BANANAFISH二次創作 「星空に君を想う」(3) | BANANAFISH DREAM

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皆さま、こんにちは!らぶばなですほっこり。星にまつわるお話のBANANAFISH二次創作小説をぼちぼち書いています。お付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

「星空に君を想う」(3)

 

 

 

 

 

ー NY公共図書館 ー

 

平日にも関わらず、有名な観光地でもあるNY公共図書館は多くの人訪れていた。階段で3階まで上がり、アッシュはお気に入りのリーディングルームに入る。

 

ずらりと並んだオーク材の長テーブルは割と混んでいたが、何とかアッシュと英二は横並びで座れる席を見つけて席についた。

 

 

「ふぅ、座れて良かった〜」

 

 

そう言いながら英二は高い天井を見上げると、大きなシャンデリアと共に美しい空の絵が視界に入ってきた。夕焼けまたは朝陽を思わせる柔らかいピンクがかった厚い雲の間から見える空に見とれていた。

 

「。。。」

 

(この空のずっと上は宇宙なんだよな。。。)

 

 

ぼんやりしている英二の頰にカサっと何かが触れた。

 

 

「これ、頼む」

 

アッシュが手を伸ばし、白いメモを渡していた。

 

 

(?? あぁ、あれか。。。)

 

 

英二はそれを受け取った。確認すると10ほどの短いリスト、本のタイトルが書かれていた。二人で図書館を訪れるたび、アッシュは読みたい本のリストを英二に渡してくるのだ。

 

 

ジーンズのポケットに入っていたせいかメモはシワだらけになっている。英二には理解できないし、見る機会もないであろう難しい本を探すことは彼にとって大事な仕事のひとつだ。

 

 

すぐに返事ができなくて、アッシュは英二を振り返った。曖昧な微笑みを浮かべる英二に、どうしたのかと不思議そうな表情をしている。

 

 

「あのさ、あとで探してもいいかな?僕もちょっと調べたいものがあって。。。」

 

 

ちょっと遠慮がちに上目遣いで尋ねてくる英二に、ますます訳がわからないとアッシュは首を傾げたが「構わないぜ」と伝える。

 

 

「ありがと!」

 

ここが図書館であることを忘れたのか、英二は大きな声と笑顔を残してその場を離れた。

 

 

***

 

 

 

トットットッ… 長テーブルの上をアッシュの綺麗に整えられた爪と指先が軽く弾いている。斜め前に座っていた人の視線を感じ、アッシュは自分が無意識のうちに音をたてていたことに気がついた。

 

先ほどから本を読んではいるが、頭にはなぜか内容が入ってこない。フリーズしたコンピューターのように脳みそが考えることを放棄している。

 

腕時計に目を向けると、英二が席をたって30分が経っていた。

 

 

(まだ英二は戻らないのか?)

 

 

集中できず、焦燥感で次第に苛立ってきているのに気がついた。

 

 

たった30分だ。しかもここは図書館で、大勢の目があるので危険な目に遭う確率は低いのは分かっている。冷静に考えると不安に思うだなんて馬鹿げている。

 

 

”アッシュ”

 

「。。。。!」

 

名前を呼ばれた気がして振り返ったが、英二の姿はなかった。

 

自分を落ち着かせるために、アッシュは眼鏡をはずし、フーッとため息をついた。優しく自分の名前を言ってくれる黒髪の親友の姿が見えないだけでこうも調子が狂うのかと思い知らされた気分だ。

 

 

(あいつ、一体何をしてるんだろ? 探し物するとかいってたな、聞いておけば良かった)

 

 

”疲れたから気分転換だ” と自分に言い訳をして、英二を探そうと席を立とうとした時、幾冊もの本を抱えた英二が視界に入った。何ともいえない脱力感がアッシュの全身をまとってくる。

 

 

「あ、失礼。通ります!」

 

 

英二は周りに気を遣いながらも音をたてないよう小走りでアッシュの元へと戻ってきた。

 

 

「お待たせー!遅くなってごめん!」

 

ハードカバーの図鑑や写真集のようなものを英二は抱えていた。

 

 

「。。。それ何?」

 

 

アッシュが指さすと、英二は本を机の上に置き、一番上に置いてあったものを手にとって自慢気に見せてきた。

 

 

「じゃじゃーん!宇宙望遠鏡で撮影した天体の画像集だぞ。すっげー綺麗なんだぜ!?」

 

 

”あまりの綺麗さについ夢中になって”と言いながら、英二はパラパラとページをめくっていく。

 

真っ暗な宇宙空間の中に渦を巻いた美しい銀河形の写真だ。中央はガスや塵により黄色くぼんやりと光っているが端にいくにつれて神秘的な青紫に変化している。さらに数千億もの星がまるで宝石が散りばめられたかのように輝いていて圧巻だ。

 

 

宇宙空間から観測撮影された画像は、最新技術により驚異的に鮮明に天体を映し出していた。それらはカメラに興味のある英二の好奇心を大いに刺激したようだ。

 

