嘘のような本当の出来事。

 

まさに仰天体験を備忘録として残しておこうと思う。

 

この話は数年前のことだ。

 

伊勢佐木町の交番近くにあるマンションの二階部分にある一室で営業していたマッサージ店でのことだ。

 

ここはマッサージ店として使われていたのだが、一階のマンションの入り口には看板があるものの二階の部屋には看板らしきものは一切なかった。

 

半信半疑のままチャイムを押した。

 

中から出てきたのは20歳そこそこの若い女だった。一見しては中国人とは解らないくらい日本人化していた。おそらくは両親が日本に在住する中国人でその子供なのかもしれない。

 

流暢な日本語を使いこなしていた。

 

服装は普通の部屋着だった。

 

ここがマッサージ店なのかの確認をすると女性は質問を肯定すると僕を部屋に招き入れた。

 

マッサージの内容を確認する意味でも初見の店では一番基本のコースを頼むことにしていた。

 

女性はもう少し上のコースにしないかと提案してきた。

 

しかし、ぼくはまた来ることを条件に一番安い基本コースにこだわった。

 

女性は僕をシャワーに案内した。

 

シャワーが終わって部屋に戻ると女性は部屋着から黒のセクシーなドレスに着替えていた。

 

その時初めて知った。女性は胸が大きかった。おそらくはFよりも大きかったと思う。

 

そして、また同時にかなりの美人でもあった。

 

ぼくはこの店の全容を知りたかった。

初めは、僕はこの店を疑っていた。

 

おそらくは健全でタケノコなのではないだろうかと推察していたのだった。

 

そんな僕をよそ目に女は僕を床へ案内した。この部屋は真っ暗だった。しかし、かすかな明かりから部屋に生活感があることも同時に気がついた。

 

ここで住んでいるのか?

 

よく住み込みでマッサージ店で働いているのはよく見かける。しかし、それはまずはマッサージ店としての店があってその上でマッサージ部屋の一つを借りて住み込んでいるようなタイプだ。

 

しかし、ここはまず生活の場所としての部屋として使っていて、その上で客を入れて営業しているようなそんな感じがした。

 

さらに、もうひとつ異常なことがあった。それはその部屋に、おそらくはそこに住んでいるのであろう男性の姿があったのだ。

 

初めは暗くてよく部屋の中の様子がわからなかったのだが、確かに男性の姿がそこにあった。

 

別の客とかという雰囲気ではなくて、まさにその部屋の住人であった。

 

初めはさすがに躊躇したのだが、男性は至って冷静に座っているだけで微動だにする様子もなかった。

 

テレビもラジオも見聞きせずにそこにただ座っているだけだった。

こちらを見でもなく、話しかけるでもなく、女性に指図するでもなくただただそこに鎮座するだけだった。

 

女性はそのことには全く触れずに、僕を床につかせるとマッサージを始めた。

女性の旦那さんなのかなとも思ったのだが、女性はそんなことには全く気にもせずに施術をしていた。

 

女性が少し席を立つタイミングでもう一度女性のことを観察してみた。

 

女性は美しかった。そしていまにもはち切れんばかりのバストが目についた。

 

僕はつい言ってしまった。

「おっぱい大きいね」と、おそらくはかなりボソッと言ってしまった。

だから、女性は聞き取れないかなと思ったのだが、女性はその言葉に気を良くしたようだった。いろいろとそのことについて話し出したのだった。

 

女性は席を立ってタオルを取ってくると言っていたのだが、その足を止めて僕の方に歩み寄ると胸が大きいことのいろいろな悩みごとを教えてくれた。

 

中でも大きいと重くて肩が凝るというと、女性は胸をはだけると、ぼくに触って下から持ち上げてみてほしい言った。

 

彼女が言うようにかなり大きくて下から持ち上げると重くもあった。

 

女性の乳房を見るとかなり興奮を覚えた。

 

女性は言った。夏場とか男性から胸に視線を感じると下の方も濡れるのだと、ジーパンを履いていても、ジーパンがビショ濡れになるほどの液量だという。

 

女性は続けて言った。今もかなり濡れているから試してみてほしいと。

 

女性は確かにかなりの状態になっていた。十分な潤滑油のおかげでぼくの指が何の抵抗もなく女性の奥まで侵入できしまった。

 

女性は僕堅くなったものに興味津々でのぞき込むようにしてジッと凝視していた。

 

その女性の仕草を見ていてたまらず、押し倒してみた。

 

女性は抵抗しなかった。それどころか自ら身を開く姿勢をとっていた。

 

しばらく夢中だった。そばに男性の姿があることも忘れていた。女性は悲鳴にも近い喘ぎをあげていた。

 

女性の喘ぎを途切れ始めると別の音を感じ取った。

 

何かと思ってその音の方を見ると、そのマッサージをしている床を挟んで籐の敷居があるのだが、その先から男性がこちらを見ていたのだった。そして自慰行為に及んでいた。

 

僕はついにその全容に気がついた。

 

世の中には自分のパートナーを寝取らることに性的興奮を覚える性癖がある人種があることを思い出した。

 

大久保などのラブホテルにはドアを開けて待機しているカップルや、

ホテルの部屋の中で別窓がありその窓を開けておくと隣の部屋のカップルと交流ができる部屋があるらしい。

 

新宿の有名なラブホテルだと客が一杯だと待ち時間が発生して待合室で一緒になったカップル同士で見せ合って待合室で事をなしてしまうと聞いたことがある。むしろそのためにわざと繁忙期に訪問してそのようなことを繰り返しているカップルがいるとも聞く。

 

世の中にはそんな性癖のある人物が確実に存在するわけだが、つまりこのマンションの住民であるこの男女にはそういう趣味があり、ぼくはその出汁になってしまったわけだ。

 

でも、まぁ女性は美人でグラマーだったのでよかったような、運が悪かったような複雑な思いだった。