片輪者一代 籠城戦

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さて、前回、学級崩壊を見事成功させた私は、そこから時間をかけて籠城戦のための恩賞となる賞品の買い足しをすすめていきました。私と仲のいい女の子が僅かですがいるので彼女たちがもし協力して呉れたらということを想定して、女の子向けの文房具を買い足し、男の子向けには、自分の使わなくなった玩具や今使っている玩具で今はもう自分以外は誰も使わない玩具だけに絞り混んで集めました。

これを、学校が終わった後、籠城戦の前日に家に帰って段ボールに入れ、用具入れの上に置いておきました。

ここならだれも気づきそうで気が付きません。

事を起こす前に気づかれたら厄介ですが、その時は学校でたまに行われているバザーで持ってきたと嘘を言ってごまかすしかありませんでした。

運よくこれはバレずに済みました。

当時の保護者あての手紙は和文タイプで打つ場合もあれば、手書きのガリ版刷りも普通にやっていました。今はガリ版刷りの学校からの手紙なんて多分ないと思います。

つまり、和文タイプなら母が内職をしていないときに、勝手に借りて保護者あての手紙を偽装できますが、ガリ版では筆跡でバレてしまいます。そのため、必死になって練尾先生の筆跡をまねる訓練をしていました。

そのため、小学校二年生なのに年寄りじみた字を書くようになってしまいましたが、そこまで練習した甲斐があり、母を騙すことに成功したのです。

何月何日かは忘れてしまいましたが、籠城戦を決めたその日あてに母にはおにぎりを100個以上準備してもらい、それとは別にたくあんを100切れ以上用意させ、大きなやかんにお茶を準備させるなど籠城のために必要な昼飯の手配をしました。それとは別に家にあるおやつを全部供出させました。

理由はお好み演芸会をするのでお昼はおにぎりにする。おやつの時間もこの日だけは特別にあるといって嘘を書いたのです。

まさか偽物の手紙を書いて母親を騙してまで籠城戦をやるだなんて母も思ってませんから、学校でそんなイベントがあるんだあとまんまと騙されました。兄は私が嘘をついているのはわかっていたでしょうが、私が何をしようとしているのかさっぱりわかりませんから、ひょっとしたら低学年だけなんだかそんなイベントでもあるのかもしれないと思ってくれたのかもしれません。一揆が嘘ついてるよと兄が一言いえばご破算になるところだったんですが、旨くスルー出来ました。

いよいよ、挙兵する当日になりました。

母からやかんやおにぎり、たくあんを山ほど預かって、家を出発しました。風呂敷で隠していきましたが、でかい荷物です。目立ちますが、学校についてもその事で突っ込んでくるのはいません。

この時間が一番緊張しました。ここで準備したものが暴露されて、説明なんかしていたら、白けてしまいます。

そしてホームルームのチャイムが鳴り、皆が席に着いた時に用具入れからモップを一本持って、つかつかと教壇の前に立ちました。

そして思い切りモップの柄でを天井に突き刺して、大声を張り上げました。

「このクラスが一番授業が遅れているのを知ってるかあ」

またモップの柄を思い切り天井に突き刺して大声を張り上げました。

「このクラスだけ、普段使わない漢字を教わってしまっていることを知ってるか」

またモップの柄を思い切り天井に叩きつけて大声を張り上げました。

「このクラスには練尾はいらない。これからは練尾を追いだし、我々だけのクラスにしよう。

どうせ、あいつがいたって授業が進まない。今使わない文字を教えるなど時代錯誤も甚だしい。

なら、勉強したい奴は自習し、したくない奴は遊んでいればいいじゃないか。

あいつに教わっても無駄な知識を無駄な時間かけて教わるだけ。

まあったく、無意味だ。

どうだ、みんな、あいつを追放して、俺たちだけの俺たちの教室作らねえか。」

そこまで言うとつかつかと自分の机に戻り、今日はみんなと教室に立て籠もろうと思って、おにぎりとたくあん、それにお茶を用意した。あと、少ないけどおやつも用意しているといってランドセルをひっくり返しランドセルにぎっしり入れたおやつを机の上にばらまきました。

