雪はなかったが、前節は少し軽めの馬場。
12月23日のノエル特別(B1-1)は、チャチャクイーン(牝4、大橋)が番手から抜け出すとそのまま押し切り、特別戦初勝利。障害の腰の入りが良かったし、終いも我慢。クラスが上がって特別が続いているが、三戦とも好内容で、非常に充実している。デキも良いのだろうが、地力が確実に上がった印象。

珍しいオープンの平場が組まれている開催で、12R(オープン-1)は四開催ぶりに登場したメムロボブサップ(牡7、坂本)が順当勝ち。テンから走り、道中は無理せず刻み、下りてからあっさり。今さら内容をどうこう言うものではないが、次開催1月2日の帯広記念へ向けて上々。
2着コマサンエース(牡7、金田)はいつものようにテンは遅かったが、追って追って押し上げ、第二障害も直行。ノンストップで末までしぶとく歩き、デキに関しては文句ないし、今季は重賞で善戦。帯広記念も楽しめる。
3着ツガルノヒロイモノ(牡4、長部)は前走より展開が厳しくなったが、障害すんなり、終いわずかに緩んだとはいえ内容的には不満なく、1月3日の天馬賞へ向け、とにかく順調。
4着ヘッチャラ(牡4、鈴木)は下りて切れ負けするのは想定通りだが、障害の上がり方が良かったし、二度叩いて万全のデキで天馬賞に臨めそう。次はもっと強く出るだろう。
5着キングフェスタ(牡4、小北)は積極的に前へ。もっと慎重に構えるかとも見ていたが、平場の荷物なら、との思いもあったか。ただ、二走前のドリームエイジC同様に障害の中腹で止まり、大きく手間取った。11月に復帰後の四戦で、三度までも障害で乱れている中で、三冠の懸かる天馬賞を迎える。

24日のホワイトクリスマス賞(A1-1混合)は、前付けでも障害をまとめたヤマノコーネル(牡4、今井)が下りて抜け出す快勝。夏以降の成長が大きく、近走はデキの良さも目立つ。増量となる天馬賞ではやはり障害がカギとなるが、終い歩けるだけに追い比べに持ち込めれば面白い。
2着ダイヤカツヒメ(牝4、久田)は障害スムーズ、下りから速い脚を使い、勝ち馬に追い負けたとはいえ自身も末までしっかり歩いた。もうデキは戻ったと見て良さそう。
3着シンエイアロイ(牝4、久田)は障害トップ抜けから粘り込み。上位二頭とは決め手の差が出たが、自身も十分な内容で、引き続き好調。
9着ホクセイウンカイ(牡4、松井)は障害でモタつき、そのぶん下りてからも脚を使えず。ここまで崩れるとは予想外だったが、修正にはそう手間取らないだろう。

12R(オープン-2)は7着までが3秒差に収まる激戦となったが、コマサンブラック(牡7、金田)が抜け出して連勝。今季はデキが整わずに苦労したが、12月以降に4勝した昨季同様に上向き、もう本調子。二年連続で見せ場を十分に作っている帯広記念に、今季も挑戦。
2着クリスタルコルド(牡4、西)の近走は、障害のカカリも下りてからの脚も良く、秋以降の上昇顕著。天馬賞では増量がカギとなるが、ここまでのデキで重賞に臨めるのは昨夏以来と言って良いほど。
3着ミノルシャープ(牡9、大友)は、障害天板で我慢してなんとか一腰から流れ込み。いくらか力が落ちているのは否めないが、今回は末まで緩まずに歩いたし、デキも内容もずっと悪くない。
4着コウテイ(牡6、槻舘)にとっては、平場で時計も速く、適した条件ではなかったが、ジワジワとよく歩き2秒3差。使いつつ確実に良くなってきた。
5着キョウエイリュウ(牡6、村上)は障害一腰、終いもまずまず歩き、久々にピリッとした内容。平場の軽馬場だったとはいえ、浮上の切っ掛けとなるか。
6着シンエイボブ(牝9、久田)は久々に障害一腰。三開催後1月28日のヒロインズカップへ向け、良いリズムを作っていきたい。
7着カイセドクター(牡6、坂本)も障害スムーズで、下りて差を詰めた。馬体は戻ったほうが良いだろうが、使いつつ上向けば。

