中華三昧,ラーメンじゃなくて. | Unleashed

中華三昧,ラーメンじゃなくて.


 もうすぐ国に帰る友人のお宅におよばれ.手みやげは僕の中のド定番,中谷亭の「カライブ」ホール.近鉄百貨店で店員さんに相談しながらワイン選び.途中で「どんなお食事に合わされますか?」て聞かれたので,「ウイグル地方の郷土料理」(もちろん,遠慮がちに,ですよ)と答えたら,店員さんが一瞬固まってしまったけれど,一生懸命食材や味付けを説明したら一生懸命選んでくれた.安めのブルゴーニュと,少し甘めのアメリカのロゼに.

 食事前に研究室の近所で卓球.中国人,超強いぜ.とても太刀打ちできず.サッシ屋工場の空きスペースでやってる昭和な感じのとてもユルい卓球場で,なかなか面白かった.

 お腹をペコペコにして,友人宅へ.奥さんが準備してくれていた手料理をいただく.3年近く前の僕のリクエストを覚えていてくれて,ピータン入りのお粥.ピータンと豆腐の前菜も.感激.湯がいて酸味をつけたレンコンは,パクチーが効いていた.北京のレストランでも食べた太い寒天麺のようなもの(粉条;fentiaoというものらしい)と人参,卵,キュウリのサラダは肉味噌のようなソース.干し豆腐の炒めと一緒に盛りつけられた茹で鶏は花椒の香り,よく寝かされてしっとり.そしてそして,餃子2種(椎茸&豚と,セロリ&牛肉),てんこもり!一人で何十個も食べた.スパイスが効いていて美味しい.「十三香」というスパイスミックスで,五香粉の複雑版,みたいなものっぽい.さすがに奥さんも全部は知らなかったけど,ネットで調べたら分かったので,以下メモ:桂皮(シナモン),白止(ビャクシ、バイズ),大茴香(ダイウイキョウ、フェンネル),小茴香(アニズシード),乾姜(カンキョウ,干した生姜の粉), 白豆冠(ハクトウコウ),薄荷(ハッカ),丁香,木香,陳皮,胡椒,八角,山椒.

 最近めっきり,自分の感性にない料理に出会う機会が少なくなって,美味しいものを食べてもなんだか「確認」的な要素が強く,けっこう退屈していた.けれど今日のように,食べたことのない調理法や食材とスパイスの組み合わせは,自分の味覚や感性の幅が一気に広がるようで幸せな気分.親しい人が作った料理で幸せな気分.お腹いっぱいで幸せな気分.みんな楽しそうで幸せな気分.こんなに色々同時に幸せな食事をいただくのはほんと久しぶりだなあと思った.

 色々な話題の中で,今の中国-チベットの問題はとても興味深かった.そういや普通の中国人(共産党という組織の意向,ではなく)がチベットに対して持っている意識や感情って,殆どイメージした事がなかったな.もちろん民衆の意識も,政治や教育の影響を受けているんやけど.平らかな視点でニュースを見ているつもりでも,報道される情報自体が篩にかけられているわけで,少なくとも篩から落ちたもののボリュームくらいは感覚的につかめるようにならんとあかんなと思った.

 無理を言って餃子をお持ち帰りさせてもらった.自宅に着くなり茹でて家族にオスソワケ(僕も食べた),残りはすぐ冷凍.また好きな時に食べられるなんて・・・幸せ.