用具入れの上の箱をとり、自分の椅子の上において、箱を広げ、
「協力してくれるなら、この中から悪いけどこちらが無作為でなにかをあげるよ。

どうだろう。教師面してる割には何も出来ない糞婆を追い払うのに力を貸してくれないだろうか。

今からやる事は悪い事だ。

だから当然、嫌だという人もいるだろう。

こちらとしては急なことをお願いしているし、今日のために準備もしてきたから後には引けない。

参加したくないという人はここから出て行って呉れて構わない。

その足で先生のところへ注進に走って呉れても恨みには思わない。」

20人くらいの生徒が教室を去りました。ほとんど女子です。

残った生徒のうち、逡巡しているのがいました。

「御免、出ていくタイミング失ってオロオロしているなら、今出て行ってくれ。

覚悟を決めた人間たちだけでやっていきたいんだ。

今日一日を無駄に使わせてしまったことは謝罪する。」

そういうとまた10人くらいの男の子がいなくなりました。

結局残ったのは女の子5人。男の子15人一寸でした。

トイレの問題があったので女の子には全員出て行ってもらうつもりだったし、協力者が現れるとは思ってなかったのです。いたとしても2人かなと思ってました。本田さんと久保さんという女の子二人はどういうわけか知りませんが、私に好意を持っていてくれました。本多さんの親は日雇い労働者。久保さんの親は外交官と全くタイプの違う家庭の子ながら、私に終始好意を持ち続けて呉れました。

トイレは用具入れでやってもらうしかないけど、大丈夫というと、気軽に大丈夫と言って呉れました。

多分嫌がるだろうなあ。今はしたくないから実感がわかないだけで、本田さんや久保さんはほんとに覚悟して呉れているんだろうけど、残り三人はノリでついてきちゃった感じもするけど、とりあえず、味方は多い方がいいし、やるか。と覚悟を決めました。

この三人が原因で破たんすることになります。

急いで教室の机を移動し、モップを筋交いにして扉が動かないように固定します。窓ガラスも一番ベランダで黒板寄りの天上の一か所だけわざと少し扉を開けておきました。それ以外は全部扉を閉めました。隙を見せた窓のところだけカーテンをかけて、気づいていないふりをしつつ。そこに俊敏に動ける連中を集めておきました。

私は籠城戦に参加して呉れて、準備の場所に付いた皆に自分の机の上から無作為に玩具を選んで、女の子にはラメ入りの糊や、ラメ入りのペンキャップなどを与え、男にはめんこやベーゴマ。その他のちょっとしたおもちゃを与えて士気を高めました。

また、ちょっと緊張しちゃった。トイレと言って自分がまず最初に、用具入れのトイレを使用しました。用具入れのトイレといっても用具入れの中のバケツに用を足すというとんでもなく簡素なトイレです。トイレットペーパーは家から前もって持って来て用具入れの中に入れておきました。何でこんなところにと怪訝に感じながらも突っ込まれることなかったのは幸いでした。