 

興奮気味に”これもすごい” ”こんなの見たことがない”と、まるで子供がおもちゃを自慢するかのように嬉しそうに見せてくる。その無邪気な姿に思わずクスッとアッシュは笑みをうかべながら言う。

 

 

「オニイチャン、興奮しすぎてまるでガキみたい。。。迷惑になるから、気に入ったのなら借りて帰ろうぜ。」

 

 

 

 

***

 

 

アパートに戻っても、英二は図鑑と写真集に夢中だった。普段はどちらかというと大人しい印象なのに、今日はずっとおしゃべりだった。

 

 

特に彼が気に入ったのは、銀河と星雲の画像だった。地球のいる太陽系がある、直径がおよそ10万光年ある巨大な星の集まりを天の川銀河、または銀河系と呼ばれている。真上からみると大きく渦をまいて回転しているように見え、横からみると凸型のように中央が膨らんで周りは薄くなった形をしている。

 

 

英二に付き合わされたアッシュも感心したようにじっと画像を見つめている。

 

「すっげー渦だな、これ。。。こんなに綺麗でも中央にはブラックホールがあるんだぜ?」

 

「へぇ。。。ブラックホールか!もし僕たち人間がブラックホールに飲み込まれたらどうなっちゃうんだろ?」

 

恐々とでもどこか興味深そうに英二が尋ねてくる。

 

「細長く体が引き伸ばされて、スパゲッティみたいになるみたいだぜ。最後には引きちぎ。。。」

 

言いかけたアッシュの口を英二は指で塞いできた。

 

「ウワーっ!それ以上聞きたくないっ!」

 

「ははは、怖がりだな、オニイチャン。なんで急に星や宇宙について興味持ったんだよ?」

 

 

アッシュの問いに英二はニコッと微笑んだ。

 

「この間、君と天の川の話をしただろう? 一緒に星がみたいなぁって思って。。。。それで図書館なら星や宇宙の本があると思って。軽い気持ちだったんだけど、宇宙望遠鏡の画像があんまり綺麗だったからハマっちゃった。」

 

 

「宇宙飛行士か天文学者にでもなるつもりかい?」

 

「まさか。ただの好奇心さ。ふだん考えもしなかったことを思い出させてくれたって気がするなぁ。。。」

 

 

「ふぅーん、いいんじゃねぇの?」

 

 

そう言いながら、英二の横顔をアッシュはチラリと見た。彼はページを開きながら大きな瞳をキラキラさせながら読んでいた。英二の綺麗な澄んだ瞳こそ星みたいだなと思った。

 

 

アッシュは携帯である場所を検索した。幸い今日は急ぐ用事もなく、その場所は夜遅くまで開いているようだ。

 

 

「あのさ、今日。。。」

 

思ったより声がうわずっていたことに気づき、アッシュは戸惑った。そして言おうと思った言葉をアッシュは飲み込んだ。 

 

 

男女問わず ”誰かを誘う”だなんて簡単だ。アッシュに声をかけられて断るものはほぼいない。自分の美貌を最大限に利用して、何らかの目的を果たすために相手を誘導するだなんて今までさんざんやってきたことだった。

 

 

だが、ただ純粋に相手を喜ばせるために誘うことなんてしたことがあっただろうか。なぜか胸の奥がくすぐったいような気持ちになる。そしてほんの少しだけ ”断らないでほしい”という恐れもあった。

 

 

黙っているアッシュの様子に気づいた英二が振り返った。

 

「んー? どうしたんだい? 喉でも乾いたのなら何か作るけど?」

 

「。。。。」

 

不思議なもので、英二の声や表情ひとつひとつがアッシュの心を落ち着かせてくれる。

 

 

「あ、君の邪魔をしてたのなら、僕、自分の部屋に戻るね」

 

沈黙するアッシュを見て、なぜか勝手に勘違いした英二が慌てだした。

 

 

(違うって!)

 

 

アッシュは英二の手首をぎゅっとつかんだ。

 

 

「今晩、プラネタリウムを見にいこうぜ」

 

 

ようやく言えた言葉に、英二はキョトンとしていたが、すぐに嬉しそうにコクンと頷いてくれた。

 

 

「もちろん行くよ!ありがとう!」

 

 

楽しみでたまならいと喜ぶ英二の姿に、”あぁ、やっぱり英二には敵わないな” とアッシュは破顔した。

 

 

*続*

 

 

お読みいただきありがとうございました爆笑。 アッシュが英二に対してものすごくピュアになっています(笑)甘えたの寂しがり屋な弟ですね。。。ふてくされたり、拗ねたりする素直なアッシュが可愛くて。。。ウシシ 

 

お返事すぐにできないかもしれませんが、説へのご感想、リクエスト等ありましたら、以下の拍手ボタンからお聞かせくださいね爆  笑ウインク。フィッシャー様とのおしゃべりから素敵なネタが浮かぶことも多いですので。。。お気軽につぶやいてくださいませ!!

 

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もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM

 

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