日常320 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

サウナから出て来たばかりの俺の体は

 

もうもうとした蒸気 まとってて

 

 

…なんか かっけぇなぁ…

 

って 悪役の登場シーンっぽい

 

己の今の状態を

 

 

彼は見てるか?見てないか?…と

 

いつもなら 避けたい人の視線

 

その有無を しれっと確認しつつ

 

水風呂目指して進んでいれば

 

 

「…わぁ…良い匂い…」

 

俺の背後で 子供の声

 

あぁ…ファミリー層かぁ…

 

と にぎやかになる事

 

想定しつつ

 

 

意外と子ども受けがいい俺

 

こんなところでまで

 

絡まれない様に…と

 

 

声の方は見ず

 

水風呂に沈めば

 

 

サウナに入りたがってる子供に

 

取りあえず

 

露天に浸かろうと 諭す親

 

 

これだけの 設えだ

 

ファミリー層にも人気あるわなぁ

 

 

身体の荒熱もすっかり取れ

 

初夏のプール感覚になって来た

 

水風呂から 出ると

 

…何度か刻んで入るんだよなぁ…

 

と サウナへの浅い知識

 

まぁ 無理して入る事はないかぁ…と

 

 

意識高い系おじさん

 

未だ中に居る訳で

 

 

あの人がいる間は 嫌かも

 

と 回れ右して

 

そうだ

 

 

今なら あの高温の浴槽

 

入れそうな気がする…と

 

 

そちらへの再アタック

 

開始ししようと 向かえば

 

 

「あっそこ 熱いよっ」

 

 

さっきの 子供の声

 

…俺に言ってる?

 

 

声の方を見れば

 

 

心配そうな顔の子供

 

 

「そっちはダメ こっちおいでよ」

 

 

手招く もみじの手

 

かわいい…けど

 

…いや そこは

 

充分堪能した ぬるい系の湯舟で

 

しかも 親だろう男性が

 

慌てて 子供を制止してる

 

まぁ あのくらいの子供は

 

怖いもの知らずだからなぁ…と

 

心配げな親の手前

 

 

子供へはノンリアクションのまま

 

熱い湯船に 再アタック

 

開始すれば

 

まぁ 最初程の驚きはなく…も

 

 

サウナの熱波とはまた違う

 

肌に纏わりつく 熱い湯は

 

水風呂でゆるんでた細胞に

 

また 真逆な刺激 容赦なく

 

ふぅぅぅぅ…と細く息を吐きつつ

 

一応 体全身沈め

 

肩まで浸かって 数秒

 

湯を揺らさない様にして なんとか耐えるも

 

これ以上は…と

 

平然とした素振りで

 

そそくさと上がれば

 

真っ赤になった肌

 

ちょっと 体表面の細胞が死んだか

 

外気温の感じ方が鈍くなってて

 

これ 大丈夫か?

 

 

チャレンジするのは一端終了し

 

彼の姿 探しつつ

 

 

人けの少ない 薬草の湯に

 

浸かっていれば

 

 

どうやら

 

さっきの子供に 目をつけられていた様で

 

体を洗ってる 親の隙をついて

 

俺の所に来た子供

 

 

「…ニホンゴ ハナセル?」

 

 

さっきから 子供をスルーする俺に

 

言葉の通じない外国人と思ったか

 

変な発音で 話し掛けられ

 

つい

 

吹き出してしまって

 

 

「…お前 親が心配するだろう」

 

広い施設

 

大人の俺でさえ 彼の姿

 

探し出せていない現状から

 

奔放な子供の行動力に

 

 

「ひとりで チョロチョロするな」

 

と 親の所へ 帰れのニュアンスで

 

小言を言えば

 

 

「…じゃぁ おじさんと一緒に居る」

 

と 見ず知らずの小さいのが

 

薬草の湯に入って来た

 

 

 

  つづく