トイレが終わった後、用を足した、糞尿をやかんの麦茶を少し入れて棒で撹拌して私は廊下側の教室入口に一番近い天袋の窓にスタンバイしました。

完全に準備が整い、スタンバイして無言で待ち構えていると、いつもと同じ時間に練尾教諭がやってきました。扉を開けようとしても扉があきません。

「あれ、れ、あれ」

と一生懸命開けようとしても飽きません。

「こら、誰か悪戯してるんだったら開けなさい」
と大声出してもシーンとしています。

「このお、」

と、ムキになって開けようとしても開きません。

「こら、ほんとにいい加減にしなさい、開けなさいと言ってるでしょ」

金切り声をあげて絶叫しますが、私が手で声を出さないように制止しているので、全員無視。

「こら、滝山君でしょ。こんな事するのは、出てきなさい。」

そういうと私は天窓を開けて、

「ご名答」

と言って糞を溶かした液体を練尾教諭の頭にぶっかけました。

「ギャー」

練尾教諭の悲鳴が上がりました。

慌てて近くの水道で頭をバシャバシャ洗って糞まみれになった上着をごしごし発狂しながら洗いながら、

「あなた、なんてことするの。出てきなさい。」

「やーだね、このクラスは今日から俺たちの物、あんたは俺たちが首にした。バイバイさようなら。」

「このお、いいわ、待ってなさい。屹度お仕置きしてあげる。」

そういって一旦教室を退散していきました。

簡単に練尾を撃退し、クラス中に歓声があがります。

多分次は校長先生か教頭先生を一人だけ連れてくるはずだ。どちらとも、恨みはないけど、練尾の味方に付くのはわかっているから、同じように糞をかぶってもらおう。

暫くすると説得のため校長が来ましたが、校長にも申し訳ないけど糞をぶっかけて退散してもらいました。

これで校長も本気になって鎮圧する気になりました。

どこかで着替えてきたのでしょう。ジャージ姿になった校長が、糞を浴びないように遠くから拡声器を使って出てきなさいと連呼しますが誰も出てきません。そして、こちらの読み通り、ベランダから侵入を図ろうと脚立を用意して男性教諭が空いている窓から侵入するところでした。体半分身を乗り出したところでベランダ側の窓を開けて一斉に全員で教師に襲い掛かり脚立と登っている教師を最低一人捕獲するという計画は伝えておきました。

想定外の女の子3人のうちの一人が天窓に居た私のところへ教師がこっそり上ってきている旨を伝えてくれました。廊下側に配置した全員をベランダ側に全員移動させ、私自身もベランダ側に移り、様子を見ながらこっそりと窓のカギに手をかけて、タイミングを合わせて一挙に窓を開けて先生に向かって突進していきました。意表を突かれたベランダ側の教師は脚立もそのままに退散して仕舞い脚立を奪って進退窮まった教師を窓から教室内に引きずり込んで捕縛しました。

追撃しようとするクラスメイトを抑えて今度は一斉に教室に退散して脚立と教師一人を捕獲しました。

教師を縛り上げるのに一人の生徒が活躍して呉れました。一人親方の家の子で、よく父親を手伝って荷台に物を積んだ後ほろをかけてもやい結びで縛ったりしていたので、絶対にほどけない頑丈な結び方だから大丈夫と言って簡単に教師を縛り上げて呉れました。

体育教師の身柄拘束したのは非常に大きかったです。学校側としては大幅な戦力低下になったでしょう。教師を捕まえて素早く縛り上げたこのクラスメイトにはコンバトラーVの超合金をあげました。多少時代遅れではありましたが、有名な作品だし、5千円くらいの価値はあるものだったとおもいます。

もらった生徒は大喜びです。そして私に教師接近を知らせた女の子にもリカちゃん人形をあげました。

二人とも大喜びでした。またクラスメイト全員に玩具類を配り回りました。

全員で出撃して全員がそれぞれに手柄を立てたのです。

明白な手柄には過分な恩賞が与えられることをまた彼らは理解して呉れました。

因みにこの籠城戦の糞尿をかけたり、わざと一か所隙を作ってそこに誘いこんで、敵を撃退する方法は写真にある通り、漫画日本の歴史から引用したのです。大楠公が千早赤阪城籠城戦で展開して見せた防衛戦争の計略の一つです。
また、罠に嵌めた敵勢力を撃退するために全員を出動させて兵力を一点に集中させたのも、漫画日本の歴史を読んで、兵力の集中運用を学習したからにほかなりません。兎に角小学校二年生が考える能力を遥かに超えていました。
学校側も、なめてかかっていましたが、糞尿作戦と、ベランダ攻防戦で大敗を喫したために、迂闊に攻撃するのを辞めて遠巻きに巻いて時間が過ぎるのを待つ作戦に出ました。こうなるのは私の中で予測はしていました。ある程度長時間の籠城戦はこちらとしても望むところではあったのですが、相手が冷静になれば、味方がいないこちらの不利は増すばかりというのはわかっていました。


ベランダ側からは突破されないように窓ガラス一枚につき生徒一人を貼り付かせ、教師が窓ガラスを破って侵入することを完全に阻止しました。流石に生徒が張り付いているのに窓ガラスを破って侵入は出来ません。けがでもさせたらえらいことです。

こうなるとベランダ側から教師が侵入するのは不可能なので、見張りを数人置いて、後は廊下側から侵入を図るしかありません然し廊下側も窓ガラスのところには生徒を貼り付かせ、天窓から糞尿をぶちまけて教師の進出を阻止しているためにどうにもなりません。

