(元記事)
https://gizmodo.com/how-a-tiny-flightless-bird-ended-up-on-an-island-in-the-1830188012  by Ryan F. Mandelbaum  Nov 2 2018

 

(内容)

 

An Inaccessible Island Rail Photo: Martim Melo

 

南大西洋に浮かぶマンハッタンの半分くらいの島は絶海の孤島であり、Inaccessible Island(アクセス不可能な島)と呼ばれている。この島には、Inaccessible Island rails と呼ばれる6千羽近い小鳥が棲んでいる。彼らは飛ぶことができない。この島ができたのはわずか数百万年前。いったいどうやって彼らはこの島へ辿り着いたのか?

 

新たな分析結果がこのミステリーを解く鍵になるかもしれない。この鳥のDNAから、比較的最近この島に飛来したものが進化し、その後、自然選択によって飛ぶ能力を失ったことが明らかにされたのである。

 

「現在生息する世界最小の飛べない鳥は絶海の地の一つに辿りついた鳥だったというのは驚くべきことです」 オレゴン大学ポスドクで論文著者のMartin StervanderはGizmodoに語った。「彼らはこの島にたどり着き、捕食者の脅威がほとんどなかったので、それほど飛ぶことが重要ではなかったのです」

 

Inaccessible Island, which is, as its name implies, hard to access.Photo: Peter G. Ryan

 

1920年代に科学者が最初にこの鳥のことを記述したとき、彼らはすぐに珍しい鳥だと分かった。Inaccessible Islandは南米から3500km、南アフリカから2800km離れている。この鳥は南米や南アフリカから20マイル以内の島にはどこにも生息していない。プレートテクトニクス理論が提唱される前、この鳥は今は沈んでしまった陸地を歩いて渡ってきたものであり、Atlantisia属に属すると言われた。もっと最近の研究では、この鳥はアフリカのクイナに由来すると唱えられていた。

 


A. Inaccessible Island relative to Africa and South America. B. The Inaccessible Island rail. C. The dot-winged crake. D. The black rail. E. The Galapagos crake.Graphic: Stervander et al (Molecular Phylogenetics and Evolution, 2018)

 

新たな論文を書いた研究者は、鳥の体形や地形以外にも分析ツールをふんだんに利用した。彼らは一羽の雄のInaccessible Island rail を捕まえて、血液を採取し、DNAをシーケンスし、他のクイナのデータと比較した。「Molecular Phylogenetics and Evolution」に掲載された論文によれば、このクイナの先祖は、凡そ150万年前にこの島に辿り着いた南米の鳥であり、アルゼンチンヒメクイナ、ガラパゴスクイナ、クロコビトクイナのような種を含むLaterallus属に近いと推測されるようだ。

 

これは理に適っている。クイナはどこにでも飛んで行って棲みつくことで有名であり、現存あるいは最近絶滅した52種は島だけに生息し、32種が飛ぶ能力を一部あるいは全部失っている。このInaccessible Island rail の祖先の一群が東の大西洋へ飛び立ってこの島に辿り着いた。そこはもう飛ぶ必要のない楽園だったのである。

 

「このクイナがInaccessible Islandに来た時、餌は全て歩いて捕食でき、逃げるべき天敵はおらず、飛ぶ必要性がそれほどなかったのです」と、Stervanderは言っている。この島における唯一の脅威は時々卵を食べる他の鳥、おそらく数少ない海鳥だったと思われる。

 

These birds are very cute and very doofy.Photo: Peter G. Ryan

 

このクイナがなぜ他の二つの島へ向かわなかったのかはわからない。おそらく試した群れもいたが失敗したのだろう。

 

Stervanderはまだやるべきことがたくさんあると指摘する。このクイナに関するデータは不完全であり、さらなるデータを収集することで、本当に別の属に属しているかどうかがわかると言っている。

 

この鳥たちは元気に暮らしているが、絶滅危惧種であることに変わりない。人間が猫やネズミのような天敵となる種を持ち込めば、飛べない鳥はいとも簡単に絶滅してしまうのである

 

この論文が、南大西洋におけるキュートなミステリーを解明することになるだろう。しかし、くれぐれも、島を訪れてこの鳥の生存を脅かすような真似だけはやめてもらいたい。

 

 

 

 

 

 

(Molecular Phylogenetics and Evolution)

 

(Inaccessible Island rail)

 

(rails)