一押しバレエ発表会
昨年クリスマスイブの日、東京立川の市民会館で行われたジャパン・バレエ・アーツなる教室の発表会を見る。
この時期お約束の「くるみ割り人形」。しかしこの教室は意欲的にも全幕公演に打って出る。パンフレットを見る限り、全国に五万とある普通のバレエ教室だ。しいて言えば、ゲスト参加の多いことか。名前の売れたバレリーナは少ないが、人数はやたら多い。ここも親泣かせのバレエ教室か。このゲスト出演費用は当然参加者の親の負担だ。やれやれ。
1幕、劇団出身(なるほどバレリーナ達ではないのか)かと思われるゲストによるクリスマスパーティーのシーンは、見ごたえあり。少年少女は生徒だろう。よく指導された演技だ。バレエ技術についていえば、このシーン、とりたてて言うほどのものは見られないが、素直な演技はバレエ教室の域を大きく越えている。クララがいい。わざとらしさのない本当の少女が演じるクララは、見ていてついつい引き込まれてしまう。
バレエ技術もかなりのものだ。昨年東京のバレエコンクールで2位の入賞した少女だそうだ。
続いてねずみと兵隊の戦闘シーン。ゲストでなければこのシーンは難しいだろう。演出は完璧だ。ゲストダンサーにスポットのあたったシーンは、ついつい発表会であることを忘れてしまうが、気の毒なのは生徒たちだ。うす暗がりにうろうろしている、う可愛いねずみも小さな兵隊も思い切りかすんでしまった。あれでは親さえ自分の子を認められなかっただろう。
雪のシーン。女王役は生徒。生徒で踊れる人材がいるとは素晴らしい。またこの少女が美しい。技術も相当なものだ。コンクール入賞の常連とみた。
2幕。1幕に比べればぐっと普通の発表会だ。
しかし、やはり先ほどの雪の女王の少女が踊ったアラビアの踊りに目を奪われる。
惜しむらくはまだあまりに可憐な少女で、色香というものに欠けていたことぐらいか。
花のワルツ、群舞が見ごたえあり。中央脇で踊っていた小柄な少女がなかなか上手で愛らしかった。笑顔は可愛いが、妙な具合にぴょこぴょこ見えてしまうところが、まだまこれからだろう。
そして最後、なんとパレードなる余興が用意され、ゲストが籠にお菓子を持って登場。会場に投げ入れるという嬉しいおまけつきで、会場は大きく湧いた。
このバレエ教室を主宰するのは40歳になるかならぬかのこれまた可憐な女性だ。森島珠紀、松山バレエ団出身だそうだ。この若さで、これだけの演出をするとはこれからが楽しみだ。しかも第1回発表会とある。
これからどのくらいのペースで発表会を行うのか不明だが、多摩にまた一つ、
楽しみなバレエ教室が誕生した。ここから世界に羽ばたくバレリーナが巣立つことを大いに祈りたい。
(2008.1.1 国立)
