8月に入ってから、新型インフルエンザの感染者数が急速に増加している。

9月には各大学も後期の授業が始まる。

学校・大学は感染ルートになりやすいので、感染した学生がいる場合には慎重な対応が求められるだろう。


春は1週間の休校処置などで乗り切れたが、感染者が増えている状況でどう対応するかは

非常に難しい選択になってくるかもしれない。


さて、もう一つ心配なのが入試である。

文部科学省も検討に入った。


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インフル感染、大学受験欠席… 追試認める?文科省協議

asahi.com

2009年8月29日


文部科学省は28日、新型インフルエンザ感染が拡大した場合に備え、大学入試での対応を考える会議を設置した。メンバーは高校教諭や国公私立大学長、公衆衛生の専門家ら計10人。感染で受験できなかった場合、追試を認めるかどうかなどを話し合う。

 大学入試センター試験では毎年、病気を理由に欠席した受験生に追試が認められている。しかし、大学ごとの試験では、追試による救済はほとんどなかった。「95年の阪神大震災で追試を認めたケース以外は見あたらない」(同省大学入試室)という。

 季節性インフルエンザでは認められなかった追試を「新型」で認めれば、公平性の観点から議論が起きる可能性もあり、大学入試室は「いざという時のために対策を考えておきたい」と話した。


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入試は一発勝負である。新型インフルエンザに感染してしまった受験生に対して

救済処置をとる必要性は当然あるが、各個別大学で追試を行う場合、下記の問題が発生する。


1.追試問題の作成と点差についての調整

2.日程の確保

3.入学手続き率の読み


実は1.の追試問題の作成と点差についての調整だけでも、かなり大変なことである。

現在各大学は複数の入試日を組んでいるので、追試問題も1本用意すれば良いという話ではない。

また追試との点差をどう扱うかも難しい問題となる。


2.の日程の確保も難問である。

一般入試は2月、または3月だが、受験生は複数の大学を併願することから、

追試の日にちが併願大学の入試日とバッティングするということが予想される。

総合大学の追試日に当たってしまった小規模大学は受験者が大きく減る可能性もあるだろう。

また3月に入試を実施している場合には、追試を行うにしても日程的にかなり厳しい。


3.の入学手続き率は混乱が予想される。

各大学は「合格者の何パーセントが入学する」という、データや経験則を持っている。

そのデータから入学定員の何倍を合格させれば良いかを割り出すのだが、

この数字というのは入試日程と入学手続き締切日が比較的影響しやすい。

追試を実施することとなると、この入試日程と手続き締切日も例年と大きく変わってくるので、

場合によって予想より大幅に入学者が減って定員割れとなってしまったり、

逆に入学者が定員を大きく上回ってしまうというリスクが生じてくる。



現段階では、まだ新型インフルエンザの流行がどのようになっているか読みきれないが、

今から動いておく必要があるのは間違いない。


入試課には例年以上に厳しい年になりそうである。