ベランダ側の窓を一枚だけこれ見よがしに開放しているのですが、流石に教師もそこまで無能じゃありません。既に一人捕まっているので、罠にはハマりに来てくれません。

学校側は教頭は警察を呼ぶべきだという意見を言っていたようです。
これはあとから教頭本人に聞きました。

明らかにやってる事が学生運動を模倣した悪質ないたずら、もう学校としての対処ではなく、警察を呼んでもらって、警察に鎮圧してもらうしかないと進言したそうです。制服の力は威圧感があるので、それで向こうから降参するかもしれないという狙いもあったそうです。

実は私はそれを恐れていました。

大阪府警の隣、京都府警に叔父が勤めています。大阪と京都は近いので相互交流もよくやっていたそうです。今もそうなんでしょうか。だから警察が出動したら、私が捕まり、京都府警に勤めている叔父への影響が出るかもしれないという恐怖はありました。

小学校二年生があさま山荘や学生運動のまねごとをした挙句に、千早赤阪城の籠城戦みたいなことをして先生に痛打を与え、捕虜迄とったっていうんですからね。

学生運動は実は参考にしていません。

ブリタニカの国際大百科辞典のなかでも、年度ごとに発行しているものがあるんです。

この年表みたいなやつからクーデター案件ばかりを引っ張り出して読み込んでいました。

クーデターのほとんどは失敗したものが多いのですが、失敗しても次のクーデターで成功しているという例がままあるので、クーデターを起こせば何らかの印象は残せるというのを学習したのです。

それとあまりに短時間で鎮圧されると、かえって敵勢力を安泰化させてしまうということもわかりました。

ということで、一定時間以上の籠城はしないと効果がない。

警察の介入が入るか入らないかのギリギリの籠城が一番いいということがわかったんです。

学校の恥でもありますから、いきなり警察を呼ぶというのは絶対に学校はしないだろうという読みもたてていました。

だから教頭の拙速な行動を校長がウンコまみれにされたことで、了承していたら、私の籠城戦はあっという間に終わっていたでしょう。私も流石に警察が介入したらその時点で負けを認めて自殺するつもりでいたのです。

籠城戦が成功して練尾と和田野の更迭を校長が認めるはずはないと思っていました。

それでも、ある程度の時間粘れば、二人の信頼度信用度は下がるでしょうし、直ぐでなくても更迭される可能性は出てくるかもしれません。

いずれにしても、こんな暴挙は学校中に知れ渡るだろうし、更迭されなくても二人の教師としての評判看板には大きく泥を塗る事は出来るだろうと思っていたのでした。

私は自分達の籠城戦が成功するとは思っていません。味方となる主力が外にいて初めて籠城戦が成功するのです。

城の中だけしか味方がいないのに籠城なんかやったって失敗するしかありません。

だから相手が冷静さを失っている隙をついて言質を取るしか方法がないのです。

然し時間が経てば相手も冷静になり、こちらはじり貧になります。

まず食料の問題。

昼食分しか用意していませんから、夕食時になれば、多少はみんなも我慢して呉れても限度があります。

あとトイレの問題。

これは特に女子が、最初の一回くらいは我慢して呉れても、何度もできるもんじゃありません。

それに最初の一回も割り切ってやって呉れる可能性は限りなく低いとみていました。

恐らく、これが原因で破たんするだろうと思っていました。

それにしても想定外にみんなが健闘して呉れて昼の時間が来ました。

給食を餌に吊り出そうとしていた教師たちはわざとカーテンを全開にして美味しそうにおにぎりを食べている姿を見せつけてやることで、愕然としていました。給食時がチャンスと思っていたんです。

しかもお菓子も持ちこんでいて宴会をしています。

中にいる奴ら全員ずっと前からグルになっていたのかと教師たちが誤解するのも当然でした。

私はみんなと一緒にうまそうにおにぎりを食い、茶を飲んで教師を挑発していましたが、自分の中では昼ごはんを取った後、絶対女子の中でトイレに行きたがる奴が出てくるだろうな。つまり、昼休みか5時間目くらいに入ったところで、籠城戦は終わることになる。

