブラ(内山まもる画)」「以蔵-IZOU(岡崎つぐお画)」「劇画 織田信長(たかださだお画)」等、数々のエンターテインメント作品を手掛けてきたベテランの劇画原作者です。

 

 

 

現在は上州の秘境として知られる南牧(なんもく)村のアトリエで画業に専念しています。今般、当ギャラリービブリオで個展を開催されることとなりました。

 

 

展示作品の一例

 

 

 

 

アクリル、墨、木版、銅版など、多様な技法を用いた約30点の作品が並びます。いずれもモノクロームを基調としながら、随所にあらわれる鮮やかな色彩が強い印象を残します。モチーフは人物や顔貌、抽象形態など多岐にわたりますが、通底するのは「自己の内的世界の探求」と「神秘への憧れ」です。描かれたイメージは明確な物語を語りすぎることなく、観る者に解釈の余白を残します。静謐でありながら、どこか心をざわつかせるような——しかし最終的には深い安らぎを与えるような——不思議な余韻を湛えています。

 

 

展覧会タイトルは《この雨に麝香揚羽は飛んでくるか》

 

 

「麝香揚羽(ジャコウアゲハ)」をご存じでしょうか。日本を含む東アジア一帯に生息する大型の蝶で、艶やかな黒い翅を開くと10センチを超える個体もあります。

 

 

 

 

この蝶の生態上の特性はその「毒性」にあります。幼虫はウマノスズクサという有毒植物を常食とし、体内に毒を蓄積して捕食者から身を守ります。毒によって直接攻撃するのではなく、一度食べた捕食者が激しい中毒を経験することで、それ以後は忌避される——という“記憶”に訴える防衛機構です。

 

また、ウマノスズクサを求めて長距離を飛行することでも知られています。この蝶が「雨の中を飛んでくるか」と問う本展のタイトルには、荒んだ現実世界(=雨)に、なおも理想や希望(=麝香揚羽)が現れることを願う心が込められているのかもしれません。

 

この表現には、安西冬衛の詩「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った」への返歌の意図も感じられますが、同時に、毒を抱えながらもなお美しく、遠くからやって来る麝香揚羽を「イデア(理念)」の暗喩と捉えるのは考えすぎでしょうか。——すなわち、傷つくことを知りつつも、なおそれを希求してしまう私たちの姿そのものです。

 

 

この問いの答えは、きっと展示室に展開される作品群の中に見つかるはずです。

 

 

 

 

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櫻井和夫個展
「この雨に麝香揚羽は飛んでくるか」


7月31日(木)~8月5日(火)
11:00~19:00(最終日は17時)

入場無料
国立・ギャラリービブリオにて
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老生の昔語り。編集者時代に謦咳に接した作家の想い出について書いた「昔日の一葉」。

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