25日のカトレア特別(A2-1混合)は、B1格付のタイタス(牡4、金山)が障害すんなり、下りからの速い脚で抜け出して特別戦初勝利。前めで障害に付けて、下でタメるパターンが多いが、渡来心路なりの感覚なのだろう。今回は軽馬場も良かったとはいえ、終いもよく歩いた。特別経験が増える今後、まだ成長が見込めそう。

28日に行われた軽量戦の第13回地吹雪賞(選抜)は、サクラヒメ(牝5、今井)が45秒5で快勝。テンは存外行けなかったが、道中でスピードに乗ってからの走りは圧巻で、適性の高さとデキの良さを示した。3月4日の本戦スピードスター賞でも有望だろう。
2着ブラックサファイア(牡6、長部)は、障害に気を遣う必要がないこの条件だと身体能力の高さがフルに活きる。本戦も上位争いに。
3着ヤマカツエース(牡4、金田)は初挑戦でも適性を示したが、天馬賞前のひと叩きといった意味合いも強く、馬体を戻して一本走らせ、大勝負へ。
4着ゴールドハンター(牡6、金田)は45秒台までなると時計が足りない印象だが、これで一般戦の障害良化が期待できる馬。次走注目。

12R(A1-2)は、障害を5番手で下ろしたマルミゴウカイ(牡10、松田)が決め手の違いで抜け出して快勝。これでオープン再昇級、荷を積んだ際には流れが落ち着いたほうが良いが、もとより重賞7勝の実力馬、追い比べになれば引けを取らない。

29日の2R(2歳D-2)において、サウスカツヒメ(牝2、西)が馬装不備(わらび型破損)のため第二障害手前で競走中止するという事案が発生。管理する西弘美調教師には、翌日から開催四日間賞典停止の処分が下された。
馬装不備という、レース中の馬や騎手に起因するものではない競走中止というのは、これまでも例があるが、本来は絶対にあってはならないこと。以前にも書いたことがあるが、馬券になり得ない状態で出走している馬の馬券を売っていることになってしまうのが問題。
たとえば天馬賞で(同厩舎の)クリスタルコルドが馬装不備で競走中止した場合に、馬券を買っているファンは納得できるのだろうか。
百歩譲って、事前に破損の可能性を判断することが難しいのだとしても、明らかに馬装不備によるもの、と認められた場合には、馬券返還まで為されるべきと思う。

30日の '23ファイナルカップ(B2-1)は、B2だけに特別経験の少ない馬の組み合わせだったが、先に障害を下ろしたホクセイキムタク(牡3、金山)が終いまでしぶとく歩いて特別戦初勝利。今季はB4スタートだったが、ばんえい大賞典にも出走するなど経験を積み、確実に地力を上げてきた。さらに荷が増える今後も良い経験となり、まだまだ成長が期待できる。

30日の勝馬投票券発売金額は819,581,700円と、昨季同日の753,128,900円を上回り、ばんえい競馬史上最高発売額を更新。
もちろん目出度い話なのだが、裏を返せば、前週は半数ほどしか参加していなかったことになる。そのあたりに基盤の脆弱さも感じてしまうのだが、こんなことを言えるほどに売上が増加したということ。


中二日で迎える、というか明日からの次開催ですが、いきなり1月2日(火)に第46回帯広記念(BG1)が行われます。強豪激突の古馬G1、現在のばんえい競馬を代表する一線級が揃う、最高の一戦です。
翌3日(水)には、4歳シーズン三冠の最終戦、第17回天馬賞(BG1)が行われます。キングフェスタの三冠成るかに注目ですが、ハイレベル4歳による激戦が見られそうです。
次開催より薄暮開催となり、発走時刻が一時間ほど早まります。また、後節は7日(日)からの日月火開催となりますので、ご注意ください。

2日には、川崎競馬場でばんえい競馬に関するイベントが開かれ、帯広から四年ぶりにPR馬ハクウンリューも行きますので、お近くにお住まいの方には、ぜひとも足を運んでいただきたいと思います(※事前に入場券のネット購入が必要となるようです)

と、盛り沢山でバタバタと迎える新年。
それでは次開催もお楽しみにラブラブ