終わりよければすべてよし何かにさせてたまるか。

どうせこれは失敗に終わる。失敗に終わったっていい。

最後の最後はこの俺の命を終わらせることによって練尾と和田野に思い知らせてやるんだ。

お前たちがいい加減に扱った子供が、怒りのために自殺する。辞世の句も書いてきた。

遺書も残してある。

籠城戦は失敗し、俺が死んでも、練尾と和田野も同じように社会的に死ぬはずだ。

一生悔いろ。俺の何杯も生きてきたお前たちがたったヒトケタしか生きていない餓鬼に翻弄され、残りの人生悔恨まみれになって俺という怨霊に祟られて発狂して死にやがれってんだ。ざまあみろ。あはははは。絶対にお前らにハッピーエンドは与えねえぜ。

ほとんどの参加者は悪乗りで参加していました。

私がこんな陰湿な事を考えているだなんて思っていません。

小学校6年生の卒業文集に当時の担任が私を評して、宇喜多直家の生まれ変わり、乱世の能臣、治世の奸臣と書かれました。確かに宇喜多直家と匹敵する程、人を騙し、破滅させてきました。

安定した場所を引っ掻き回す才能は確かに図抜けていました。

ところが、迂闊なことに自殺するためにカッターナイフなり、包丁なりを持参していないんです。

実は、私にとって、死ぬことは本当に最終手段であって、死ぬふりをして自殺未遂をして、血を見て混乱した状況から自分一人だけ逃亡し、また別の場所に立て籠もる計画も立てていました。
それは屋上です。
屋上に入るには扉が一つしかないし、その扉は屋上に上がった人間だけがカギを閉められるようになっています。
だから屋上の扉を開けて私を捕まえるためには屋上の鍵を持ってこないといけません。その間に屋上の扉に閂をかけて開けにくいようにした後、屋上からこっそり排水管を伝って降りて逃げ、家に帰る。当然、家にも学校の手が回ってるだろうから、ここで降参という形になるだろうけど、反省文なんか書かされても練尾と和田野が反省しろという文章ばかり書いて、抵抗を続ける。籠城戦という手はもう使えないから、今度は裁判か何か別の手立てを考えて破滅させる手段を練り上げる。

なあに、時間はたっぷりある。

ここで失敗しても大きな足跡だけは残すことが出来る。

本当に恐ろしい子供でした。

破れ傘刀舟悪人狩りという時代劇があり、

毎度悪人を「てめえら人間じゃねえ、たたー斬ってやる」

と言って、一瞬のうちに悪人どもを斬り伏せて去っていくのですが、まさにその悪人そのものでした。

昼飯を食べて5時間目に入るとやはり女子からトイレの苦情が出ました。

来るべき時が来たなと思いました。

付き従って呉れた全員におもちゃを分配して分け与え、

どうやらこれまでのようだ。

戦いには負けたけどよく協力して呉れた。ノリだけでここまで従ってくれるとは思っても見なかった。

ほんとにみんなありがとう。
みんな捕まったら、私が一人でやったことだ。悪乗りしてついていっただけといって呉れ。

私一人が責任をかぶれば済むことだ。義務教育だから退学なんかもないし、最悪、赤穂君と同じ教室に放り込まれるくらいだろうな。練尾がそうしたいって言ってたからね。

はじめてみんなここで、企てが失敗したことを悟りました。

学校側もこれがチャンスです。

私は女子をトイレに行かせるために外へ出すといって、扉を仲間に開けさせる時にその扉から対角線上に離れた場所に1人移動しました。

扉を開けた瞬間、案の定、教師が突入し、これを防ぐことは出来ませんでした。

私は鉛筆で思い切り自分の首を刺して自害を試みましたが、大勢の教師にとびかかられて、首に鉛筆は刺さったままでしたが、出血する部位をたまたま外していたそうです。噴出する血で相手の動揺を誘い、落ち延びて再起を図ろうとしたものの、失敗して大勢の教師に床に押し付けられて取り押さえられてしまいました。

私の籠城戦は奮戦したものの、最後はあまりにもあっけなく、簡単に終結しました。
それでも8時45分くらいから14時くらいまでの5時間ちょっと籠城したために、学校中にこの異常事態が広まるのは当たり前でした。

次回は敗戦処理について話した後、、東住吉は我が家にとっていかに鬼門だったかということについて話していきます。